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ブドウを詠んだ短歌2 今日の青果売り場にはピオーネが.売られている葡萄は欧州系と米国系を掛け合わせた栽培種ですが,日本の自生種にはヤマブドウとエビネが知られています.古名は葡萄葛. 乾葡萄(ほしぶどう)喉より舌へかみもどし父となりたしあるときふいに 寺山修司  ぶだう呑む口ひらくときこの家の過去世の人ら我をみつむる 高野公彦  季節にも貌(かほ)ある如くマスカット白桃を剝く掌(てのひら)の冷え 深井美奈子  甲斐が嶺は白き夏雲夏空のま底は熟るる葡萄の大地 馬場あき子

現在私たちが食べているブドウは,欧州系(Vitis vinifera ),アメリカ系(Vitis labrusca ),もしくはこの両者を交配させた栽培種ですが,古来から日本に自生していたブドウ属の種として,ヤマブドウとエビネが知られています. 「酸味と渋みが強く、生食…

ブドウを詠んだ短歌1  日本人が150年近く食べてきたデラウェア.昭和30年代に種なしの出荷が始まったこともあり,人気は根強いものがあります.今年の栽培面積は巨峰を抜いたようです.日本では生食が主ですが,ワイン醸造にも用いられる品種とのこと. 手づくりの葡萄の酒を君に強い都の歌を乞ひまつるかな 山川登美子  沈黙のわれに見よとぞ百房の黒き葡萄に雨ふりそそぐ 斉藤茂吉  ひと房の葡萄をもてば君が手に流るる如く秋の紫 福田栄一

最も長く親しまれてきたブドウと言えば,デラウェアでしょう.現在でもブドウ売り場には必ず置いてあります. 導入されたのが1872年(明治5年),商業栽培開始は1886年 と言われていますから,日本人は150年近く食べてきたことになります. https://specialt…

クローブ2 クローブを使った世界のスパイスブレンド クローブは,単独でも用いられますが,世界各地の有名なスパイスブレンドになくてはならないスパイスとなっています.この解説に出てきたスパイスブレンドの画像とその構成を集めてみました.本当に沢山のスパイスブレンドの中にクローブが入っています.ウスターソース,トマトケチャップ  ,マサラチャイ,五香粉(ウーシャンフェン),ガラムマサラ,自家製パンプキンパイ用スパイス,フォー(ベトナム),自家製ピクルススパイス,モルドワイン

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はクローブ2 スパイス(スパイス&ハーブ)13 クローブ2 クローブを使った世界のスパイスブレンド 世界で最も古くから使われているスパイス…

クローブ1 植物と歴史 「強く甘い芳香と舌にしびれるような刺激的な味」と形容されるクローブ(和名丁子)は,チョウジノキの蕾を,開花する直前に摘み取り,乾燥させたスパイスです.日本では正倉院御物にあることも知られていますが,食べ物に入れることはなかったようです.クローブの生産は,近代までモルッカ諸島に限定され,初めポルトガル,次いでオランダにより厳しく管理統制されていました.17世紀から18世紀にかけてのイギリスでは,クローブは少なくともその重量分の金の価値があったとされています.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はクローブ1 スパイス(スパイス&ハーブ)12 クローブ1 植物と歴史 クローブは花の蕾から採られるスパイスです. スパイスとして使用し…

ナツメグ2 「ハンバーグのスパイスと言えばナツメグ」と思っていましたが---日本と違って,アメリカのハンバーグレシピにはナツメグはあまり見当たりません.一方,「(アメリカでは)塩味と甘みの両方のレシピに使われます」として,パンプキンパイ,ズッキーニブレッド,ステーキシーズニング,クリーム煮などと,ナツメグは幅広く使われていました.ナツメグ入りハンバーグは捨てることなく,新たなナツメグのレシピにも気が向いたら挑戦してみましょう.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はナツメグ2 スパイス(スパイス&ハーブ)11 ナツメグ2 日本ではハンバーグにはナツメグ ナツメグ入りのハンバーグは大好きです.「ナツメ…

ナツメグ1 植物としてのナツメグとその歴史. ナツメグは,ニクズク属(Myristica 肉豆蔲 )のMyristica fragansの種子から採られます.種皮からは,もう一つのスパイス,メース(mace)が採られるという珍しい植物で関連した言葉の語源は,香りが良いことを表しています.原産地はインドネシアのモルッカ諸島/バンダ諸島.バンダ諸島をめぐっては,スペイン,ポルトガル,オランダ,イギリスが熾烈な争奪戦を繰り広げたことがよく知られています.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はナツメグ1 スパイス(スパイス&ハーブ)10 ナツメグ1 植物としてのナツメグとその歴史. 使ったことのある数少ないハーブの一つナツメ…

トマト(2) コロンブス交換でヨーロッパへもたらされたトマトは,毒性が疑われた等のため,すぐには食べられませんでした.日本も同様で第二次大戦後広まりました.ビタミン豊富な野菜といえますが,飛び抜けて栄養豊富な野菜とは言えません.トマトに多く含まれるリコピンは,その役割に,世界の注目が集まっていますが,さらに「十分に管理された臨床研究および食事介入研究を,標準化された結果指標に焦点を当てて実施する必要がある」とのこと.なお,トマトのグルタミン酸は,うま味のもととして無視できません.

トマト(2) トマトは,南アメリカ〜メソアメリカ原産. アンデス地方などに生育していたものが,紀元前500年頃メキシコで栽培されるようになり(https://en.wikipedia.org/wiki/Tomato),いわゆる「コロンブス交換(The Columbian exchange https://en.wi…

トマトを詠んだ短歌  真っ赤なトマトが当たり前になったのは,タキイ種苗が「桃太郎」を完成させて以来.現在では,一年中,真っ赤なトマトが,野菜売り場の前面を飾り,トマトは人気野菜になつています. さ庭べにトマトを植ゑて幽(かす)かなる花咲きたるをよろこぶ吾は 斎藤茂吉  村の子は,/大きとまとを かじり居り。/手に持ちあまる 青き その実を 釈迢空  忽然と人ゐぬ厨(くりや)水口(みなぐち)に赤きトマトの相寄りにけり 葛原妙子  薄く切る皿のトマトよ血の匂う日の輝きもかかる色なる 平井弘

トマトは夏野菜と言われていましたが,現在では,一年中,真っ赤なトマトが,野菜売り場の前面を飾っています. 真っ赤なトマトが当たり前になったのは,それほど古いことではなく,1983年,タキイ種苗が,完熟で出荷できるトマト「桃太郎」を完成させて以来…

コリアンダー2 コリアンダーシード・パウダーの味・使った料理  コリアンダーシード/パウダーはカレー粉やガラムマサラのための重要なスパイスですが,カレーを食べても,ミックスされたスパイスの中から,コリアンダーの味を知ることはできません.コリアンダーシードは,ネットの記事を見ると: 甘くさわやか/レモンやオレンジを思わせる,温かみのあるナッツのような風味/まろやか/より大地の香り--- 使ってみる価値がありそうです.日本のS&B食品のサイトが,レシピを紹介しています.つくってみましょう.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はコリアンダー2 スパイス(スパイス&ハーブ)9 コリアンダー2 コリアンダーシード・パウダーの味・使った料理 https://housefoods.jp/pro…

コリアンダー1:葉(パクチー)の好き嫌い 葉も実も利用されるコリアンダー.日本でタイ語のパクチーとして広まった葉は,大きな問題を抱えています.人によって好き嫌いがはっきり分かれること.東アジアでは21%の人が嫌いと答えるとの調査もあります.遺伝子が関係しているらしいと日本語の検索でわかりますが,はっきりさせるために原著を当たってみました.「嗅覚受容体遺伝子近傍の遺伝子変異がコリアンダーの嗜好性に影響を及ぼす」.要約と背景をDeepL翻訳で転載させていただきます.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はコリアンダー1 スパイス(スパイス&ハーブ)8 コリアンダー1 葉(パクチー)の好き嫌い コリアンダー(Coriandrum sativum)は,葉も…

キュウリを詠んだ短歌(キュウリ2) 一年中生で食べられているきゅうり.サラダ・酢の物・ピクルス----.中国では炒め物にも用いられていますが. みちのくに病む母上にいささかの胡瓜を送る障りあらすな 斎藤茂吉  焼け込みし畑の土にうれはてて赫くなりたる黄瓜まろびおり 三ヶ島葭子  かかへたる青き胡瓜の感触がわかれて帰る腕(かひな)の上に 君島夜詩  庭畑にもぎし胡瓜をはりはりと囓りつつ朝の息をととのふ 木俣修  

キュウリ2 みずみずしいキュウリ.普通,生で食べますね. http://tokunaganouen2608.com/shop/245 メロンと同じ属ということに驚かされますが,生食という点では同じ. キュウリは熟す前に食べますが,メロンも野菜として食べるときには若い実を用いるそう…

キュウリ1 最もポピュラーな野菜の一つキュウリですが,歴史的に見ると,ポピュラーな野菜として世界的に認識されたのは,かなり新しいのかもしれません.人気野菜となる過程では,新しい品種の選別も重要な役割を果たしたと思われます.現在,日本で主流の品種は,華北型・白イボ・ブルームレスの品種.華北型は,肉質が増された品種として華南型に取って代わりましたが,白イボキュウリ,ブルームレスキュウリは,必ずしも美味しさとは関係ないところで選択されたようにも思われます.

多くの家庭の食卓に,必ずと言って良いほど見られるキュウリ. 中国語の胡瓜(西域民族・胡の瓜という意味)を日本風に読むことで,キュウリと呼ばれるようになったと思われますが--- 17世紀の日葡辞書(にっぽじしょ)の記述から,はじめはキウリと発音され…

パプリカ2 アメリカでpaprikaといえば,主にスパイスとしてのpaprika powderをさします.「他の調味料に負けることなく,マイルドで甘い風味を与えてくれます.煮込み料理〜卵料理まで,あらゆる料理に使うことができます」 最も優れているとされるのがハンガリー産パプリカ.ハンガリーのパプリカ料理は世界的にもよく知られています. そもそも,パプリカ自体がハンガリー生まれとされ,パプリカの語源もハンガリー語!

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はパプリカ2 スパイス(スパイス&ハーブ)7 パプリカ2 アメリカでの「パプリカ」 日本でパプリカと言えば,野菜の名前になりますが,アメ…

パプリカ1 初めてインド人の方が作るカレーを見たときには,てっきり辛いものと思い込み,「こんなに沢山入れて大丈夫?」と思ってしまいました.インドのカレーには必須のようですが,辛くはありません.インド料理のもう一つの代表として知られるタンドリーチキンにもパプリカが使われています.トウガラシと同じ種ですが,パプリカは,赤唐辛子に含まれる辛味成分であるカプサイシンの含有量がはるかに少ないのが一般的です.パプリカはまろやかで,美しい色とほのかな甘みをもたらします.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はパプリカ スパイス(スパイス&ハーブ)6 パプリカ1 赤い色が,トウガラシを思わせます. S&B paprika amazon McCormick paprika amazon…

西瓜を詠んだ短歌  美味しくなつている小玉スイカ.負けずと大玉スイカにも新品種が開発されています.今年もう一回食べたいもの. 西瓜割れば赤きがうれしゆがまへず二つに割れば矜(ほこ)らくもうれし 長塚節  ごろごろと土間にころがる青西瓜一つ一つに大きかりけり 三ヶ島葭子  碧き珠の大西瓜なれ食ひて見ねば讚め得ずとにかく刃をあておろす 阿部静枝  西瓜切る妻の傍に座を占めてその眼見張りてゐるや男童 大岡博

夏の果物といえば,スイカ. 一時期,人気に陰りが出たように思いましたが,最近は美味しい小玉スイカが沢山開発され,人気を盛り返してきているように思います. ネットで検索すると沢山の人気品種の名前が: ひとりじめ,スウィートキッズ,黒子玉,姫まく…

トウガラシ2 今日は二つの,やや離れた内容を二つ. 一つは欧米の言語におけるトウガラシとコショウの混乱.こちらが大部分です. 二つ目は,ホールタイプのトウガラシを使用したレシピについて. 「コショウを探してトウガラシを見つけたスペイン人は,純粋な混同から(あるいは面目を保つために),発見した実を 'red pepper' と名付けた」と言われています.混乱は今でも続いていますが,英米語の混乱が最大.呼び名の混乱は,red pepperとトウガラシを呼び続けている英国/米国に責任があるようにも--

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はトウガラシの2回目 スパイス(スパイス&ハーブ)5 トウガラシ2 今日は二つの,やや離れた内容を二つ. 一つは欧米の言語におけるトウ…

トウガラシ1 市販トウガラシのほとんどはトウガラシ属のCapsicum annuumという種で,鷹の爪もその一品種(スコヴィル値は4万〜5万).トウガラシの辛さの成分はカプサイシンで,その受容体は温度や酸によっても活性化され,痛みの受容体となっています(2021年ノーベル賞).「口腔内ののTRPV1 で辛味成分が受容されて痛覚と温度感覚が刺激され,スパイス自身の香りと相まって独特の風味がもたらされ,脳で統合しておいしさを認識」

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はトウガラシ. スパイス(スパイス&ハーブ)4 トウガラシ1 日本でいつも手に入る唐辛子と言えば-- 乾燥商品,一味,七味.そして最近は…

ナスを詠んだ短歌  日本人が長く食べてきた野菜なす(古くはなすび).世界に広がったなすには,様々な姿・色をしたものが.黒に近い濃い紫色の日本のなすは世界でも人気とか. 葉も花も実も紫の茄子ばたけつやつやしもよ朝露帯びて 窪田空穂  女(め)のわらは入日のなかに両手もて籠(こ)に盛る茄子のか黒きひかり 斎藤茂吉  出盛りとなりて紫紺の色深し一山の茄子を日ぐれにあがなふ 君島夜詩  ゆうぐれに澄む茄子畑かなしみのしずくとなりて茄子たれており 玉井清弘

「夏野菜の代表の一つ」とされるナスですが,現在の日本では一年中手に入る野菜となっています. 各県の分業が進み,冬春は高知・熊本・福岡などから出荷され,夏秋は群馬・茨城などからの出荷が多くなります. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?…

ナス料理:暑い夏になると食べたくなります.伝統的定番の焼きナス・ナスの煮浸し・豚肉との炒め物---.NHK「みんなのきょうの料理/今週の人気ランキングベスト5 8月7日」では,ベスト5中4つがナス料理.食べたくなるのは私だけではないようです.ナスを沢山生産している国々には,美味しそうなナス料理が沢山ありそうです.「中華ナスのスパイシーガーリックソースがけ」「インド 茄子のカレー - レストラン風バインガンマサラ」「 メサア(エジプト風スパイシーナス)」「トルコ 風茄子詰め "カルニヤリク"」

夏野菜の代表の一つナス. 定番の料理;焼きナス・ナスの煮浸し・豚肉との炒め物----私は暑い夏になると食べたくなります. もちろん嫌いな方もおいででしょうが(ナスは,男女とも好きな野菜のトップ5に入っていますが,男性/子供の嫌いな野菜トップテンに…

コショウ3 スパイス貿易と大航海時代 「ヨーロッパはコショウを求めてアジアにやって来た」 しかし---欧州で,どれほどコショウが必要とされていたのか? 本当にコショウを求めるだけのために大航海時代が始まったのか? 結果として,ヨーロッパによる世界の植民地化が行われたが,どこまでコショウが関わっていたのか? 「World History Encyclopedia」に,まとめられていました.1/2要約版で掲載します.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はコショウの三回目. スパイス(スパイス&ハーブ)3 コショウ3 スパイス貿易と大航海時代 「ヨーロッパは,コショウを求めてアジアにや…

コショウ2 植物としてのコショウ/コショウの生産  コショウはコショウ属のPiper nigrumというつる性植物の実.原産地は南インドの西海岸といわれています.コショウ属には,他にもスパイスとして利用されている種があり,ロングペッパー(ヒハツ)は日本でも手に入ります.そして,このロングペッパーのサンスクリット語が英語pepperの語源となっています.2020年のコショウの生産輸出国のトップはベトナムで世界の36%にのぼるとのこと.なお,日本に自生するフウトウカズラは,コショウ属ですが辛みはありません.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はコショウの二回目. スパイス(スパイス&ハーブ)2 コショウ2 植物としてのコショウ/コショウの生産 コショウはコショウ目コショウ科…

コショウ1 黒コショウと白コショウ 日本でも,最近は黒コショウ・白コショウが普及しつつあります.黒コショウと白コショウは同じPiper nigrumの実で,作り方が異なります.辛み・風味・使用法についての解説は,日本語サイトと英語サイトでは異なる部分があります.日本/アメリカの製品・好みを反映したものかもしれませんが,素材による使い分けに英語サイトは触れていません.一方,英語サイトでは,「白コショウはフランス料理,中華料理,ベトナム料理などでよく使われる」としています.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,簡単にまとめていこうと思います.シソ科のハーブについては,シソ目シソ科のシリーズで取り上げたので,今日からのまとめでは省きます. スパイス(スパイス&ハーブ)1 コショウ1 黒コショウと白コショウ コショ…

スパイスとハーブ.その違いは? 日本語の香辛料の意味は? スパイスとハーブ,さらには香辛料という言葉の違いについては,二つの説明があるようです.小さなちがいですが,1. 香辛料=スパイス>ハーブ 元々の意味としてはこちらが正しいようです.ハーブはスパイスの中に含まれる一群で,多くの場合,葉を利用するもの.スパイスは,辛みスパイス,マイルドフレーバースパイス,芳香性スパイス,芳香性ハーブ野菜に四分類できます. 2. スパイスは葉以外の部分を利用するもの,ハーブは葉を利用するもの.

最近話題としてきたシソ目シソ科の植物. 特にシソ科イヌハッカ亜科の植物には,料理用の香辛料として用いられているものが多数あります. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/07/18/234517 https://en.wikipedia.org/wiki/Basil 〜 https:/…

ホトケノザ(シソ目第二十一回/シソ科第十六回) 解説で必ずついているのが「春の七草のホトケノザはコオニタビラコで,本種ではない」. ユーラシア大陸に分布し,アメリカにも帰化.しかしとても好意的に扱われています.「魅力的な外観,食用性,---」 食用性?アメリカでは食用の野草として扱われているようです.「セロリに似た,少し甘くコショウのような風味がある」「ヘンビットはペーストに最適だ」 中国では薬用植物として扱われてきたようです.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第二十一回/シソ科第十六回 ホトケノザ 畑などでとてもよく見かける花.ただ,関西に比べ,関東では少ないようにも思います. 日本語のサイトの解説で,必ずついているのが,次のただし書き…

ミント/ハッカ属Mentha2 ハッカとmint/Menthaの語源/アップルミント/ヒメハッカ(シソ目第二十回/シソ科第十五回) mintは,もとをたどればギリシャ語 minthē(ハーブのミントに変身させられたニンフとして擬人化された名称)由来」 魅力的なハーブであるアップルミントは観賞用/グランドカバーとして広く利用され,葉は料理用ハーブとして,ミントティー等に用いられます. ヒメハッカの学名はMentha japonica.原産国である日本に由来.北海道と本州の固有種で準絶滅危惧種.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第二十回/シソ科第十五回 ミント/ハッカ属Mentha2 前回は,ハッカ属の植物として,代表的な3種,ニホンハッカ,スペアミント,ペパーミントを取り上げました. https://yachikusakusaki.ha…

ミント/ハッカ属Mentha1ニホンハッカ,スペアミント,ペパーミント(シソ目第十九回/シソ科第十四回) ニホンハッカはメントールの生産で,長い間主役を果たしてきた品種.調理等でペパーミントとスペアミントのどちらを選ぶかは,個人の好みと,料理に与えるインパクトによります.スペアミントは,ほのかな甘い香り・爽やかさがあります.ペパーミントはしっかりとした強い香りと味を誇ります.スペアミントにはメントールが含まれず,カルボンが主成分.ペパーミントには,メントールが精油の40%以上含まれています.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十九回/シソ科第十四回 ミント/ハッカ属Mentha1 英語のmintミントは,ハッカ属Menthaの総称として用いられ,日本でもおなじみの言葉です.以前はハッカという言葉が一般的でしたが--. …

サルビア属(アキギリ属)1 料理に使われるセージ・チア/危険なサルビア(シソ目第十七回/シソ科第十二回) サルビア属には,セージ・ローズマリー以外にも食用になる植物種があります.スパニッシュセージ,グリークセージは,セージの代わりに用いられたり,精油用に栽培されたりしています.先コロンブス期に広く利用されていたチアは,近年,代替作物や健康食品として注目されています.サルビア・ディヴィノルムには強力な精神作用あり,「合法的な」幻覚剤として使用する人が増え,日本,欧米で薬物規制の対象となっています.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十七回/シソ科第十二回 サルビア属(アキギリ属)1 料理に使われるセージ・チア/危険なサルビア 昨日取り上げたSalvia officinalis(common sage,一般的にセージと呼ばれる)は,料理…

セージ(シソ目第十六回/シソ科第十一回) Salvia officinalisは,欧米の料理に欠かせないハーブ. 花壇用とされるサルビア(イタリア語/ラテン語)の仲間です.サルビアの英語がセージ.特定するためにはcommon sageと呼びます.欧米の,特にギリシャ料理,イタリア料理には欠かせないハーブで,ソーセージ,鶏肉,魚の味付けに使われます.仔牛サルティンボッカやパスタ,ニョッキには,葉丸ごとカリカリにして用います.セージはローズマリーに似た,力強く支配的な風味を持ちます.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十六回/シソ科第十一回. セージ(Salvia officinalis, the common sage) https://en.wikipedia.org/wiki/Salvia_officinalis 茎葉はビロード状の白色軟毛に覆われています. 花もとても…

ローズマリー(シソ目第十五回/シソ科第十回) フランス料理地中海料理を中心に多様な使い方があります.ブーゲガルニ,エルドプロヴァンスのハーブとして.子羊や野菜のロースト/様々な地中海料理のブレンドシーズニングとして.パンにトッピング---- 名前はラテン語のros(「露」)とmarinus(「海に属する」)に由来します.以前のRosmarinus(属)は最近Salvia(属)に統合されました.マコーミックの解説文がとてもまとまっていたので,DeepL 翻訳して転載します.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十五回/シソ科第十回. ローズマリー Google ローズマリー 花 日本人にもよく知られるようになったローズマリー. 植物として育てたことはありますが,ハーブとしての使い方が私はまだよ…

オレガノ(シソ目第十四回/シソ科第九回) ピザやトマト料理でおなじみ.料理にパンチを加え,強くシャープな風味は,淡白な風味と強いコントラストをなし,力強く風味を増すためによく使われます.地中海沿岸の丘陵地帯と西アジアが原産で,語源は、ギリシャ語oreiganon(山の輝き/喜び).「古代ローマ人がオレガノを愛用したことで、オレガノはヨーロッパ全土と北アフリカに広まった」といわれています.精油の主成分はチモールとカルバクロール.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十四回/シソ科第九回. オレガノ ハナハッカ Origanum vulgare https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_image_slideshow&target_plant_code=537&num=2 料理への利用 ハーブ類の使い方…