街 風景 社寺 植物園

鎌倉日朝様(本覚寺),おんめさま(大巧寺)の7月下旬の花たち/トクサを詠んだ短歌(再掲) 本覚寺の百日紅は満開直前.栴檀の青い実は大きくなってきています.おんめ様で見ることができた花はムクゲ,ハナトラノオ,ボタンクサギ,ユウスゲ(キスゲ),オミナエシ,ハス.  竪(たて)川の流れ溢れて君が庵の庭の木賊に水は越えずや 正岡子規  白き猫庭の木賊の日たむろに眼はほそめつつまだ現(うつつ)なり 北原白秋

鎌倉にいた頃は最も良く訪れた散歩コース:日朝様(本覚寺)-おんめ様(大巧寺)を,何週間ぶりかで歩いてきました. 日朝様の花といえば,春の枝垂れ桜,夏の百日紅. 今日の百日紅は満開直前といったところでしょうか? 栴檀は私が大好きな木.しかし,ほ…

合歓木の実/合歓を詠んだ短歌(再掲) 片瀬漁港防波堤までの散歩の道中に出会った合歓木.花は散り青黒い実が沢山垂れ下がっていました. あやしくも神ことよせて思ひしみ恋ふるこころを知るやねむの木 伊藤左千夫  合歓の葉の 深きねむりは見えねども,うつそみ愛(ヲ)しきその香たち来も 釈迢空  合歓の実の黝(くろ)く垂りたる照らしつつのぼり来たる月をこの夜半も見ぬ 木俣修  合歓の花木末(こぬれ)に高くそよぎつつ秘かなるわが思慕をいざなふ 大西民子

雲の多い1日でしたが,暑さは変わらず. 夕方の散歩コースは,境川の河口の道から片瀬漁港の江の島寄り防波堤の先端まで. 境川の川面の燦めき. 片瀬漁港入口からは江の島が美しく見渡せます. 防波堤から振り返って片瀬漁港を見渡すと: 防波堤先端でしば…

7月後半の花 in 平塚花菜園3/なすを詠んだ短歌(再掲) 夏を代表するヒマワリとハス.トレニア,ヤブランは以前育てていました.小さな花のヤナギハナガサ・セイヨウトラノオ.サボンソウ,タンジーははじめて.そして夏野菜たち:ズッキーニ・カボチャ・シシトウ・ナス.  女(め)のわらは入日のなかに両手もて籠(こ)に盛る茄子のか黒きひかり 斎藤茂吉  わが植ゑし茄子は光沢(つや)ある紫にのびて稚き実は地につけり 若山喜志子  出盛りとなりて紫紺の色深し一山の茄子を日ぐれにあがなふ 君島夜詩

今日は,江の島弁天橋から,夕焼けの富士を見ることができました. この1時間後,2024江の島花火第一回がありました.江の島花火は,8月いっぱい,5回にわたって行われる,5分間だけの打ち上げ花火. 【2024江の島花火 】2024年夏も豪華に5回開催 <7月23…

7月後半の花 in 平塚花菜園2/ベゴニアを詠んだ短歌  出会った大輪のフヨウはおそらくアメリカフヨウ.宿根サルビアは私の好きな花.初めてであつた「宿根フロックス」.花壇にはヒャクニチソウ,メキシコヒャクニチソウ,センニチコウ.そしてベゴニア. ひねもすを暑に労れし目にしみるベコニアの花のよき紅さかな 佐佐木信綱  わが額汗にじみつつ椅(よ)る卓にベコニアの葉は色驕(おご)りたり 植松壽樹  ベゴニアの紅透る茎に似て少女はやさし花売るときも 浅田雅一

今日も暑い1日でした. 話題は,昨日に引き続き,平塚花菜園の花たちです.訪れたのは一昨日. サルスベリ,ムクゲと並んで,今,元気な花といえばフヨウ.花菜園で出会ったのは大輪のフヨウで,アメリカフヨウという種もしくはその園芸種かなと思います. …

7月後半の花 in 平塚花菜園1/はまなすを詠んだ短歌  今最も元気なサルスベリ・ムクゲ,とても珍しいタキユリ.やや早いリコリス.ワスレグサ園芸種ヘメロカリス.そして,ハマナス(ハマナシ)の園芸種ハイブリッドルゴサ. 潮(しほ)かをる北の浜辺の/砂山のかの浜薔薇(はまなす)よ/今年も咲けるや 石川啄木  砂の花おのづから生るとふ説もたのし吹浦(うくら)の浜のハマナシ摘みて 鹿児島寿蔵  オホーツクの潮(うしほ)とどろく草丘にすがれんとして赤き玫瑰(はまなす) 宮柊二

昨晩遅くの大雨がうそのように晴れた1日でした. 夕方富士は見えませんでしたが--- 昨日出かけた平塚花菜園. 園芸植物が沢山揃えられている植物園です.7月後半の花々の写真を撮ってきたので,アップしたいと思います.今日はその第一回. 園の入口横.サ…

エノコログサ/狗尾草を詠んだ短歌  今,鎌倉の空き地では狗尾草がかなり優位になっています.古来から愛されてきたこの雑草が粟の祖型.知りませんでした. ゑのこ草おのがころころほに出でて秋おく露のたまやどるらん 藤原為家  コップにゑのころぐさの若き穂と露草をなげて朝の食卓 結城哀草果  涙こらへこのしづかさもまもるなるゑのころ草のをさな穂の花 福田栄一  猫じやらしの淡(うす)き黄の穂の相寄りてひかりのなかに皆顫(ふる)ひつつ 宮柊二

今日も曇り空の江の島.夕方雨は止んだのですが---- 昨日訪れた鎌倉.空き地にはヒメジョオン.そして,ヒルガオかと思ってよく見たらペチュニアも. 2カ所行き当たった空き地で,一番優勢だったのがエノコログサ.2カ所目は海岸にかなり近い場所だったの…

夏祭を詠んだ短歌  近くの鎌倉腰越の小動神社では,今日まで天王祭が行われていました.江の島八坂神社との行合祭.  夏祭わっしょわっしょとかつぎゆく街の神輿が遠くきこゆる 北原白秋  軒提灯のあらまし消えてならびたる夏の祭のをはりのひそけさ 松倉米吉  夏祭神輿に競ふ心意気を代々承け継ぎて今もあはれなり 筏井嘉一  嚙めばかすかな海ほおずきの頬そめてお前が笑う今日は祭 佐佐木幸綱

各地で大雨とのニュース.ここ江の島は,曇り空ながら,雨は時々降るだけ. 梅雨明け前ですが,各地で夏祭りが行われる季節に入りました. 近くの鎌倉腰越の小動神社では,今日まで天王祭が行われていました. 江の島八坂神社との同時開催される行合祭.珍し…

ガマ(蒲)を詠んだ短歌   井の頭池の岸近くには,蒲の穂が並んで,ややもの悲しくも美しい光景をつくりだしていました.  谷ひとつ越えつつゆけば平(たいら)あり沼地の岸に蒲(かば)ぞ生ひたる 斎藤茂吉  たまさかに明(あか)る薄陽(うすび)のか遠くて夕さり寒し蒲の穂の立(たち) 北原白秋  山道に子の折りくるる蒲の穂よすでにし母は観音ならず 中城ふみ子

今日も暑い1日でしたが,夕方,富士山が久しぶりに姿を見せてくれて,蒸し暑さも少し和らいだ気持ち(気持ちだけ)になりました. 昨日は,大変お世話になった先生を囲んで,吉祥寺で昼食会.旧交を温めた後,井の頭公園を散策してきました. 夕方近くのほ…

クチナシを詠んだ短歌  昨日見た梔子の花.きれいに咲いた花はとても美しく気品もあり,世界中で愛されてきた花であることに納得.イギリスには18世紀に導入され,人気を博しました. 我が宿の垣のくちなし花さきぬいそげや早苗時過ぎにまに 石川依平  夏の日はなつかしきかなこころよく梔子の花も汗もちてちる 北原白秋  駅の花圃(かほ)にくちなしの花嗅ぎしことわが今日の生に測らざりしこと 田谷鋭  くちなしの黄に乾びたる花ながらにほひつつまた外は雨なり 森岡貞香 

日中かなりの雨.明日から金曜日までは晴れ予報で,梅雨入り宣言はありませんが,実質的な関東地方の梅雨入りかなと思います. 夕方小降りになってから出かけた時の花々.雨に濡れた花も風情があります. 下のクチナシ(Gardenia jasminoides)は,昨日撮っ…

コエビソウ,ミッキーマウスノキ,ブーゲンビリア(街で出会ったちょっと珍しい季節の花4) 全て熱帯地方原産ですが,藤沢鎌倉では戸外で冬越しできているようです.特にブーゲンビリアは当たり前に育てられていて珍しくはなくなってしまいました.エビのように見える花を咲かせるコエビソウはキツネノマゴ科キツネノマゴ属で,最近よく見かけるハアザミ(アカンサス)もキツネノマゴ科.ミッキーマウスノキはあまりなじみのないオクナ科.「黒色に熟した果実がついた姿がミッキーマウスの顔に見える」 

街で出会ったちょっと珍しい季節の花・四回目. 今日はコエビソウ,ミッキーマウスノキ(オクナ・セルラータ).そして,今では全く珍しくはなくなっているブーゲンビリア(ブーゲンビレア). コエビソウ 「朱色の苞が重なったユニークな形が,エビのように…

青花クフェア,ニーレンベルギア・ギンバイソウ,ノリウツギ(街で出会ったちょっと珍しい季節)  クフェアの赤花種はかなり長い間育てていたのですが,青花に初めて出会いました.赤花種は丈夫でお気に入りの植物でした. 名札に「ぎんばいそう」とあった花は,調べてみるとニーレンベルギア・ギンバイソウ.ギンバイソウで間違いとは言えないようですが,ギンバイソウといえばアジサイ科の山野草のギンバイソウを指すのが一般的.アジサイ科では,今年もノリウツギの花を見てきました.もっと広まっていい花だと思います.

街で出会ったちょっと珍しい季節の花の三回目. 今日はお寺rの境内のものも取り上げるので,正確には「街とお寺で出会ったちょっと珍しい季節の花」になります. 初めは,クフェア.クフェアとして販売されていますが,多分,クフェア属(タバコソウ属)の1…

ルリフタモジ-ツルバキア-とルリマツリ(ちょっと珍しい季節の花2) ルリフタモジは,初めて出会いました.シンプルですっきりした印象を受ける花.ルリマツリは,現在は,ほんとうによく見かける花になりました.美しくて生育がおう盛なのが好まれたのだと思います.どちらの植物名にも使われている「瑠璃」.沢山の植物名に使われていますが,仏典に頻出する青色の宝石の名前.ラピスラズリ(青金石)だろうといわれています.ラピスラズリの青色成分は,フェルメールが用いた顔料.

街で出会ったちょっと珍しい花. 今日は,ルリフタモジ(ツルバキア)とルリマツリ.ルリマツリは最近どこででも見かけるようになっていますが--- ルリフタモジは,初めて出会いました.ツルバキアの名前の方が一般的なようですが,「アガパンサスを小型にし…

エスカロニアとギンバイカ(ちょっと珍しい季節の花1)  街を歩いていると,名前も知らない花にも出会います.そんな植物をいくつか紹介します.「エスカロニアピンクエル」は2012年HTAナショナルプラントショー受賞とありました.フランスで発見された矮性苗から選抜された最近の品種.「濃い照葉を年間を通して楽しめる常緑の庭木として魅力の品種.初夏に花を咲かせます」.ギンバイカは珍しい花とは言えませんが,街中で出会ったのは初めて.私の大好きな花の一つです.ローヤルウェディングブーケの花として有名.

今日は暑い一日で,猛暑日を記録した地域もあったようです. https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2024/06/14/29160.html 梅雨前線は,日本列島から離れたまま. https://weather.yahoo.co.jp/weather/chart/ 「関東の梅雨入りは6月下旬までずれ込む可能性…

短夜を詠んだ短歌  藤沢の日没は19時.今日の夜の長さは夜の長さは9時間29分.明日の昼の長さは14時間31分.夏至近くの昼と夜の長さがこんなに違う!  霍公鳥(ほととぎす)来鳴く五月の短夜もひとりし寝れば明かしかねつも 万葉集  くれなゐの扇に惜しき涙なり嵯峨のみじか夜暁(あけ)寒かりし 与謝野晶子  短夜はなにかしろきにじじと熬(い)る夏蝉のこゑを気色にぞ聴く 北原白秋  みじか夜を美(くは)し云ひて惜しみつつやがて眠りにゆくばかりなり 斉藤史

19時,いつも出かける江の島弁天橋から富士山を撮影しました. ちょうどお日様が沈んだところ.この後15分位は,雲が一番赤く見える時間帯で,短い時間ですが東の雲も赤く染まります. ヤフー天気には,今日の藤沢の日の入り時刻18時58分,明日の日の出は4時…

スイレン・ひつじ草を詠んだ短歌 品種改良が進みモネが愛した睡蓮.日本に自生するのはひつじ草のみ.  睡蓮のしげき浮き葉のあひに見る水真青なり古き大池 窪田空穂  池の面の おとゝなり来る 朝じめり—。ほのぼのうかぶ 睡蓮の 白 釈迢空  縁近く影をうつせる睡蓮のひかりて揺るる地をはふ風に 大岡博  曇日のすずしき風に睡蓮の黄花ともしびの如く吹かるる 佐藤佐太郎

昨日,出かけた鎌倉海蔵寺の心字池には,スイレンが白い花を咲かせていました. 日本に自生するヒツジグサかなとは思いましたが--- 遠景で見ただけのこともあり,いつも頼りにしているPictureThisは,和の植物についてはあまり当てにならない--. https://ja…

鎌倉海蔵寺の6月は多種類の花・植物が楽しめます:楓の若葉と花のような種の羽.萩の返り咲き.萼紫陽花・山紫陽花「紅」.八重花蕺(ドクダミ).花菖蒲白花・紫花.京鹿の子.耐寒松葉菊.姫美女桜.白花蛍袋.本堂裏の心字池は,白で統一されて気持ちを落ち着かせてくれます.白花カラー.葉が白くなってきた半夏生.白花睡蓮(ヒツジグサ?).

午後,鎌倉の友人宅へ行ったついでに,海蔵寺まで行って来ましたん. 鎌倉扇ガ谷の一番奥のお寺です. 山門の手前のもみじの緑が美しく,若葉が紅い品種も一二本混ざっていて,風情を引き立てます. 種が美しく見える樹は全てではありませんが,駐車場にあっ…

小田原城址公園花菖蒲園に,新幹線から東海道線への乗り継ぎの合間の小一時間立ち寄ってみました.「アジサイとハナショウブが同時に楽しめます」とのテレビ報道に誘われて.花菖蒲園の横のお城の斜面に紫陽花が沢山植えられていて,同時に楽しめるように工夫されています.アジサイは,今まさに見頃の満開.花菖蒲は,花の勢いではアジサイに優っていて元気をもらえす. 濃艶に咲きて日に照る花菖蒲風ふきくれば紫に揺る 大岡博  花型の日本的なる 小粋なる 下町情緒なる 花菖蒲  片山恵美子

小田原城址公園にある花菖蒲園では,「あじさい花菖蒲まつり」が開催されていて,アジサイとハナショウブが同時に楽しめます.夜間のライトアップもありますよ. とのテレビ報道に誘われて--- 近江八幡での歌会に出席の帰途,小田原で新幹線から東海道線への…

オダマキを詠んだ短歌  江の島サムエルコッキング苑にミヤマオダマキ(多分)が咲いていました.オダマキは,もとは糸玉の名前.いい響きのためか,糸玉としても歌に詠まれてきました.いにしえの しづのおだまき くりかへし 昔を今に なすよしもがな(伊勢物語). 耬斗菜(をだまき)のさびむらさきは中筒の端白ゆゑに見れど飽かぬかも 岡麓  あまたたび冬には逢へど枯れざりし庭の耬斗菜(をだまき)かれなくてあれな 長塚節  死に近き母が目を寄りをだまきの花さきたりといひにけるかな 斎藤茂吉

アジサイの季節.タマアジサイだけではなく,近年は多種類のガクアジサイが,6月の季節を楽しませてくれています. 街を歩くと,名前を知らない美しい花,かわいらしい花たちに出会います. ヒルザキツキミソウは,今の季節,最も見かける花になりました.…

ヤグルマギクを詠んだ短歌/街中であった花たち ウメの実が大きくなっています.初めて出会ったヘンダール:ミカン科はヘンルーダ科と呼ばれていた! 何軒か軒先の植木鉢に,ヤグルマギクが花を咲かせていました. うば玉の髪より白き簾(すだれ)より涼しきいろの矢ぐるまの花 与謝野晶子, にほやかに君がよき夜ぞふりそそぐ白き露台の矢ぐるまの花 北原白秋, 函館の青柳町こそかなしけれ 友の恋歌 矢ぐるまの花 石川啄木  牧草に種子まじりゐし矢車の花咲きいでて六月となる 石川不二子

アジサイが街を彩り,梅の実が大きくなってきています. (このブログで,ジャガイモが刈り取り挙げてきたこの10日間に出会った植物を取り上げています) 花が咲く春が終わり,植物たちは実をつけ始めています.ナツグミはこの頃,街でよく見かけるようにな…

アネモネを詠んだ短歌/江の島サムエル・コッキング苑の花たち  先日訪れたサムエル・コッキング苑.花の種類は,それほど多くありませんが,丁寧に配置された花は,見応えがあります.フレンチラベンダー,サルビア,フランネルフラワー,沢山のバラ.そして今季の最後の花を,けんめいに,美しく咲かせていたのはアネモネ. アネモネの花の花蕊(しべ)くれなゐにほほけて春はすぎにけるらし 鹿児島寿蔵  子を生みてうつろなひとみアネモネの紫色より更に恋しき 加藤克巳

6月に入って早くも5日.名実とも初夏. 関東地方の今年の梅雨入りは早くて6月10日.それでも平年より遅い.と先ほどのニュースが告げていました. 街を少し歩けば,アジサイに出会います.わが家の直ぐ近くの小径はアジサイ通りになっていて,めざとく見つ…

初夏を詠んだ短歌3  はつなつ の かぜ と なりぬ と みほとけ は をゆび のうれ に ほの しらす らし 会津八一  この初夏(しょか)の庭は樹ぶかく暮れにけり水のおとこそ聞かまく欲しき 中村憲吉  初夏の風ビルの谷間をふきぬけてとまれる車いろどりをもつ 中野菊夫  初夏の一日一日は危ふきに吹く風あそぶ天の夕雲 清原令子  木に熟れし桃捥(も)ぐひとのむきだしの腕にこぼるる首夏のひかりは 久々湊盈子  ブラウスの中まで明るき初夏の陽にけぶれるごときわが乳房あり 河野裕子

昨日訪れた鎌倉浄妙寺では,今,ヤマアジサイが最盛期.初夏の雰囲気を満喫してきました. 今の季節,浄妙寺の花が少なくなってきていますが,ヤマアジサイ以外にも色々楽しむことができました. 白花のサツキは,これから咲くぞといった感じで,ポツポツ咲…

ウツギ(卯の花)の鉢植えが,大船フラワーセンターに展示してありました. 卯月=旧暦4月に咲く日本の初夏を告げる代表的な花で,’夏は来ぬ’で歌われた「季節の花」としての展示だと思います.隣に展示してあった梅花空木は別属ですが,フラワーセンターにもあったサクラウツギは,ウツギ属の園芸種.妙法寺で立派は花が見られるサラサウツギは,卯の花の変種になります. 五月雨もむかしに遠き山の庵(いほ)通夜する人に卯の花生けぬ 与謝野晶子

昨日訪れた大船フラワーセンターに,ウツギの鉢植えが展示してありました. ウツギは,別名ウノハナ(卯の花). 大好きな花なので,このブログでも数回取り上げています.以下,解説の多くはくり返しになります. 卯の花は,卯月=旧暦4月に咲くので,この…

ヒルガオを詠んだ短歌  今日は快晴.いつもの弁天橋から,そして湘南平から,富士がよく見えました.湘南海岸には浜昼顔が開花しています. 山原の茅原(チフ)に しをるる昼顔の花。見過ごしがたく 我ゆきつかる 釈迢空  昼顔の花まとふ垣のつづきゐて次第にやさし死へのおもひは 藤井常世  髪羞(やさ)し汝が挿しくれしひるがほもひかりあえかにゆふべは萎えぬ 河野裕子 

今日は快晴. ベランダへ出ると富士山がよく見える. 早速,午後,弁天橋まで.気持ちがよい5月の富士! 思い立って,かねてから一度行こうと思っていた湘南平まで車を走らせました. 湘南平からの富士です.日が傾きはじめていたので,逆光.あまり美しく…

おんめ様〜妙本寺〜本覚寺 鎌倉在住時には週に一二度訪れていた散歩コース.今の季節,沢山の花と若葉を楽しむことができます.ツツジ・ハクチョウゲ・テイカカズラ・イワフジ---.5月の楓と妙本寺二天門.そして,センダン(栴檀,楝 おうち/あふち)の花. 羽根そよがせ雀楝の枝に居り涼しくやあらむその花かげは 北原白秋  栴檀のうすむらさきに咲きつげる窓おしひらきしばしの息つぎ 長沢美津  栴檀はうすむらさきの雪のごと花咲きてしあわせなりしかの日よ 石川不二子

今日は午前中は雨模様の曇り. 午後,用事で鎌倉へ.晴れ間が見えてきた夕方,かつては週に一二回は訪れていた散歩コース(大巧寺〜妙本寺〜本覚寺)へ足を伸ばしました. 大巧寺(おんめさま)の八幡通寄りの山門と山門脇に美しく花開いていたツツジ. 普段…

富士を詠んだ短歌3  富士颪(おろし)ひょうぎょうと吹き凍りたる湖(うみ)のもなかに波青くあがる 前田夕暮  不二ヶ嶺はいただき白く積む雪の雪炎(せつえん)たてり真澄む後空(あとぞら) 北原白秋  しづけさは湖(うみ)にうつれる富士のかげ一鳥(いってう)飛ばず一魚踊らず 吉井勇  富士の嶺の上に到るやただに消ゆるうすべに色に雲のいくひら 若山喜志子  富士ヶ嶺は奇(くし)びの山か低山(ひきやま)の暮れ入る時を赤富士と燃ゆ 吉野秀雄

5月5日子供の日は,稲村ヶ崎まで行って来ました. 一番近いのは江ノ電稲村ヶ崎駅ですが,鎌倉高校前で降りて,海を見ながらの散歩. 鎌倉高校前で降りると,さすが連休,浜には人も多く出ていました.中国・韓国の若者にとても人気のスポットになっていま…

富士を詠んだ歌2  一昨日出かけた江の島稚児ヶ淵から見た富士:気持ちを和ませる美しさ. 富士の嶺の煙もなほぞ立ちのぼるうへなきものはおもひなりけり 藤原家隆  風になびく富士のけぶりの空に消えてゆくへも知らぬわが思ひかな 西行  ひさかたの三日月の湖ゆふ暮れて富士の裾原雲しづまれり 伊藤左千夫  富士のねの石の室屋の岩枕ゆめ白くもの上にただよふ 佐佐木信綱  遠つあふみ大河ながるる国なかば菜の花さきぬ富士をあなたに 与謝野晶子

GW後半,4日目の今日.空には雲がどんより立ちこめて,もちろん富士も見えず. 5月3日,4日,5日,ほとんど雲はなく晴れ渡った3日間でした. 夕焼けの富士は,真冬ほどクリアではないものの,とても美しく,気持ちを和らげてくれました. 江の島弁天橋…

富士を詠んだ短歌1 この3日間は快晴.江の島弁天橋,江の島稚児ヶ淵,鎌倉稲村ヶ崎からは,夕焼けの富士を望むことができました.  田子の浦ゆうち出でてみれば真白にぞ不尽の高嶺に雪は降りける 山部赤人  富士の嶺に降り置く雪は六月の十五日に消ぬればその夜降りけり 高橋虫麻呂歌集  富士の嶺を高み畏み天雲もい行きはばかりたなびくものを 高橋虫麻呂歌集  我妹子に逢ふよしをなみ駿河なる富士の高嶺の燃えつつかあらむ 作者未詳

GW後半は,晴天に恵まれ,藤沢・鎌倉からは,この3日間,毎日,富士を望むことができました. 5月3日,弁天橋入口から富士を望む 5月4日,江の島稚児ヶ淵から富士を望む 5月5日稲村ヶ崎から富士を望む 富士を詠んだ短歌1 (古今短歌歳時記より) 古…

楠若葉を詠んだ短歌2 小学生ティーボール大会を見に行って来ました.球場のまわりは,木々の新緑が見事.  わが肌に汗にじみつつ現身(うつしみ)やなにかみにくし散れる樟の葉 佐藤佐太郎  わが立てる楠の木かげを吹きすぎし風ははるかの池にかがよふ 田中順二  饂飩たべてまた彫るという楠の香のただよう階をわれは帰りゆく 鎌田弘子  まひるまの嵐吹きみだる樟わか葉明るき影をふりしきらせり 古泉千樫

昨日,平塚総合公園の野球場で行われた小学生(一年生〜三年生)のティーボール大会を見に行って来ました 思ったより数段面白く熱の入った応援をしてしまいました. http://www.teeball.com/aboutteeball/ 平塚総合公園のサッカー場は,湘南ベルマーレのメイ…

初夏の妙法寺  5月の妙法寺を訪ねてきました.マルバウツギ,リキュウバイ,オオデマリ,ヒメオウギアヤメ---.初夏の花が境内を彩っていました.庭の奥の水槽にはオタマジャクシも.5月は,苔階段が最も元気で美しい月.特に昨日は,雨のあとで,苔がみずみずしく,覆っている楓のみどりもさらに美しく見えました.裏山の枯葉の上の新しいくすのき落葉も5月らしい.林の中にはキンラン.庭のフタリシズカとともに,このお寺にとてもよく合う花だな〜という印象を持ちました.

今日5月3日は快晴でしたが,昨日は,晴れてはいたものの,快晴とは言えない1日でした. 鎌倉での用事のついでに,妙法寺まで行って来ました.私が最も多く訪れてきた寺院の一つ.苔寺としても知られるとともに.花のお寺でもあります. 道中の花たち. 川べ…

連休初めての晴れた日,初夏へ向かう季節を感じさせてくれる陽射しでした.海を眺めに小動岬まで.途中出会った麦仙翁は,例年連休に花をひらく可憐な花.今年は諦めていたのに出会えてちょっと感激.江ノ島をながめ,腰越漁港により,片瀬東浜の人出の多さを確かめて,帰りにはかしわ餅を購入.連休を味わいました.みどり子のおひすゑいはふかしは餅われもくひけり病癒ゆがに 正岡子規  窓近くつばめ飛びかふ五月ばれ厨(くりや)にをりてかしは餅つくる 三苫京子

連休初日の昨日は小雨交じりの曇りでしたが,今日は一転,暖かな日ざしが降り注ぎ,初夏を感じさせる1日でした. 午後は,海を見ようと,小動岬までぶらっと散歩. 少し大回りして腰越の裏道を抜けていくと,麦仙翁の花に出会いました.この何年か,毎年育て…