2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

梅雨を詠んだ短歌(梅雨晴れ,梅雨明り,梅雨曇り,梅雨空)  梅雨晴れのあかとき靄の立ちうごく峠の駅に顔あらふかも 佐佐木信綱  梅雨明り松の木の間の深うして雀のつるむ愛(かな)しかりけり 島木赤彦  梧桐(あおぎり)の花に雀のとまりゐて今朝梅雨晴の風吹きにけり 岡麓   夕ちかみ梅雨明りして湯の村の人ごゑ物の音(と)しづかにきこゆ 古泉千樫  梅雨空がずりおちてくる マリアらの深紅にひらく十指の上に 塚本邦雄  梅雨空にどこまでふくるる椎の影入りくむ枝は力を抜けよ 春日真木子

今日も江の島鎌倉は曇りの1日でしたが,雨はふらず.雲の切れ目からお日様が見えることもありました.このような空模様を「梅雨明かり」と呼ぶそうです.どんより曇った空の場合は「梅雨曇り」.なお,「梅雨晴」は梅雨の合間の晴れ間ではなく,梅雨がすぎ…

梅雨を詠んだ短歌  おんめ様にはアガパンサスが満開.妙本寺の凌霄花が咲き始めました. 靄(もや)のなか光り浮き来る屋根の上に梅雨の海の時明り見ゆ 島木赤彦  うすぐらき小路ををゆきて人の香をおぼゆるまでに梅雨ふけわたる 斎藤茂吉  つゆの雨やむ昼さがりアカシアの花茫々と山せまりくる 鎌田純一  荒梅雨の熊野の真杉ひたすらに立ちをるのみの強さあらはる 馬場あき子  森の木に草葛しげり耳下腺に神経叢のゆらぐ梅雨鬱 久々湊盈子

今日は,今季の梅雨で一番の蒸し暑さでしたが,雨はふらず. 夕方には,富士山もかなりくっきり見ることができました. 午後には鎌倉に用事があり,おんめ様(大巧寺)と妙本寺に足を伸ばしました. おんめ様は,アガパンサスが満開. 名前が正確にはわから…

梅雨入り,入梅を詠んだ短歌  梅雨入り3日目.今日はいかにも梅雨!という1日でした. 木下闇(こしたやみ)くらき窓べにこもりつゝ物思ひ痩(や)する梅雨となりけり 太田水穂  梅雨に入りそだち著(しる)けき草を見れば秋のさ庭しおもほゆるかも 尾山篤二郎  いつしかも暁方(あけがた)白き戸の隙(ひま)に目をやりてゐる梅雨にいるらし 河野愛子  入梅のあめやすらかに降り出でぬ眠りを覚めし夜半のひとりに 初井しづ枝

関東地方の梅雨入り3日目. 梅雨入り初日,二日目には,夕方には富士山が見えた藤沢片瀬海岸でしたが, 今日はいかにも梅雨!という1日でした. 弁天橋から片瀬港を望んでも,その向こうには富士は見えず,暑い雲が垂れ込めるのみ. 梅雨空真っ盛り. ジメ…

役立つ成分を含むアカネ科植物  嗜好飲料コーヒー(コーヒーノキの種の焙煎抽出液)がカフェインを多く含むことはあまりにも有名.クチナシの実は山梔子,アカネの根は茜草として生薬となります.トコンは嘔吐シロップの原料であるとともにアメーバ赤痢の治療に用いられていました.そしてキナノキのキニーネはマラリヤのほぼ唯一の特効薬として長い間用いられました.キニーネの合成過程でみつかった色素は初めての化学染料であり後のアリザニン(アカネ成分)合成の成功と共に有機化学合成の幕開けとなりました.

アカネ科の花4(アカネ科は三年前にも扱った題目なので,二回目のまとめ,その4になります) アカネ科には,人間の生活に役立つ成分を含む植物が多く属しています.既に多く紹介してきましたが,改めて概観してみましょう. ますは,ご存じコーヒーノキ. …

鑑賞の対象となるアカネ科の花  世界中で愛されているクチナシ(ガーデニア).ハクチョウゲは,ドウダンツツジと同じ満天星の別名をもちます.シチョウゲ(紫丁花)に対して命名されたとのこと.シチョウゲは系統樹ではあのヘクソカズラと近い.花の形は似ています.ペンタスは,アフリカ原産で,日本の夏にも強い花.サンタンカも熱帯亜熱帯に自生し,日本には沖縄をへて江戸時代にもたらされていました.属名イクソラはヒンドゥー教の神シヴァの名前であるイシュワラからラテン語化されたものともいわれています.

アカネ科の花3(アカネ科は三年前にも扱った題目なので,二回目のまとめ,その3になります) 英語版ウィキペディアによれば: https://en.wikipedia.org/wiki/Rubiaceae 「アカネ科には約580属14,100種が含まれていて,被子植物の中では4番目の大きな科」…

ベッドストローとヤエムグラ(アカネ科の花2) アカネ科は英語でthe bedstraw family(ベッドストロー科)ともいわれます.ベッドストロー(日本のキバナカワラマツバ:多分)はベッドの詰め物などヨーロッパで多岐に利用されたヤエムグラ属の植物.日本のヤエムグラは雑草として扱われてきて,枕草子でも「うつろひやすなるこそうたてあれ(色があせ易いのは困ったものだ)」とされています.カワラマツバも雑草扱いですが,花はかなり美しいと思います.

アカネ科の花2(アカネ科は三年前にも扱った題目なので,二回目のまとめ,その2になります) アカネ科英語では, the coffee family(コーヒー科) the madder family (セイヨウアカネ科) the bedstraw family (ベッドストロー科) 等と呼ばれます.htt…

アカネ科の花1  the coffee family(コーヒー科),the madder family(アカネ科),the bedstraw family(ベッドストロー科):アカネ科の英語一般名です.アカネ科学名はプリニウスが,セイヨウアカネの名前として用いたRubiaに由来していて,英語一般名としてはthe coffee familyがよく用いられていているようです.madder はセイヨウアカネ:英米人になじみがないのでは?日本人は「あかね色」を良く知っています.

昨日取り上げたクチナシは,アカネ科に分類されています. アカネ科には,人間当の関わりの深い植物も多く属します.改めてアカネ科の植物を概観し,花の画像を集めてみました. 三年前にも扱った題目なので,二回目のまとめになりますが---- 繰り返しとは言…

クチナシを詠んだ短歌  昨日見た梔子の花.きれいに咲いた花はとても美しく気品もあり,世界中で愛されてきた花であることに納得.イギリスには18世紀に導入され,人気を博しました. 我が宿の垣のくちなし花さきぬいそげや早苗時過ぎにまに 石川依平  夏の日はなつかしきかなこころよく梔子の花も汗もちてちる 北原白秋  駅の花圃(かほ)にくちなしの花嗅ぎしことわが今日の生に測らざりしこと 田谷鋭  くちなしの黄に乾びたる花ながらにほひつつまた外は雨なり 森岡貞香 

日中かなりの雨.明日から金曜日までは晴れ予報で,梅雨入り宣言はありませんが,実質的な関東地方の梅雨入りかなと思います. 夕方小降りになってから出かけた時の花々.雨に濡れた花も風情があります. 下のクチナシ(Gardenia jasminoides)は,昨日撮っ…

コエビソウ,ミッキーマウスノキ,ブーゲンビリア(街で出会ったちょっと珍しい季節の花4) 全て熱帯地方原産ですが,藤沢鎌倉では戸外で冬越しできているようです.特にブーゲンビリアは当たり前に育てられていて珍しくはなくなってしまいました.エビのように見える花を咲かせるコエビソウはキツネノマゴ科キツネノマゴ属で,最近よく見かけるハアザミ(アカンサス)もキツネノマゴ科.ミッキーマウスノキはあまりなじみのないオクナ科.「黒色に熟した果実がついた姿がミッキーマウスの顔に見える」 

街で出会ったちょっと珍しい季節の花・四回目. 今日はコエビソウ,ミッキーマウスノキ(オクナ・セルラータ).そして,今では全く珍しくはなくなっているブーゲンビリア(ブーゲンビレア). コエビソウ 「朱色の苞が重なったユニークな形が,エビのように…

青花クフェア,ニーレンベルギア・ギンバイソウ,ノリウツギ(街で出会ったちょっと珍しい季節)  クフェアの赤花種はかなり長い間育てていたのですが,青花に初めて出会いました.赤花種は丈夫でお気に入りの植物でした. 名札に「ぎんばいそう」とあった花は,調べてみるとニーレンベルギア・ギンバイソウ.ギンバイソウで間違いとは言えないようですが,ギンバイソウといえばアジサイ科の山野草のギンバイソウを指すのが一般的.アジサイ科では,今年もノリウツギの花を見てきました.もっと広まっていい花だと思います.

街で出会ったちょっと珍しい季節の花の三回目. 今日はお寺rの境内のものも取り上げるので,正確には「街とお寺で出会ったちょっと珍しい季節の花」になります. 初めは,クフェア.クフェアとして販売されていますが,多分,クフェア属(タバコソウ属)の1…

ルリフタモジ-ツルバキア-とルリマツリ(ちょっと珍しい季節の花2) ルリフタモジは,初めて出会いました.シンプルですっきりした印象を受ける花.ルリマツリは,現在は,ほんとうによく見かける花になりました.美しくて生育がおう盛なのが好まれたのだと思います.どちらの植物名にも使われている「瑠璃」.沢山の植物名に使われていますが,仏典に頻出する青色の宝石の名前.ラピスラズリ(青金石)だろうといわれています.ラピスラズリの青色成分は,フェルメールが用いた顔料.

街で出会ったちょっと珍しい花. 今日は,ルリフタモジ(ツルバキア)とルリマツリ.ルリマツリは最近どこででも見かけるようになっていますが--- ルリフタモジは,初めて出会いました.ツルバキアの名前の方が一般的なようですが,「アガパンサスを小型にし…

エスカロニアとギンバイカ(ちょっと珍しい季節の花1)  街を歩いていると,名前も知らない花にも出会います.そんな植物をいくつか紹介します.「エスカロニアピンクエル」は2012年HTAナショナルプラントショー受賞とありました.フランスで発見された矮性苗から選抜された最近の品種.「濃い照葉を年間を通して楽しめる常緑の庭木として魅力の品種.初夏に花を咲かせます」.ギンバイカは珍しい花とは言えませんが,街中で出会ったのは初めて.私の大好きな花の一つです.ローヤルウェディングブーケの花として有名.

今日は暑い一日で,猛暑日を記録した地域もあったようです. https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2024/06/14/29160.html 梅雨前線は,日本列島から離れたまま. https://weather.yahoo.co.jp/weather/chart/ 「関東の梅雨入りは6月下旬までずれ込む可能性…

短夜を詠んだ短歌  藤沢の日没は19時.今日の夜の長さは夜の長さは9時間29分.明日の昼の長さは14時間31分.夏至近くの昼と夜の長さがこんなに違う!  霍公鳥(ほととぎす)来鳴く五月の短夜もひとりし寝れば明かしかねつも 万葉集  くれなゐの扇に惜しき涙なり嵯峨のみじか夜暁(あけ)寒かりし 与謝野晶子  短夜はなにかしろきにじじと熬(い)る夏蝉のこゑを気色にぞ聴く 北原白秋  みじか夜を美(くは)し云ひて惜しみつつやがて眠りにゆくばかりなり 斉藤史

19時,いつも出かける江の島弁天橋から富士山を撮影しました. ちょうどお日様が沈んだところ.この後15分位は,雲が一番赤く見える時間帯で,短い時間ですが東の雲も赤く染まります. ヤフー天気には,今日の藤沢の日の入り時刻18時58分,明日の日の出は4時…

夏至を詠んだ短歌  今年の夏至は6月21日金曜日.誰もが知っている特別な日であるにもかかわらず,春分・秋分・冬至に比べ,あまり気にかけられていません. 例えば,夏至にちなんだ行事は,伊勢市の二見興玉神社の「夏至祭」などわずか. 夏至の朝早く来しかばすがすがし門のべにして君が草抜く 川田順  夏至の火の暗きに麦粥を炊きをればあなあはれあな蜜のにほひす 葛原妙子  夏至の光に湯の冷むるよりはるばるとレスラーがはがいじめのはにかみ 塚本邦雄

一年で夜が一番短い日は,夏至.今年は6月21日金曜日ですから,あと10日を切っています.これから夜が短い日が1〜2週間は続いていくことになります. https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/nijyushisekki/ 夏至は誰もが知っている特別な日であるにもかかわ…

スイレン・ひつじ草を詠んだ短歌 品種改良が進みモネが愛した睡蓮.日本に自生するのはひつじ草のみ.  睡蓮のしげき浮き葉のあひに見る水真青なり古き大池 窪田空穂  池の面の おとゝなり来る 朝じめり—。ほのぼのうかぶ 睡蓮の 白 釈迢空  縁近く影をうつせる睡蓮のひかりて揺るる地をはふ風に 大岡博  曇日のすずしき風に睡蓮の黄花ともしびの如く吹かるる 佐藤佐太郎

昨日,出かけた鎌倉海蔵寺の心字池には,スイレンが白い花を咲かせていました. 日本に自生するヒツジグサかなとは思いましたが--- 遠景で見ただけのこともあり,いつも頼りにしているPictureThisは,和の植物についてはあまり当てにならない--. https://ja…

鎌倉海蔵寺の6月は多種類の花・植物が楽しめます:楓の若葉と花のような種の羽.萩の返り咲き.萼紫陽花・山紫陽花「紅」.八重花蕺(ドクダミ).花菖蒲白花・紫花.京鹿の子.耐寒松葉菊.姫美女桜.白花蛍袋.本堂裏の心字池は,白で統一されて気持ちを落ち着かせてくれます.白花カラー.葉が白くなってきた半夏生.白花睡蓮(ヒツジグサ?).

午後,鎌倉の友人宅へ行ったついでに,海蔵寺まで行って来ましたん. 鎌倉扇ガ谷の一番奥のお寺です. 山門の手前のもみじの緑が美しく,若葉が紅い品種も一二本混ざっていて,風情を引き立てます. 種が美しく見える樹は全てではありませんが,駐車場にあっ…

小田原城址公園花菖蒲園に,新幹線から東海道線への乗り継ぎの合間の小一時間立ち寄ってみました.「アジサイとハナショウブが同時に楽しめます」とのテレビ報道に誘われて.花菖蒲園の横のお城の斜面に紫陽花が沢山植えられていて,同時に楽しめるように工夫されています.アジサイは,今まさに見頃の満開.花菖蒲は,花の勢いではアジサイに優っていて元気をもらえす. 濃艶に咲きて日に照る花菖蒲風ふきくれば紫に揺る 大岡博  花型の日本的なる 小粋なる 下町情緒なる 花菖蒲  片山恵美子

小田原城址公園にある花菖蒲園では,「あじさい花菖蒲まつり」が開催されていて,アジサイとハナショウブが同時に楽しめます.夜間のライトアップもありますよ. とのテレビ報道に誘われて--- 近江八幡での歌会に出席の帰途,小田原で新幹線から東海道線への…

クワを詠んだ短歌/クワの実を詠んだ短歌  6月はウメとビワに代表されるように,実のなる月でもあります.この間に出会った食べられる実は,ウメ,ビワ,ナツグミ,ジューンベリー,クルミ(これはまだ青い),そしてクワ.  朝日にや結ぶ氷のくは解けむ六の輪をきくあか月の空 西行  桑の香の青くただよふ朝明けに耐へがたければ母呼びにけり 斎藤茂吉  たらちねの母の辺(べ)にゐてくろぐろと熟める桑の実を食ひにけるかな 斎藤茂吉  桑の実を食みし記憶に重なりきてをさなく恋ひしひとのおもかげ 木俣修

初夏6月は,実のなる季節. 多くの方が好むウメとビワ.ご近所のお宅の庭,寺院にも植えられているのを見ることがあります. 報道では,今年はウメが不作.ビワは最高の出来とか.地域で違いもあるかとは思いますが. https://www3.nhk.or.jp/news/html/202…

オダマキを詠んだ短歌  江の島サムエルコッキング苑にミヤマオダマキ(多分)が咲いていました.オダマキは,もとは糸玉の名前.いい響きのためか,糸玉としても歌に詠まれてきました.いにしえの しづのおだまき くりかへし 昔を今に なすよしもがな(伊勢物語). 耬斗菜(をだまき)のさびむらさきは中筒の端白ゆゑに見れど飽かぬかも 岡麓  あまたたび冬には逢へど枯れざりし庭の耬斗菜(をだまき)かれなくてあれな 長塚節  死に近き母が目を寄りをだまきの花さきたりといひにけるかな 斎藤茂吉

アジサイの季節.タマアジサイだけではなく,近年は多種類のガクアジサイが,6月の季節を楽しませてくれています. 街を歩くと,名前を知らない美しい花,かわいらしい花たちに出会います. ヒルザキツキミソウは,今の季節,最も見かける花になりました.…

ヤグルマギクを詠んだ短歌/街中であった花たち ウメの実が大きくなっています.初めて出会ったヘンダール:ミカン科はヘンルーダ科と呼ばれていた! 何軒か軒先の植木鉢に,ヤグルマギクが花を咲かせていました. うば玉の髪より白き簾(すだれ)より涼しきいろの矢ぐるまの花 与謝野晶子, にほやかに君がよき夜ぞふりそそぐ白き露台の矢ぐるまの花 北原白秋, 函館の青柳町こそかなしけれ 友の恋歌 矢ぐるまの花 石川啄木  牧草に種子まじりゐし矢車の花咲きいでて六月となる 石川不二子

アジサイが街を彩り,梅の実が大きくなってきています. (このブログで,ジャガイモが刈り取り挙げてきたこの10日間に出会った植物を取り上げています) 花が咲く春が終わり,植物たちは実をつけ始めています.ナツグミはこの頃,街でよく見かけるようにな…

アネモネを詠んだ短歌/江の島サムエル・コッキング苑の花たち  先日訪れたサムエル・コッキング苑.花の種類は,それほど多くありませんが,丁寧に配置された花は,見応えがあります.フレンチラベンダー,サルビア,フランネルフラワー,沢山のバラ.そして今季の最後の花を,けんめいに,美しく咲かせていたのはアネモネ. アネモネの花の花蕊(しべ)くれなゐにほほけて春はすぎにけるらし 鹿児島寿蔵  子を生みてうつろなひとみアネモネの紫色より更に恋しき 加藤克巳

6月に入って早くも5日.名実とも初夏. 関東地方の今年の梅雨入りは早くて6月10日.それでも平年より遅い.と先ほどのニュースが告げていました. 街を少し歩けば,アジサイに出会います.わが家の直ぐ近くの小径はアジサイ通りになっていて,めざとく見つ…

マヨネーズ2 マヨネーズの語源/起源とアメリカでの日本マヨネーズ紹介記事  フランス語由来.以前はmahonnaiseで,初めて生まれたミノルカ島の港湾都市マホン(Mahon)にちなんで名付けられたと言われていますが, etymonlineは,「(この資料の記載は)全て疑わしい」としています.現在のマヨネーズに近いレシピを初めて記載したのは,マリー=アントワーヌ(アントナン)・カレーム.アメリカでは日本のマヨネーズ人気が急上昇しているようですが,多数の紹介記事の中から一例を挙げておきます.

昨日も記したように, 日本にマヨネーズがもたらされたのは,明治時代.徐々に洋食屋の定番ソーズになっていきました. その後料理本にも紹介され,大正時代の軍隊調理法にも作り方が取り上げられている事から,大正時代にはすでに代表的な調味料と認められ…

マヨネーズ1 日本の調味料には外国から入ったものも数多く,完全に定着したものもいくつかあります.マヨネーズものその一つです.世界市場はヘルマンズが圧倒していますが,第4位にキューピーがランクイン.世界も認める味になっています.マヨネーズは,明治時代に使い始められ,洋食屋定番の調味料になり,酢みそに代わる新タイプの和え物のタレとも捉えられました.しかし、製法が難しく,それが家庭に広がるには高いハードルとなっていました.そのハードルを下げたのがキューピー.戦後しばらくして爆発的に売り上げを伸ばします.

日本の伝統的な調味料といえば醤油・味噌ですが,外国から入ってきたものも数多く,日本に完全に定着したものもいくつかあります.マヨネーズものその一つです. そして,1925年日本ではじめて市販され,戦後のマヨネーズ市場を牽引してきたキューピーは,ア…

和風ポテトサラダ  日本人が好むじゃがいも料理のトップ5には必ず入ると思われるポテトサラダ.外国から来た料理ですが,日本独自の味として英語で紹介されています.紹介文では絶賛されていて,和風ポテトサラダがアメリカではかなりの人気を既に得ていること(一部の食通に限られるのかもしれませんが)がわかります.特にマヨネーズが褒められていて,あるサイトでは「卵黄だけで作られたソースは,より贅沢で,よりサラサラしている.また,ビネガーをブレンドしているため,より美味しくなっている」とあります.

日本人が好むじゃがいも料理のトップ5には,フライドポテト,肉じゃが,コロッケ,ポテトサラダ,じゃがバター(順不同)が入ることは,ほぼ間違いないように私は思います. 元 になるDATAは簡単なネットの人気投票だけで断定はできませんが, https://yach…

肉じゃが2 肉じゃがはʼ70年代に登場した料理ですが,「おふくろの味の代表格」という認識が一九八〇年以降,急速に形成されました.主としてメディアの力によるものでしたが,魚柄仁之助氏によれば,懐かしい味の『懐かしい』のは,肉でなくてイモでした. 1950年頃までにイモだけの芋煮のレシピがたくさん出回っており,この重要な主食・副食の味・料理法に工夫が施されてきました.1970-80年代に働き盛りの男性にとって,イモだけの芋煮は好きな味覚の原点の一つで,新たな肉じゃがをふくろの味と思い込んだと考えられます.

前回,前々回取り上げたように.肉じゃがは,ʼ70年代にようやく登場した比較的新しい料理です. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2024/05/30/115900 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2024/05/31/235916 芋が崩れないように工夫…