桃の実を詠んだ短歌1  山梨県産早生桃を買い求めました.ちよひめ?日川白鳳? 向かつ峰(を)に立てる桃の木成らむかと人ぞささやく汝がこころゆめ 作者未詳 万葉集  居並びてあるだに暑き夏の日に身にみを寄せてなれる桃の実 大隈言道  岡山の大いなる桃皮むけばしたたる雫よき香をたてる 窪田空穂  ただひとつ惜しみて置きし白桃のゆたけきを吾は食ひをはりけり 斎藤茂吉  桃の実のはだのやうなるうぶ毛して少年の頬のうひうひしさよ 木下利玄

今日は,関東地方梅雨入り後,初めてといって良い雨の日.神奈川県は今夜半大雨の恐れとのことですが--

夕方はまだ雨はポツポツ.

 

ジメジメした気分を晴らすためもあり,近くの青果店で桃を購入.

山梨県産とありました.山梨は,桃生産量全国一.

https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/sakumotu/sakkyou_kajyu/momo/r5/

山梨の桃の生産第1位の品種は「白鳳」ですが---

(品種別では全国2位.全国1位は,福島県の主力品種「あかつき」だそうです 

https://www.naro.go.jp/laboratory/nifts/kih/area/peach/index.html )

https://www.tabechoku.com/products/135086

「白鳳」の生産のピークは7月中旬から下旬とのこと.

https://yamanashi-fruits-kingdom.jp/peach

現在で回っているのは早生品種.

今日,買い求めたのは,極早生のちよひめか,早生の日川白鳳かと思います.

https://www.google.com/searchもも ちよひめ

https://www.google.com/search?もも 日川白鳳(ひかわはくほう)

小ぶりでしたが,久しぶり食べる桃.とても美味しく,気持ちが晴れやかになりました.

 

桃の実を詠んだ短歌1

(古今短歌歳時記より)

(なお,万葉集にある「毛桃」は,中国から渡来した桃のことで,奈良時代には,現在の楊梅(山桃やまもも)が「桃」と呼ばれていたと考えられています)

 

向かつ峰(を)に立てる桃の木成らむかと人ぞささやく汝がこころゆめ  作者未詳 万葉集 巻七 一三五六

向こうに見える山の桃の木には実がならないと人がささやいています。(そんなことに惑わされて)あなたの心を迷わせてはいけませんよ。 楽しい万葉集

 

はしけやし我家の毛桃本(もと)をしげみ花のみ咲きて成らざれめやも  作者未詳 万葉集 巻七 一三五八

愛おしい私の家の毛桃はこんなに繁っているのですから、花だけが咲いて実がならないなんて、そんなことはないでしょうね。楽しい万葉集

 

わが宿の毛桃の下に月夜さし下心良しうたてこのころ  作者未詳 万葉集 巻一〇 一八八九

家の庭先の毛桃に月の光がさして、とても心地が良いこの頃です。 楽しい万葉集

 

居並びてあるだに暑き夏の日に身にみを寄せてなれる桃の実  大隈言道 草径集

 

岡山の大いなる桃皮むけばしたたる雫よき香をたてる  窪田空穂 冬日ざし

 

ただひとつ惜しみて置きし白桃のゆたけきを吾は食ひをはりけり  斎藤茂吉 白桃

 

赤き桃とろりとしたる湖の水にうかせてみとれてありしも  前田夕暮 深林

 

桃の実のはだのやうなるうぶ毛して少年の頬のうひうひしさよ  木下利玄 銀