ミカンについては，このブログで何回か取り上げてきました．
内容としては繰り返しになりますが，改めて，ミカンの品種についてまとめてみようかと思います．
うまくできるかどうか，時間もない中，自信はありませんが．
1. “みかん”と聞いて？
みかんと聞いて，何を思い浮かべるでしょうか？
多くの方は「温州ミカン」なのでは？
昔？風に言えば，こたつで食べる普通のみかん．
なお，
“「温州」または「雲州」と書くが、中国の地名「温州」（浙江省）や日本の「出雲国」（島根県）とは無関係
（精選版日本国語大辞典 温州蜜柑・雲州蜜柑(うんしゅうみかん)とは - コトバンク ）”
なことまでは，分かっていますが---
なぜ温州ミカンと呼ばれたかの語源は定かではないようです．
一方，ミカンの語源は分かっていて；
“初め，柑子（字音語かうじ）が伝来し，後に伝えられた“蜜のように甘い新品種”が蜜柑（精選版日本国語大辞典）．
（最近分かった日本のミカンの親子関係，後述，からすると，温州ミカンは日本で交雑した可能性もある？）
そして，
“原種とみられる在来（筑後）温州”の他に沢山の品種がある！
（精選版日本国語大辞典 温州蜜柑・雲州蜜柑(うんしゅうみかん)とは - コトバンク ）．
私には，普段，思いも及ばなかったことですが，お米に沢山の品種があると同様なんですね．
現在，流通のための生産が報告されているのは，実に118品種．特産果樹生産動態等調査：農林水産省
私のような門外漢は聞いたこともない名前ばかり．
例えば，2015年（平成27年）栽培面積が広い順に名称を挙げれば：
宮川早生（早生わせ），青島温州（晩生おくて），興津早生（早生），日南一号（極早生），南柑20号（普通），林温州（中生なかて）-----
https://www.jataff.jp/mikan/mikan024.htm
［極早生，早生，中生，普通，晩生は，“収穫期の目安”が9月〜１月に相当するようです．
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1451869214 ］
なお，何回もこのブログに記載したように，温州ミカンの親は長らく不明でしたが，「紀州」と「クネンボ」であることが，明らかにされています．
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/documents/161201_1/01.pdf
2. その他の“ミカン”の品種
ミカンと聞いて，初め，多くの方が温州ミカンを思い浮かべるとしても，
「日本にかなり以前からある“温州ミカン以外の柑橘類”」もミカンの一種．
という感覚も，持ち合わせているように思います．
ハッサク，イヨカン，ポンカン，ユズ，スダチ，カボス，ダイダイ，----
海外からの，オレンジ，グレープフルーツ，レモン----等をミカンと呼ぶかどうかは人それぞれ異なるように思いますが---．
温州ミカンだけでなく，上記のかなり以前からある ハッサク，イヨカンなどについても，その親子関係が明らかにされてきています．
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/documents/161201_1/01.pdf
ハッサク［クネンボ-A × 不明］
イヨカン［カイコウカン × ダンシー］
ポンカン［ダンシー × 不明］
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これらは，一枚の系図に示すことができます．
研究者ってすごい！
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/documents/161201_1/01.pdf
日本のほぼ全ての栽培種ミカンのキーとなっている品種は，あまり聞き慣れない「クネンボ」と「紀州」．そして，このキーとなる二種を直接の親としているのが温州ミカン！
このように，詳しく調べれば，一枚の系図に表すことができることは，
栽培種のミカンは，“限られた数（3または４と考えられています）の種の交雑種”という現在の知見からすれば，当然のこととも言えますね．
以下は，以前，スウィーティーを取り上げた時の記事の再掲です．
ミカン類はほとんどが交雑品種！
知りませんでした．
ほぼ全ての交雑種の元となっている種は次の三種（四種とする場合も）；
▽Citrus maxima– Pomelo（ブンタンが同種）
ブンタン - Wikipedia Pomelo - Wikipedia
▽Citrus reticulata – Mandarin orange（マンダリンオレンジ）
この三種がどの程度混ざってきているかが解ってきていて，これを図に表す試みも．
上記の３種の割合を表した図：Citrus - Wikipedia
日本の温州ミカンは，上図では“mandarines”に入ると考えられています．
