バナナ2
今日取り上げようと思ったのは,植物としてのバナナの基本情報.
なかなかやっかいで,1日では無理と投げだそうかと---.気を取り直して,主に「バナナの足研究会」のサイト
に依存して,かなり無理しながら,時間の許す範囲で簡単にまとみることに.以下,引用が示されていない記述は,この研究会からの情報です.
バナナの足研究会は専門家の方々が集まって立ち上げているサイトのため,文章は読みやすいのですが,内容は高度で,専門用語も当たり前のように出てきます.今日の所は専門用語も解説をつけずにそのまままとめることをお許しください,
スーパーのバナナ売り場では,沢山の種類のバナナが売られていますが---
私たち日本人が果物売り場で見かけるバナナは,ほぼ全てが同じ"品種"のようです.
“キャベンディッシュ(Cavendish)”
ムサ・アクミナータ(Musa acuminata)という野生種の3倍体で,現在の世界のバナナ市場で主流の品種.
日本市場を席巻しているのはこのキャベンディッシュですが,バナナには沢山の栽培品種があります.しかし,沢山ある栽培品種もそのほとんどは、ムサ・アクミナータ(Musa acuminata)とムサ・バルビシアーナ(Musa balbisiana)という2つの野生種に由来した同質倍数体、もしくは交雑倍数体.以前世界市場で主流だった“グロ・ミシェル”は,キャベンディッシュと同じくムサ・アクミナータの3倍体品種.
また,日本でバナナといえば果物.生でデザートとして食べられる甘い品種ですが,世界に目を向けると料理に用いる国・地域も多く,料理用のバナナは,英語ではbananaではなくplantainプランテンと呼ばれるとのこと.
FAO(国際連合食糧農業機関)が国別に発表しているバナナの生産量や輸出入量の統計の項目も'bananas'と'plantain and others'にかれていて,2017年の全生産量はバナナ11391万トン、プランテンなど3924万トン.
ただややこしいことに,「国によってbananaとplantainの分類基準にはずれがあり、両者の分類は明確ではありません」とのことで,全てをbananaと呼ぶ国もあれば,全てをplantainとする国もある.
しかし,生食には用いられないバナナの品種が栽培されていて,アフリカの一部の地域では,主食として重要な役割を担っているそうです.
バナナの植物学 |バナナ大学 - バナナの情報総合サイト -
ただし,料理用とはいえ,plantainも栽培種バナナで「ほとんどは、ムサ・アクミナータ(Musa acuminata)とムサ・バルビシアーナ(Musa balbisiana)という2つの野生種に由来した同質倍数体、もしくは交雑倍数体」
このようなデザート用,料理用の栽培種バナナについては,様々な学名がつけられてきた歴史があるそうです.そして現在でも統一的な表記法はなく,Musa× paradisiaca が用いられることもあるものの,
“交雑種のバナナを表記するときには、Musa sp.(複数種のときは、Musa spp.)と記載し、補足で遺伝子型や品種名を説明するのがよいかもしれません”
とのことです.
なお,説明が前後しますが,Musaはバナナの属名.日本語ではバショウ属になります.
ショウガ目 Zingiberales
バショウ科 Musaceae
バショウ属 Musa
節 Musa sect. Musa
バナナ M. × paradisiaca(Musa sp.)
ショウガ目 - Wikipedia バショウ属 - Wikipedia
同じ属のバショウ,マニラアサは,実を食べるのではなく,繊維を利用する植物.
バショウ - Wikipedia Musa textilis - GUAMOLOGY.COM Musa textilisはどんな植物?Weblio辞書 バナナ - Wikipedia
そして,バナナからも繊維をとって利用することができます!