今日も暑い1日でした.
話題は,昨日に引き続き,平塚花菜園の花たちです.訪れたのは一昨日.
サルスベリ,ムクゲと並んで,今,元気な花といえばフヨウ.花菜園で出会ったのは大輪のフヨウで,アメリカフヨウという種もしくはその園芸種かなと思います.
アメリカフヨウHibiscus moscheutos ⇔ フヨウHibiscus mutabilis
夏定番の花,カンナとグラジオラスも咲いていましたが,数が限られていました.
それなりの数の種類が揃えられていたのが,宿根サルビア.私がかなり好きな花たちです.
草叢に花だけ首を出していたのは,おそらくギボウシ.葉をきちんと確認しなかったので間違えているかもしれません.
一株だけ花を咲かせていた私の知らない花.名札には,「宿根フロックス ‘ダビット’」とありました.フロックスは属名(Phlox)で,日本語ではクサキョウチクトウ属(ハナシノブ科の属で,シバザクラが属します).
ただし,「宿根フロックス」と呼ばれるのは,クサキョウチクトウPhlox paniculataで,ダビットはいくつかある園芸種の内のパニキュラタ種の一つ.
花菜園はまだ樹木があまり大きくなく,数もそれほど植えられていないのですが,その中で,美しいと思って写真に撮ったのが次の二種.
小さな花壇にまとめられていたのは,ヒャクニチソウ.
ヒャクニチソウ属は,ラテン語でZinnia.多くの園芸品種が作出されていて,ジニアと呼ばれることがありますが,同じヒャクニチソウ属のメキシコヒャクニチソウもジニアと呼ばれています.
メキシコヒャクニチソウは,正面の大花壇の一角に植えられていました.
大花壇は,このメキシコヒャクニチソウを含め三種の花で構成されていて,その内の一つがセンニチコウ.
そして,もう一種がベゴニア.
ベゴニアは,シュウカイドウ科シュウカイドウ属(Begonia)の植物.
日本に江戸時代に持ち込まれたシュウカイドウ以外のシュウカイドウ属植物は,全てベゴニアと呼ばれ(かなり最近までベコニアと呼ばれていました),多くの種とその園芸種があります.
この大花壇のベゴニアは,おそらくシキザキベゴニア(四季咲きベゴニア,Begonia semperflorens/Begonia cucullata Willd).四季咲きベゴニアの花色は白色、ピンク色、ローズ色、橙赤色、赤色など多岐にわたります.
ベゴニア/ベコニアを詠んだ短歌
(古今短歌歳時記より)
ベコニアの白きが一つ落ちにけり土に流れて涼しき朝を 長塚節 長塚節歌集
ひねもすを暑に労れし目にしみるベコニアの花のよき紅さかな 佐佐木信綱 常磐木
梅雨の室にあかるくさけるベコニアの粗き土鉢に纏(まつ)ふあを苔 宇都宮研 木群
ベコニヤの花を見入れる君が眼のけはしくなりぬ継母の如く 前田夕暮 陰影
わが額汗にじみつつ椅(よ)る卓にベコニアの葉は色驕(おご)りたり 植松壽樹 渦若葉
ベコニアの花を鉢毎もとめ来し夫が清純憎むにあらず 宮原阿つ子 黒曜
種々の花過ぎゆきて残るもの鉢のベゴニアを枯るるまで見む 千代国一 陰のある道
ベゴニアの紅透る茎に似て少女はやさし花売るときも 浅田雅一 花の音
ベコニアの冬の葉指に触れて落つ傷みなくわれより毟(も)げてゆくもの 石本隆一 天狼篇