昨晩遅くの大雨がうそのように晴れた1日でした.
夕方富士は見えませんでしたが---
昨日出かけた平塚花菜園.
園芸植物が沢山揃えられている植物園です.7月後半の花々の写真を撮ってきたので,アップしたいと思います.今日はその第一回.
園の入口横.サルスベリが満開でした.最近見かけるようになった深紅の園芸品種.カントリーレッド?
園を入ると正面は広い芝生広場を囲んで花壇とステージ.入園した時にはよさこいのグループが演技していました.
芝生を囲む形で,多種類の花々が植えられています.
この時期一番元気なのはムクゲ.
所々で,珍しい花にも出会えます.この日出会った中で最も珍しいかな,と思うのがタキユリ.
シーボルトも絶賛した,日本原産の魅力的なユリ,カノコユリの変種になります.
https://www.sakuyakonohana.jp/botanical/5136/
カノコユリの変種で,柱頭が違い,崖に下垂して咲き,徳島,高知,長崎の山中に見られます.四国で「タキ」は崖の事を意味します.絶滅危惧種にも指定されています.
なお,カノコユリはシーボルトによってヨーロッパにも紹介され,1830年代の園芸雑誌に「もし美しさに置いて最高の物があるとすれば,間違いなくこの花である」とまで書かれるほど,素晴らしいユリです.
街で時々見かけるカンゾウ(ワスレグサ)には,沢山の園芸品種が作出されていることを初めて知りました.
花菜園は,神奈川県では最も大きなバラ園を備えた植物園の一つ.
既にバラの時期はほぼ終わっていますがいくつかの株には,まだ花が沢山ついていました.
ハマナス(ハマナシ)の園芸品種ルゴサにも.まだ花が残っていました.実と一緒に眺めることができて,飽きない.
バラ大好きの欧米では,品種改良が進められ,一般のバラとのハイブリッドもあるようです.
ハマナスは日本を含めた東アジア原産ですが,欧米でも野生化していて,一部の国では侵入種として育種・販売に規制がかけられているとか.
日本では北寄りの海岸沿いに群生地もあるようですが,野生のハマナスには,まだ出会ったことがありません.
https://www.urara-hakusanbito.com/spot/detail_1176.html
ハマナスRosa rugosa は,ハマナシが正式名で,東北地方の訛りが一般化してハマナスと呼ばれるようになったと言われています.(ニッポニカ)
漢字としては,浜薔薇,浜茄子,玫瑰などが当てられていますが,最後の「玫瑰」は,本来は別の近縁種まいかい(Rosa maikwai) を意味する漢字とのこと. (ニッポニカ)
はまなすを詠んだ短歌
(古今短歌歳時記より)
潮(しほ)かをる北の浜辺の/砂山のかの浜薔薇(はまなす)よ/今年も咲けるや 石川啄木 一握の砂
浜茄子を手に採(つ)みためぬ変異ありて棘(いばら)は全き果(み)を覆ふあり 土屋文明 少安集
砂の花おのづから生るとふ説もたのし吹浦(うくら)の浜のハマナシ摘みて 鹿児島寿蔵 アプローチ
はまなすの紅(あけ)のかなしき花びらよ一日(ひとひ)咲き二日(ふたひ)咲き三日保たず 柴生田稔 麦の庭
はまなすの実はおのづから紅(あけ)ふかき頃としなりぬ渚草叢 佐藤佐太郎 地表
オホーツクの潮(うしほ)とどろく草丘にすがれんとして赤き玫瑰(はまなす) 宮柊二 多く夜の歌
はまなすの低く耀ふ園を抜け砂浜赭しオホーツクの海 千代国一 花天