古事記/植物

古事記で描かれたヤマトタケルの物語では,野蒜のあと,さらに3種類の植物が登場します.いずれも歌に歌われる形で.「マツ」「シラカシ」「ヤマノイモ」です.「をはりに ただにむかへる をつのさきなる ひとつまつ(尾張の方(かた)に まっすぐに向きあう 尾津の崎なる 一つ松)」「くまがしが葉を うづにさせ その子(そのクマカシの葉を 髪飾りにせよ 倭へ向かう者たちよ)」「いながらに はひもとほろふ ところづら(その稲の茎に 絡まり這い廻る 山の芋の蔓よ)」

東征を終えたヤマトタケルは,足柄の坂の神を「ヒル(野びる)」の片割れで殺し,頂きから振り返ります. 「吾妻はや」---- 古事記 人代篇 其の三 (口語訳古事記 三浦祐介 文藝春秋) 足柄の坂本に到り,食(お)し物を口に運んでおった時に,その坂の神が…

「すぐさまその食い残しのヒルの片割れを,狙いすまして投げつけると,白い鹿の目にあたっての.鹿はころされてしもうた」匂いや味などに刺激のある植物は魔よけの力があると考えられていました.一方,匂いや味に刺激がある植物は,また滋養に富んだ野菜と考えられ,中国最古の医学書『黄帝内経』にある五菜の一つ薤は野蒜のこと.現代でも山菜愛好家に好まれるノビルですが,スイセンやタマスダレの誤食には注意.ノビル 野蒜2

植物をたどって古事記を読む ノビル 野蒜2 ノビル 野蒜1 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2021/04/29/235542?_ga=2.29427007.1803228887.1618937900-847026506.1533741043 ノビル - Wikipedia 古事記 人代篇 其の三 (口語訳古事記 三浦祐介…

古事記には「ノビル」が2箇所に登場します. 「それで,すぐさまその食い残しのヒルの片割れを,狙いすまして投げつけると,白い鹿の目にあたっての.鹿はころされてしもうた」「いざ子ども のびるつみに ひるつみに わがゆく道の かぐわし はなたちばなは ほつえは とりゐがらし」植物をたどって古事記を読む ノビル 野蒜 

植物をたどって古事記を読む ノビル 野蒜 古事記には「ノビル」が2箇所に登場します. 初めの場面は,ヤマトタケルが東征から帰途につく途中,足柄の坂で,坂の神が姿を変えた白鹿に向けて投げつけた「食い残しの“ヒル” 」として. 2カ所目は,ホムダワケ…

古事記,万葉集の「ウリ」は,マクワウリのことでした.「まるで良く熟れたウリを切り刻むがごとく,クマソタケルの体をずたずたに切り刻んで殺してしもうたのじゃった」(古事記).「瓜食めば, 子ども思ほゆ,栗食めば,まして偲はゆ」(万葉集).そして,このマクワウリとシロウリ,さらにはメロンも同一の種. 「ウリ」(瓜)2

古代の「ウリ」は,マクワウリのことでした. ウリ(瓜)とは - コトバンク マクワウリ - Wikipedia 古事記では,ヤマトタケルの猛々しく荒々しい心が生んだ凄惨な殺害の様子が,「まるで良く熟れたウリを切り刻むがごとく」と表されています. http://yachiku…

その言葉を申し終えたかとみるとすぐ,ヲウス(ヤマトタケル)は,まるで良く熟れたウリを切り刻むがごとく,クマソタケルの体をずたずたに切り刻んで殺してしもうたのじゃった.(古事記) ウリは,古くは特にマクワウリのことで,日本には紀元前に渡来し,弥生時代前期の遺跡から種子が出土.青果売り場でマクワウリに取って代わって現在並んでいるのがメロンですが---- マクワウリもメロンの一変種です. 「うり」(瓜)1

「植物をたどって古事記を読む」シリーズ 「うり」(瓜)1 “三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記” 其の三 ヤマトタケルの戦いと—天翔ける英雄 その言葉を申し終えたかとみるとすぐ,ヲウス(ヤマトタケル)は,まるで良く熟れたウリを切り刻むがごとく,クマソタ…

「ひさご」(瓢.ヒョウタン)2 今日の「ひさご」は,器としてのヒョウタン(もしくはユウガオの実).ヒサゴが登場するのは,オキナガタラシヒメ(神功皇后)に依り憑いた神の言葉の中.「天つ神,国つ神と,山の神と,河や海のもろもろの神とに,ことごとく幣帛を捧げ祭り,わが御魂を船の上に置き祀りて,真木の灰をヒサゴの中に入れ,また,箸と平たい皿とを山のごと作り備え,それらを皆,大海に散らし浮かべながら渡り行くがよいぞ」 植物をたどって古事記を読む

「植物をたどって古事記を読む」シリーズ 「ひさご」(瓢.ヒョウタン)2 前回は,若いヤマトタケル(ヲウス)の髪型を表す「ヒサゴバナ」として登場する場面を取り上げました. yachikusakusaki.hatenablog.comこの時には,オホウス(ヤマトタケルの兄)は…

ひさご(瓢 ヒョウタン) “もう,この時には,オホウスはひとかどの男じゃったが,年の離れた弟のヲウスは,髪をヒサゴバナに結うての,ヤマトヲグナと呼ばれておったのじゃ” ヒサゴバナは,十四,五歳の少年の髪型のことで,ヒサゴの花のような形といわれ,若いヤマトタケル(ヲウス)の髪型でした. 「植物をたどって古事記を読む」

「植物をたどって古事記を読む」シリーズ 今日とりあげるのは,「ひさご」. 漢字では瓢.ヒョウタンを意味します. (瓠・匏もおなじく「ひさご」.どのように使い分けているのかよく分かりません) “三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋”によ…

橘2 “イクメイリビコの大君(第11代 垂仁天皇 すいにんてんのう)が永久の命を得ることができると,タヂマモリに探させたトキジクノカクの実がタチバナ(橘)”と古事記は記しています. トキジクノカクをようやく手に入れたタヂマモリが戻ってみると,派遣した天皇は亡くなっています.古事記では,タヂマモリが突然消滅してしまうという書き方で,“常世の国”という異界からこの世に戻ったタヂマモリは“時間の違いに曝されて,そうなるしかなかった”(三浦祐介)

古事記 橘2 “イクメイリビコの大君(第11代 垂仁天皇 すいにんてんのう)が永久の命を得ることができると,タヂマモリに探させたトキジクノカクの実がタチバナ(橘)” と古事記は記します. 樹木図鑑(タチバナ) この物語は,垂仁記の一番最後に付け足したよ…

橘 ① 生食されたミカンの古名.② ミカン科の常緑低木/日本で唯一の野生のミカン. 古来,橘の実体に混乱が:中国での「橘」は,おそらくダイダイの類.「古事記」非時香菓(ときじくのかくのみ) は現在のタチバナではなく,おそらくコウジミカンもしくはダイダイ. 古事記「橘」:大君は,ある時,三宅の連らが祖(おや),名はタヂマモリを常世(とこよ)の国に遣わして,トキジクノカクの木の実を探させたのじゃった. そのトキジクノカクの実というのはの,今のタチバナのことじゃ.

古事記 橘1 「橘 たちばな」と聞いて何を思い浮かべますか? 私の場合は,なぜか名字でした.何をした人かは全く忘れていましたが 「橘諸兄」. 普段全く考えたこともなかった名前! 「橘諸兄」ってどんな人? 調べてみると,奈良時代のかなりの重要人物.…

スゲ(菅)3  万葉集には菅とは別に山菅を詠んだ歌が14首あります.日本国語大辞典は,万葉集にある“山菅”は「山に生えているスゲの類」としていますが,漢名の麦門冬に当たる植物,すなわち,ヤブランまたはジャノヒゲとする説もあります. 山菅(やますげ/やますが) 万葉集 咲く花は,移ろふ時あり,あしひきの,山菅(やますが)の根し,長くはありけり  大伴家持 巻二十 4484

古事記では, イワレビコ(神武天皇)がイスケヨリヒメとの一夜の契りを懐かしんだ歌にも,管畳(すがだたみ)として詠われた菅(すげ/すが). http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/11/29/225404 あしはらの しげしきをやに すがたたみ いや…

スゲ(菅)2  古事記と同時代の万葉集では,菅は頻出しています.菅を詠む歌は45(49 / 44)首あって,万葉の草花としては6番目に多く詠まれている植物とされています.ただし,万葉集には山菅という植物が詠まれいて,これは湿地や池に生えるスゲとは別種の植物.そして,菅を詠んだ歌の中で「菅の根」とあるのは山菅とされるため,万葉の草花としての順位は9番目がより正確かもしれません. 大君の 御笠に縫へる 有馬菅 有りつつ見れど 事無き吾妹  作者不詳 万葉集巻十一 2767(2757)

「菅」は古事記で三カ所で記されています. その内の二カ所では,菅で作られた畳,管畳(すがだたみ)として描かれ,昨日とりあげたイワレビコ(神武天皇)がイスケヨリヒメとの一夜の契りを懐かしんだ歌はその内の一つ. あしはらの しげしきをやに すがた…

スゲ1 イスケヨリヒメを妻とした大君(イハレビコ 神武天皇). 一夜の契りを懐かしんだ歌の中に,「すがたたみ/管のたたみ」としてスゲが歌われます. 「 あしはらの しげしきをやに すがたたみ いやさや敷きて わがふたり寝し(葦茂る原の 荒れ果てた小屋で 菅のたたみを 清らかに敷き重ね わが二人でともに寝たおり)」 植物をたどって古事記を読む

「植物をたどって古事記を読む」シリーズ 前回とりあげたユリ(“山由理草” / 笹ゆり). http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/11/04/235703 http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/11/05/231315 東征後のイハレビコ(神武天皇)は…

 後に,そのイスケヨリヒメは大君の住まう白檮原(かしはら)の宮に入ったのじゃが,その時,大君は歌を歌うての,その一夜の契りを懐かしんだ. 葦茂る原の 荒れ果てた小屋で 菅のたたみを 清らかに敷き重ね わが二人でともに寝たおり そうして,生まれた御子の名はヒコヤヰ,つぎにカムヤヰミミ,つぎにカムヌナカハミミ,この三柱じゃった. 「植物をたどって古事記を読む」シリーズ ユリ(“山由理草” / 笹ゆり)2

ユリ(“山由理草” / 笹ゆり)2 イハレビコが妻としたイスケヨリヒメは,ヤマユリ(“山由理草” / 笹ゆり)が多く咲く河のほとりに住んでいました. ササユリ - Wikipedia さて,そのイスケヨリヒメの家は,狭井(さい)河のほとりにあっての, 大君は,その…

ユリ(“山由理草” / 笹ゆり)  大君は,そのイスケヨリヒメの許(もと)に出かけていって,一夜の共寝(ともね)を楽しんだのじゃった.  そうじゃ,その河をサヰ河と言うわけはの,その河のほとりにヤマユリが多く咲いておったからじゃ.それでの,そのヤマユリの名を取ってサヰ河と名づけたのじゃ. 「植物をたどって古事記を読む」シリーズ

「植物をたどって古事記を読む」シリーズ 昨日とりあげた ニラ(からみ)とサンショウ(はじかみ) yachikusakusaki.hatenablog.com に続き,今日は-- ユリ 古事記では,“山由理草”の名で記されています.佐韋考−山由理草之本名をめぐって(三浦佑之) 是に…

あわふには からみひともと(アワ畑に生えた ニラがひと本),かきもとに うゑしはじかみ(垣根のわきに 植えたハジカミ)カムヤマトイハレビコ(神武天皇)が“東征”のおり歌った歌の一節.異境の地で敵を倒す際に歌われたもの. ニラは,畑に生えてきた雑草として根こそぎ刈ってしまう対象として. また,サンショウは口をひりひりさせる忘れられない辛さの象徴として歌われています. 「植物をたどって古事記を読む」シリーズ ニラ(からみ)とサンショウ(はじかみ)  

あわふには からみひともと そねがもと そねめつなぎて アワ畑に生えた ニラがひと本(もと) その根元から その根も芽も繫(つな)いで根こそぎに かきもとに うゑしはじかみ くちひひく われは忘れじ 垣根のわきに 植えたハジカミ 口がひりひり 忘れはしな…

古事記と同時代の万葉集にもカヤが詠まれています.ただし,すすき,尾花,み草,草と表記される場合がほとんど. 明らかにカヤの音で詠まれている歌はあまりみあたりません.岡に寄せ我が刈る萱のさね萱のまことなごやは寝ろとへなかも 万葉集巻14・3499  

カヤ 萱 3 “三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ 古事記では,トヨタマビメの出産の場面で登場する“カヤ(萱/茅)”. yachikusakusaki.hatenablog.com yachikusakusaki.hatenablog.com…

カヤは多くの場合「萱」と書かれますが,「茅」が用いられることもあります.しかし,どちらも,本来はカヤを意味していない漢字でした. 「茅」はチガヤ.「萱」は本来,ススキノキ科の植物カンゾウ,一名ワスレグサ.「カヤ」の意に用いるのは誤り.「萓」(カヤ「和名抄」「名義抄」)と字形が似ているところから,後世誤ったもの.  “植物をたどって古事記を読む”

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. カヤ 萱 2 古事記では,トヨタマビメの出産のための産屋をつくる場面で登場する萱. “海辺の渚に鵜の羽根を萱(かや)の替わりに屋根と壁とに…

カヤ / 萱 もともとは.“屋根を葺くのに用いるイネ科,カヤツリグサ科の大形草本の総称”.古事記はこのカヤが初めて記された書物.したがって,「総称」として用いられていることになります.“ワタツミの娘のトヨタマビメがひとりでホヲリのもとにやってきての,「わたしは,すでに身ごもっておりましたが,今まさに,子が生まれる時になりました」「そこですぐさま,海辺の渚に鵜の羽根を萱(かや)の替わりに屋根と壁とに葺いて,産屋(うぶや)をつくったのじゃ」 “植物をたどって古事記を読む”

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 今日とりあげるのは カヤ 萱 日本国語大辞典によれば,カヤはススキの意味で用いられることもあるものの,もともとは.“屋根を葺くのに用いる…

カツラ/古事記3 神の依りつく木カツラ.たたらの神・金屋古(かなやご)神の御神木としても崇められ,たたらが盛んであった地方には大木が残されています.名称の混乱(桂は中国ではモクセイ/ニッケイ)の原因となったカツラの香は,葉に含まれるマルトール.ショウユノキ,コウノキの別称もあるそうです.そして,老木は大木に. 巨樹ランキング・トップ20に,2カ所のカツラがランクイン.

カツラは神の依りつく木; 古事記では--- アマテラスの使者のキジのナキメが止まり, 釣り針を探してワタツミの宮へ行ったホヲリ(ヤマサチビコ)が登ってトヨタマビメを待っていました. http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/01/24/222554 ht…

カツラ /古事記2 古事記のカツラはモクセイであるとする説があります.中国ではモクセイ(桂花)やニッケイ(肉桂)を表すときに用いられる「桂」を,“万葉の時代から平安時代にはカツラとあて違え”ていました.しかし,モクセイが日本に渡来したのは15世紀ごろ(湯浅浩史).そうだとすれば,古事記の香木/楓は現在のカツラと考えて間違いないと言ってよいでしょう.また,かつらは,中国伝説で,月の世界に生えているという木.黄葉する時になるらし月人の桂の枝の色づく見れば /万葉集

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 古事記では,二つの場面で登場するカツラ. http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/01/24/222554 1. アマテラスが「この葦原の中…

カツラ / 古事記1 愛らしいハートの形の葉で知られ,秋の紅葉も美しいカツラ.古事記では二つの場面で登場します.一つは,ウミサチビコ.ヤマサチビコの物語.「泉のほとりに大きなカツラの木が立っておろうから,その木の上に登って座っておるとの,ワタツミの娘がそなたを見つけて---」「ナキメは天より中つ国に降り到り,アメノワカヒコの家の門に植えられた大きなカツラの木の上に止まり」カツラは神聖な神の依りつく木とされていました.“植物をたどって古事記を読む” 

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 今日とりあげるのは カツラ 愛らしいハートの形の葉で知られ,秋の紅葉も美しい. カツラとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版 【…

タケ/古事記2 ホヲリ(ヤマサチビコ)に与えられた「タケを隙間なく編んだ小さな籠の船」は,ワタツミの宮へ,なくしてしまった兄ウミサチビコの釣り針を探しに行くためのものでした.三浦氏「目のない(マナシ=目なし)竹籠であり,海中に潜ることのできる潜水艦のような船をイメージしているのだろう」 .ワタツミへ向かったホヲリは,三年(みとせ)もの間その国に住みついて,トヨタマビメとともに暮らします.三浦氏曰わく「けっこういい加減な男である」.“植物をたどって古事記を読む”

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 竹2 (竹1 http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/01/22/231333 ) ホヲリ(ヤマサチビコ)に与えられた「タケを隙間なく編んだ…

タケ  古事記には,タケは幾度となく登場するようです. 三浦祐介訳 口語訳古事記の索引によれば,5カ所.初めて登場するのは,ホヲリ(アマツヒコヒコホホデミ・ヤマサチビコ)が兄ウミサチビコの釣り針をなくし,探している場面.シホツチは,すぐさま隙間なく竹を編んだ小さな籠の船を造っての,その船にホヲリを乗せて,教えて言うたのじゃ.“植物をたどって古事記を読む”

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 今日とりあげるのは タケ 古事記には,タケは幾度となく登場するようです. 上記口語訳古事記の索引によれば,5カ所. ほかに,タケノコ=タ…

ワカメ2 古事記によれば,燧臼(ひきりうす)がわかめの茎で作られたとのこと.一方万葉集には,「磯の和布(わかめ)」「瀬戸の若海藻(わかめ)」と自然界のワカメが詠み込まれています.古事記や万葉集には,食用としてのワカメは記載されていません. では食べられていなかったのか?というと,もちろんそんなことはありません. 日本人は,縄文の頃からわかめを食べていたと推定でき,奈良時代には租税としても納められていました.

ワカメ 昨日の古事記に続いて,奈良時代のワカメをざっとまとめようと思いましたが,とても退屈な話に終始しそう. 冒頭にワカメの語源を置いて,少し変化をつけてみましたが,退屈なことには変わりない? ワカメの漢字と語源. 海苔,昆布とともに,食用海…

ワカメ1 「ワカメ」は,いわゆる”国譲り”の最終局面,すなわち,オホクニヌシが国譲りを決心し,天つ神からの使者(タカミカヅチ)を迎える館を建て,ご馳走を作り供えてもてなそうとする場面に記されています.しかし,食べ物としてではなく,火おこしの道具(燧臼・燧杵)の材料として「ワカメの茎を刈り取ってきての,それを燧(ひきり)の臼に作り,また,ホンダワラの茎を燧の杵に作り,新たな火を鑽りだして」“植物をたどって古事記を読む”

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. ワカメ オホクニヌシが治めて後,葦原(あしはら)の中つ国は,にぎわって穏やかな暮らしが長く続いていました. ところが,ある時,高天の原…

ガガイモ(カガミ)6 キョウチクトウ科の植物たち 新しい分類では, ガガイモは,キョウチクトウ科イケマ属.キョウチクトウ科の中で最もよく知られている植物といえば,キョウチクトウでしょうか.ガーデニング植物として人気ですが,心不全の特効薬となる有毒成分(いわゆる強心ステロイド)を持つ事でも有名.○○○たちにも人気? ガガイモ近縁植物を食草とする美しい蝶たちがいます.食草由来のアルカロイド系毒物質をもつそうです.長距離飛行でも有名なアサギマダラ.沖縄に行けば逢えるかもしれないオオゴマダラ.

“植物をたどって古事記を読む” シリーズとして, ・「長さ10センチのガガイモの実でできた船(アメノカガミ船)に乗って現れたスクナビコナにまつわる話題」や ガガイモ(かがみ)オホクニヌシ(オホナムヂ)が国を作り固めるとき,力を合わせた神がいました…

ガガイモ(カガミ)5 植物としてのガガイモとその仲間たち1 ガガイモがイケマ属とされたのはごく最近のことのようです.キョウチクトウ科に分類されたのはその少し前.ガガイモは毒性があるとの記載が見つかるものの,複数のサイトで「食べられる」とされています.しかし,レシピを検索しても見つかりませんでした. 大部分の日本人は,まだ,半信半疑なのでしょうか?薬効(強精薬・腫れ物等への塗り薬)もあるとされていますが,実際に使っている方は?どれほど使われていたかも?

昨日までは,“植物をたどって古事記を読む” シリーズとして, ・「長さ10センチのガガイモの実でできた船(アメノカガミ船)に乗って現れたスクナビコナにまつわる話題」や ・「ガガイモの名称と漢字」を取り上げてきました. 今日・明日は,締め括りとして…

ガガイモ(カガミ)4 名称と漢字 ▽「かがみ」は,ガガイモの古名. 日本国語大辞典“かがみ”には,「ガガイモの古名」と明記してあります. ▽かがみ(かかみ)は羅摩.ガガイモも羅摩と書きます. さらに,羅摩をカガミイモと読んでも,ラマと読んでも良い. ▽ガガイモの語源はよく分かっていないが,最も信頼できそうな語源は: 「カガミイモ⇒ガガイモ」(大言海) ▽カガミ(⇒カガミイモ⇒ガガイモ)がなぜカガミ「イモ」と呼ばれるようになったのか?不明です.  “植物をたどって古事記を読む”シリーズ

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. オホクニヌシ(オホナムヂ, アシハラノヨコヲ)の国づくりを助けたスクナビコナ. 小人神で,現れたときに乗っていたのがアメノカガミ船(天之…

ガガイモ(かがみ)3 「ガガイモの実でできた船(アメノカガミ船)に乗ってきた小人神はスクナビコナ」と知っていたクエビコ.挿話の最後で正体が明かされます.「足を歩ませることはできぬが,何から何までこの世のことをお見通しの神である“山田のソホド”」 であると.ソホドは「案山子」の意(古語).そして僧都の古形ともなっています.カカシには,多くの民俗学的な研究がありますが,“神である山田のソホド”とどのようなつながりがあるのかは,調べきれませんでした. “植物をたどって古事記を読む” 

オホクニヌシ(オホナムヂ)の国づくりを助けたスクナビコナ. 長さ10センチのガガイモの実でできた船(アメノカガミ船)に乗り, ガガイモ - Wikipedia “ヒムシの皮をそっくり剥いで,その剥いだ皮を衣に着て依り来た”「小さい大地の神」.小人神でした. …

ガガイモ(カガミ)2 長さ10センチのガガイモの実でできた船(アメノカガミ船)に乗ってきたスクナビコナ.誰も,この神の名前を知りません. そこで,「クエビコがかならずや知っておりましょう」と進言したのが,タニググ.タニグクはヒキガエルのこと.祝詞によれば,地の果てを支配する神.万葉集でも,「たにぐく のさ渡る極み」詠まれ,「ヒキガエルが這って行く地の果てまで」の意を表しているとのことです.“植物をたどって古事記を読む” ガガイモ

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 取り上げている植物は “ガガイモ(かがみ)” オホクニヌシ(オホナムヂ,アシハラノヨコヲ)の国づくりを助けたスクナビコナ. 長さ10センチの…