「日本のブルーベリー」あるいは「ワイルドブルーベリー」等と称して親しまれる木があることを知りました.
シャンシャンボ.漢名「南燭」
関東地方には少ないせいあり(単に植物に疎いだけ?),見たことも,聞いたこともありませんでした.
「関西には普通に見られる」とあります.
久しぶりに見たNHK「まんぷくメシ」でブルーベリーを取り上げていて,ブルーベリーの周辺情報をまとめてブログに.
yachikusakusaki.hatenablog.com
その過程で行き当たったのがこのシャンシャンボ.
”「小小(ささ)ん坊」の意で、実が小さくて丸いことによる”とのこと.(日本国語大辞典)
ブルーベリーはスノキ属スノキ亜属スノキ節であるのに対し,
ツツジ科 Ericaceae,スノキ亜科 Vaccinoideae,スノキ属 Vaccinium,スノキ亜属 Subgenus Vaccinium,スノキ節 Sect. Cyanococcus
シャンシャンボは,節の段階で一般のブルーベリーとは分かれています.
スノキ属スノキ亜属シャンシャンボ節.
ツツジ科 Ericaceae,スノキ亜科 Vaccinoideae,スノキ属 Vaccinium,スノキ亜属 Subgenus Vaccinium,シャシャンボ節 Sect. Bracteata
シャシャンボ - Wikipedia https://matsue-hana.com/hana/syasyanbo.html シャシャンボ - 庭木図鑑 植木ペディア
実の美しさは,ブルーベリーよりかなり劣るように思いますが,花はそっくり.
そして,実は「甘酸っぱくておいしい」!
何とかして食べなくては.
シャンシャンボをこのブログで取り上げたのは,たまたま名前を見つけたためだけでなく,
このシャンシャンボが古事記に記述があるため
=久しぶりの「植物をたどって古事記を読む」シリーズの題材にもなるためです.
ただし,シャンシャンボという名前は古事記に記載されていません.
古名「さしぶ」が,オホサザキ(仁徳天皇)の太后イハノヒメによって歌われる大君(オホサザキ)を讃える歌の中で登場.
ただ,この時のイハノヒメ.怨み怒っています.
「大君がワタノアキイラツメをそばに置いて夜も昼もたわむれ遊んでいる」ことを聞きつけ,難波の宮に帰らず山代へ.
そして,つぎのように歌ったのでした.
重なり根這(ねば)う山の 山代川よ
川を上り わが上り行けば
川のほとりに 生えている
サシブよ そのサシブの木
その下に 生えて立つ
葉の広い 美しいツバキ
その花のごと 照り輝かし
その葉のごと 広がりいますは
大君様でございます
つぎねふや やましろがはを
かはのぼり わがのぼれば
かはのへに おびだてる
さしぶを さしぶの木
しが下に おひだてる
葉びろ ゆつまつばき
しが花の てりいまし
しが葉の ひろりいますは
おほきみろかも