桜餅  小麦粉生地で餡を包み,オオシマザクラの葉の塩漬けで包むのが関東風.関西風は道明寺粉で餡を包むのが一般的.桜餅の元祖とされるのが,東京向島の山本や(1717年).江戸で大評判となり,錦絵に描かれ,江戸名物双六にも取り上げられています.江戸の人気を知って,天保年間に大阪でも桜餅の販売が始まります.現在の国産桜葉の7割が伊豆松崎産.今では桜葉生産に特化した栽培が行われています.桜餅の葉を食べる人と食べない人の数は拮抗しているようですが,人それぞれでいいのでしょう.

かしわ餅と並んで,葉で包んだ人気和菓子の双璧といえる桜餅. 桜の葉は,オオシマザクラの葉を塩漬けした物(輸入品も使われますが). 餡を包む生地は小麦粉生地, と思っていたら,関西地方は道明寺粉(*)を使ったものが多く売られています.関西に在住…

かしわ餅  柏餅が広まったのは,おそらく江戸時代の江戸から. 新芽が出るまで古い葉が落ちない柏に子孫繁栄の願いを込め,武家社会の江戸では端午の節句に食べることが定着したとのこと.しかし,もともと,食べ物を柏で包む風習はあったようで「かしわは,”炊(かし)く葉”から」.一方,西日本ではサルトリイバラで包んだ行事用の餅が広く食べられてきたようで,現在ではこれをかしわ餅を呼んでいるところも多いとのこと.

柏餅の季節ですね, 町の和菓子店から,デパ地下の有名店まで,この時期必ず柏餅を販売していると思います. https://mi-journey.jp/foodie/95918/ 事典和菓子の世界(中山圭子 岩波書店)によれば,柏餅が広まったのは,おそらく江戸時代の江戸から. 新芽…

松の花を詠んだ短歌 昨日の散歩で出会った花は22種.最後は,神社の境内の松の花.地味ながら元気いっぱいの花. よべの雨に小径の石の現れてすがしくもあるか散る松の花 島木赤彦  夕日かげまばゆき松の下枝の花粉こぼれてちるがけぶれり 岡麓  うす曇る空に並み立つ松の花伸び急ぐ日を我らも忙し 窪田空穂  庭に見るつつじ山吹あかるくてさびしくもあるかこの松の花 若山牧水  微かに松の花粉こぼるる夕まぐれまた逢はむ日の思ほゆるなり 大西民子

昨日は,近所のカタバミを探すついでに,ぐるりと境川の河畔を散策. 今日はその途中で出会った,おそらく,その多くをほとんどの人が振り返らない花たちを,かたはしから集めてみました.数えてみると22種. ハルジオン ハルノノゲシ タンポポ ヒメツルソバ…

酢漿草(かたばみ) 清少納言も取り上げ(「かたばみ,綾の紋にてあるも,ことよりはをかし」),何人かの近代歌人も好んで歌題にしています.群れ生いし酢漿草(かたばみ)の葉のか青きに時雨ふりつつさびしきろかも 斎藤茂吉  三つよりて仲むつまじき酢漿草のかたちくづさずあり経むものを  若山喜志子  やっかいな雑草であると同時に花・葉は愛らしい.十円玉をこすったり,実をそっと触ってはじける種を眺めて楽しんだりすることもできます.

酢漿草(かたばみ)は,最もよく見かける雑草の一つですが---- https://ja.wikipedia.org/wiki/カタバミ 古今短歌歳時記(鳥居正博 教育社)をみて,かなり名の通った歌人によって短歌に詠まれていることを知りました. どの歌も,さりげなくかたばみを慈し…

カステラ2 カステラの語源は,「ポルトガル語のpão de Castella 」とするのが一般的になっています.現在ポルトガルで広く食べられているPão de Ló(パン・デ・ロー)のルーツのひとつもpão de Castellaで,卵,砂糖,小麦からつくられ,カステラの主な材料と一致します.日本のカステラは,これに水飴/蜂蜜を加えてしっとり感を出しているのが特徴的ですが,「材料の配合量や焼き方にそれぞれの店の秘法がある」とのことです.

「カステラとは,安土桃山時代にポルトガル経由で日本に伝わった『南蛮菓子』をもとに日本で生まれた和菓子の一種」とされています. https://www.castella.website/nagasakicastella/000000000004/ https://www.fukusaya.co.jp/ https://shooken.com/ カス…

カステラ1 カステラは和菓子? 1681年創業の長崎松翁軒のウェブサイトによれば「ぜいたくな砂糖と禁断の卵をたっぷり使った菓子を,長崎の菓子職人たちはさまざまな工夫を加えて,異国風味の和菓子に育て上げました」. 英語版ウィキペディアCastellaでは「カステラとは,安土桃山時代に海外から日本に伝わった『南蛮菓子』をもとに日本で生まれた和菓子の一種」.事典和菓子の世界では,「確かに南蛮菓子という性格上,西洋起源であることは事実.しかし,長い歴史を経て,カステラはすっかり日本独自のものに変化している」

文明堂のカステラを買い求め,久しぶりに食べました.子供の頃から大好きなお菓子の一つです. カステラ1 文明堂という名前の菓子店は,長崎で誕生した1900年創業の老舗ですが,日本全国に広がり,それぞれの地で別会社を立ち上げているとのこと. 私が購入…

平塚花菜(かな)ガーデンで出会った花々2 バラ園には沢山の品種が植えられていますが,この日咲いていたのは一種一輪.比較的沢山の品種が揃えられていたのがマグノリア.遠くから目立つていたのは花ではなく唐楓と楠木の新芽.キクモモの赤は印象的.りんごも花を咲かせていました. 石狩の都の外の/君が家/林檎の花の散りてやあらむ 石川啄木  林檎さくところを行けり紅に白まじはりて日に照らふ花 佐藤佐太郎

昨日訪れた,平塚花菜(かな)ガーデンで出会った花. 今日は木本編. この花菜ガーデンで,最も充実している花木は,バラかと思いますが,まだ時期が早く,咲いていたのは,一つだけ! この日のバラ園では貴重なこのバラの品種名は,オールドプラッシュ.ネ…

平塚花菜(かな)ガーデンで出会った花々1  花菜ガーデンはかなり広い敷地で,広い芝生と沢山の花々を楽しむことができました.一般の植物園にはなかなか見られない大きな花壇に植えられたチューリップをはじめ,沢山の草花に出会うことができました: ラナンキュラス,アフリカンデージー,ハゴロモギク,デージー,キランソウ,イベリス,イブキジャコウ,ローズマリー,ナノハナ,キンギョソウ,ヒメキンギョソウ,ルピナス,オオイヌノフグリ,シロツメクサ,カタバミ,タンポポ---

平塚にある,花菜(かな)ガーデンまで行って来ました. 別名,神奈川県立花と緑のふれあいセンター. https://kana-garden.com/ かなり広い敷地で,広い芝生と沢山の花々を楽しむことができました. 出会った花々の写真を今日明日紹介しようと思います. 今…

八重桜・遅桜を詠んだ短歌2 「八重桜は異様ことやうのものなり」(兼好法師)と思う方もおいでかとは思いますが,私は考えを改めています.八重桜も見事です. 咲垂るる八重ざくら花ゆらぎ出でいや照りつつも重くしづまる 窪田空穂  いやはてに鬱金ざくらのかなしみのちりそめぬれば五月はきたる 北原白秋  八重ざくら春の名残りと散り頻(し)くに心は寄りて木の下に来つ 村松英一  ここに孤(ひと)りとなりゆくことの淋しさに今朝のひかりに咲く八重桜 柴谷武之祐

今満開の鎌倉極楽寺の八重桜.とても見事な花でした. 以前は,桜は一重.八重は邪道などと思っていましたが,そんなことはありませんね. しかし,中には,「桜は一重に限る」と思っておられる方もおいでになるように思います.徒然草の兼好法師がその代表…

八重桜・遅桜を詠んだ短歌1 鎌倉極楽寺の八重桜もほぼ満開で見応えがありました.その内に一株は,鎌倉ではかなり名の通つた桜で,時宗お手植えのサクラとの言い伝えも. 待たせつつおそくさくらの花により四方の山べに心をぞやる 和泉式部  いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほいぬるかな 伊勢大輔  ふるさとの春を忘れぬ八重桜これや見しよにかはらざるらん 式子内親王  夏やとき春やおくれし卯の花に咲きあはせたる遅ざくらかな 小沢蘆庵

妙本寺でも満開だった八重桜. 昨日参拝した鎌倉極楽寺には,二株の大きな八重桜があって,こちらもほぼ満開で見応えがありました. その内の一株,転法輪殿前の桜は,オオシマザクラの突然変異種とされ,北条時宗のお手植えと伝えられる「八重一重咲分桜」…

満天星/ドウダンツツジの花を詠んだ短歌  鎌倉妙本寺には,かなり大きなドウダンツツジがあつて,今,満開.漢字には灯台躑躅と満天星がありますが,花の時期には満天星が似合います.「霊水ががかかって壺状になり,満天の星のように輝いたという故事」に由来す漢字とのこと. どうだんの花のこぼれのしろじろと月夜になりし庭松の露 太田水穂  春梅雨(はるつゆ)の止むとしもなき満天星のうつむく花に明らけく降る 福田たの子  筒花(つつばな)のうすべにに垂り花ゆれゆれて水の辺さらさどうだんの夢 加藤克

昨日は,鎌倉での所要のついでに,妙本寺まで足を伸ばしました. ソメイヨシノ,カイドウの花は終わっていましたが,4月5月の妙本寺の楓の新芽はとても美しくて大好きです. ヤマブキが所々に咲いていて,日蓮上人像横の灯籠を飾る八重の花は,とても鮮や…

霞を詠んだ短歌2  あはれなりわが身のはてや浅緑つひには野ベの霞と思へば 小野小町  春霞こめたる町のゆかしくてみおろしつつも高きに登る 窪田空穂  ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ秋もかすみのたなびきて居り 若山牧水  わが居る 天の香具山。/おともなし。/春の霞は、谷をこめつつ 釈迢空  ちちのみの父を葬りし日の晩霞濃かりしことはのちも思はむ 葛原妙子

今日は全国で真夏日続出との報.片瀬海岸には,水着姿の方も出ていたと伝えていました. https://news.ntv.co.jp/category/society/4a9c564c22404943b21872fa8a52f008 鎌倉に用事があって,片瀬海外に戻ってきたのは夕方6時頃.昨日よりは雲が多いものの,上…

霞を詠んだ短歌  今日の片瀬東浜では,夕方になつても多くの人がよく晴れた春の日を満喫していました.弁天橋から見る丹沢,富士は春霞の中にぼんやり浮かんでいました.  ひさかたの天の香具山このゆふべ霞たなびく春立つらしも 柿本人麿歌集  春の野に霞たなびきうらがなしこの夕かげにうぐひす鳴くも 大伴家持  かすみたち木の芽もはるの雪降れば花なき里も花ぞ散りける 紀貫之  高砂の尾上の桜咲きにけり外山の霞立たずもあらなむ 大江匡房

今日はよく晴れ,気候も申し分のない一日でした. 夕方,片瀬東浜海岸へ. もう5時も回っていたのに,浜では膝まで海に入る人を含めて,まだ数多くの人が,春の海を楽しんでいました. 「写真撮って良いですか?」とお父さんに聞くと心よく「どうぞ」といっ…

チューリップを詠んだ短歌  鬱金香(チュウリップ)のにほいのもとにわづかなる眩暈(めまい)をおぼえ昼もおもひぬ 北原白秋  起きてみて,/また直ぐ寝たくなる時の/力なき眼に愛でしチュリップ! 石川啄木  チューリップを幾百種類咲かしめて朝(あした)明るき公園の径(みち) 細川謙三  身を爆ぜて咲かば咲きなむ乙女子のしろじろと群れて見るチューリップ 馬場あき子  チューリップの花咲くような明るさであなた私を拉致せよ二月 俵万智

藤沢市の長久保公園へ行って来ました. どの様な公園か?というと--- 公式の的確な紹介文がみつからないので,鎌倉藤沢茅ヶ崎の紹介をしているサイト「かまふち」の紹介文をお借りすると: https://www.shonan-kamafuchi.com/nagakubo_park/#i 長久保公園は…

甘納豆  マロングラッセやフリュイ・コンフィと同じ蜜漬けの和菓子で,豆を用いるところは日本独自.日本全国で作られていて,老舗店も知られていますが,その内の榮太樓の三代目細田安兵衛(榮太樓の屋号を初めて用いた)が江戸時代に考案したとされています.名称は,塩味の寺納豆として当時名が通っていた浜納豆/浜名納豆をもじって付けられたと伝わっています.

甘納豆は,豆を煮て糖蜜につけ砂糖をまぶした和菓子. イタリアのマロングラッセ、フランスのフリュイ・コンフィ(果物の蜜漬け)も蜜漬けのお菓子ですが,豆を使うのは日本独自ですね.https://torokuya.com/amanatto https://www.google.com/search?甘納豆…

アセビ(アシビ 馬酔木)を詠んだ短歌  磯の上に生(を)ふる馬酔木を手(た)折らめど見すべき君が在りと言はなくに 大伯皇女  池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を扱入(こき)れな 大伴家持  庭隈のあしびの花に夕雨のあかるうそそぐ見つつ語らふ 佐佐木信綱  のぼり来し比叡の山の雲にぬれて馬酔木の花は咲きさかりけり 斎藤茂吉  水の辺の馬酔木の若木小さけれどほのかに群れて花つけぬらし 北原白秋  来る道は 馬酔木花咲く日の曇り—。大倭(ヤマト)し遠き 海鳴りの音 釈迢空

鎌倉に所用で出かけました. 少し早く着いたので,鎌倉駅からすぐのおんめさま(大巧寺)へ.鶴岡八幡宮の二ノ鳥居近く, 大好きな,このブログでも一番多く取り上げてきた寺院. いつ行っても花に出会えるお寺です.今日であった花々は: ヤマザクラとトキ…

うらうら/うららかを用いた短歌  うらうらに照れる春日にひばりあがり心悲しもひとりし思へば 大伴家持(前半は,情景ですよね.後半で自分の気持ちが詠われるんですけど,その,コントラストが現代の感覚に通じるような気がしますね) 麗らかや此方(こなた)へ此方へかがやき来る沖のさざなみかぎり知られず 北原白秋  うらうらと照れる光にけぶりあひて咲きしづもれる山ざくら花 若山牧水  うららかに一天晴れて吹く風のとよみの音も耳にのどけし 尾山篤二郎

久しぶりによく晴れ,うららかな春の日を満喫できる一日. 青空の下,江ノ島付近の波は穏やか.弁天橋から見た富士は,春の富士.遠く霞んだ姿を見せていました. 晴れた日に,かえって物憂くなることもあるかとは思いますが---今日は,澄んだ青空を見ただけ…

最中 「餅を薄くのばし,切って型で焼いた皮=もなか種(だね)をつくり,餡をはさんだもの」.最中の元の意は「事物または事柄の中心.まんなか.中央」.「陰暦十五夜,またはその月」の意味も持つようになり,江戸時代「最中の月」という菓子が作られ評判に.現在でも丸い形が一般的かと思いますが,有名店の最中は,それぞれ形にも工夫を凝らしていて,見た目も楽しませてくれています.

和菓子の最中は,「餅を薄くのばし,切って型で焼いた皮をつくり,餡(あん)をはさんだもの」(事典和菓子の世界 岩波書店). https://www.google.com/search?最中 皮の原料は餅米なんですね.今まで気にしたことがなかったので,やや驚きですが,聞けばな…

今川焼き/大判焼き/回転焼き---- 多様な名称には,多くの方々が興味を持っていて,この名称の違いを解説した記事がネット上にも溢れていてます.同志社大の吉海先生の記事だけでざっと数えるて26の名前が挙げられていて,他の記事も合わせると,30を越える名前がありました.地方によって呼び名が異なること,その傾向も調べられていますが,最も古い名前は今川焼き(1770〜1780頃)であることは多くの記事に共通しています.

全国的に根強い人気を持っている今川焼き/大判焼き/回転焼き---- この和菓子の多様な名称には,多くの方々が興味を持っていて,この名称の違いを解説した記事がネット上にも溢れていてます. https://www.google.com/search?今川焼き/大判焼き/回転焼き …

三浦の新キャベツ/春の日を詠んだ短歌  三浦の畑へ行って来ました.今の主力は春キャベツ.桜の開花と同じく,早いと思った収穫が遅れたそうです.畑では春の日を満喫してきました. けふのみと思へばながき春の日もほどなくくるる心地こそすれ 西行  つれづれと物おもひをれば春の日のめにたつものは霞なりけり 和泉式部  春の日は ただのどかにてあらましを—.人の家出でて目に沁む青空 釈迢空

今日は,友人の農家さんを訪ねて三浦まで行って来ました. 畑は,三浦半島の先端に近い高台. 途中,長者ケ崎でトイレ休憩. 夏は海水浴で賑わう場所.今はウィンドサーフィンと春の水辺を楽しむ親子連れの方々でチラホラ. 遠くに江ノ島が見える浜辺で,見…

わらび餅 わらび餅は,本来は,ワラビの根から採った「わらび粉」(を用いて作られてきたものですが--- 江戸時代から既にわらび粉以外の材料も用いられていました.わらびもち粉には ①本わらび粉100%②本わらび粉を数パーセント配合(残りは芋系でん粉)③本わらび粉ゼロで芋系でん粉100%があるとのこと.有名和菓子店でもわらび粉ゼロの商品もあります.わらび餅の歴史も踏まえれば,わらび粉100%にこだわる必要はないとはいえ,わらび粉100%,もしくはそれに近いものの味だけは確かめておきたいですね.

今日は,日が沈んでから買い物.少し足を伸ばして勝たせ片瀬東浜へ. 曇り空でしたが,夜の江ノ島は,灯台の光と,大橋〜ヨットハーバーの道路を照らす光,そして,引いたあとの砂浜がこれらの光を反射させていて,美しい光景を作り出していました. 帰りに…

どら焼き(別名三笠山) 好きな和菓子ランキングでも,大福(いちご大福を含む),団子(みたらし団子+餡の団子)に次ぐ人気和菓子.江戸時代には,どら焼きと金鍔は同じものを指していたとのことですが,明治になって卵を入れた生地を使う丸い形に.どら焼きの名前は銅鑼に似た形だからという説以外に銅鑼の上で焼いたからという説があります.三笠山は奈良の三笠山の稜線の形から,或いは三笠山にかかる満月から.

ご近所の和菓子店でどら焼きを購入.重曹の味が少し残っていましたが,それはそれ.美味しかったです どら焼きは大好きな和菓子の一つです.ネット上の好きな和菓子ランキングでも,大福(いちご大福を含む),団子(みたらし団子+餡の団子)に次ぐ人気和菓…

桜を詠んだ短歌4 鎌倉鶴岡八幡宮の段葛,源平池の桜は,まさに満開.妙本寺の桜も見応えがありましたが,本覚寺の八重桜は早くも散っていました. さくらさくら美(うま)しさくらの幻惑にのめり込めたる日本浪曼派 道浦母都子  わが胸をのぞかば胸のくらがりに桜森見ゆ吹雪ゐる見ゆ 河野裕子   日本的美意識なぞの埒の外咲きたくて桜うすべにを吐く 松平盟子  愛恋はさくらはなびら散りぬれば散りぬるあとの風のなごりよ 紀野恵

今日は,鎌倉鶴岡八幡宮の桜を見に行って来ました. 段葛の桜,源平池の桜,今がまさに見頃.ほぼ満開でした. 宝戒寺,妙本寺の桜も満開.特に妙本寺の桜はなかなか見応えがありました. 本覚寺の八重桜は,かなり散ってしまっていて、やや残念.今年の桜は…

桜を詠んだ短歌3 後世は猶 今生だにも 願はざる わがふところに さくら来てちる(達観の見事さというのがあって,ちょっとね,武士の気概みたいな,大げさに言うと,そういう覚悟まで感じさせる歌).夜半さめて 見れば夜半さえ しらじらと 桜散りおり とどまらざらん(心の中の全部を占めて桜が流れていくような感じがして,ちょっと壮絶な歌だな〜と思うんですけどね)  精神の外の面の闇に桜咲きざくりと折られゆく腕がある 岡井隆  さくら散るさくらしぐれにほのじろき声満ちて空を母ひかるなり 川口美根子

おそらく,短歌に最も多く詠まれてきた桜. 手許の「古今短歌歳時記(鳥居正博編著)教育社」1289ページのうち,13ページは「桜の花」が直接詠われた歌で占められています(別稿「花」にも明らかに桜を詠んだ歌があります.全13ページに「桜の葉」は含めてい…

桜を詠んだ短歌2 桜は短歌の題材として多く取り上げられ,秀歌も数多くあります.NHK究極の短歌50選のうち三首が桜の歌! 桜花 ちりぬる風の なごりには 水なき空に 浪ぞたちける 紀貫之  後世は猶 今生だにも 願はざる わがふところに さくら来てちる 山川登美子  夜半さめて 見れば夜半さえ しらじらと 桜散りおり とどまらざらん 馬場あき子 

桜は,短歌に最も多く詠まれた花といえるのではないでしようか. 一昨年,NHKBSプレミアム/Eテレで,「完全保存版 絶対覚えておきたい!究極の短歌・俳句100選」という番組がありました. https://www.nhk.jp/p/tankahaiku100/ts/L8R11WY878/ その冒頭のナレ…

唱歌「さくらさくら」/桜を詠んだ短歌1  四月は別名卯月ですが,これは陰暦四月の別名.私の頭の中では,「桜が咲くのは弥生」と唱歌「さくらさくら」によってすり込まれています.この唱歌が「さくらさくら」が教育現場に登場するのは1941年.歌詞は音楽取調掛撰『箏曲集』(1888年)編纂時につけられたもの.「歌詞のテーマを桜にしぼったことも,誰もが知る歌となった要因かもしれない」 ただ一度生れ来しなり「さくらさくら」歌ふベラフォンテも我も悲しき  島田修二 

四月に入りました. 今日の片瀬東浜は,曇り空でしたが,吹く風は温かく,浜の人々も春の雰囲気を楽しんでいるように見えました. 昨日訪れた鎌倉では,遅れていた関東地方の桜も開花し,「春,たけなわ」といっていいでしょう. 四月は別名卯月ですが,これ…

鎌倉では山桜,染井吉野,そして枝垂れ桜が一斉に花開きました.安国論寺-妙法寺地区と本覚寺界隈をぶらぶら歩きました.サクラ以外に出会った春の花は,タンポポ,カタバミ,ヘビイチゴ,ムラサキハナナ,フリージア,リキュウバイ等17種類.染井吉野は額田病院脇,山桜は安国論寺で.そして枝垂れ桜は安国論寺と本覚寺.やはり本覚寺の枝垂れ桜が鎌倉では一番でしょうか.

今日は,東京では夏日.3月では観測史上最高気温を更新したとか.おそらく藤沢・鎌倉も--- 午後.春の草花,特に桜を求めて,鎌倉へ.八幡宮は避け,安国論寺-妙法寺地区と本覚寺界隈をぶらぶら歩きました. 桜の前に: 今日であった様々な春の花の画像を集…

団子 名物団子と団子の歴史 日本人が大好きな団子は,全国に名物団子を生み出しました.今は日本中に売られているみたらし団子ももとは京都の下賀茂神社で氏子がつくり後に社頭の茶店で売ったもの.中世まで団子は貴族や僧侶の「点心」であったと考えられています.団子の名前は平安期にも見られますが,室町時代に急速に広まりました.

日本人の多くが大好きな団子. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2024/03/27/235653 日本各地には,名物となっている団子が数多く見られます. とりわけ万人に人気で,日本各地に広まっているみたらし団子も,もとは,「 京都市左京区の賀茂御…

「いちご大福」「大福餅」の起源(ネット検索から) いちご大福は,いくつもの候補があって,どの和菓子店が元祖なのかは確定できないというのが実際のようです.東京新宿の「大角玉屋」,群馬前橋の「金内屋」,三重県津市の「とらや本家」,大阪旭区「松福堂正一」など.「大福の由来」については--- ネット上では、多くのサイトがほぼ同じ内容を記しています.ただし,サイト内に「統一見解」の根拠にはあまり触れられていませんが,どのサイトの記事も出典は世界大百科事典と思われます.

ネット上に見る「いちご大福」「大福餅」の起源 いちご大福,大福餅は,日本人が最も好む和菓子の一つ. ネット上の「好きな和菓子ランキング」をまとめた四つのサイトでは,いちご大福,大福餅を併せると断然トップといってよい結果. https://yachikusakus…

妙本寺の春/海棠を読んだ短歌  午後,嵐となる前に,霊園と,鎌倉妙本寺へ参拝.妙本寺では,レンギョウ,ツツジ,楓の若葉が楽しめました.そして桜が開花!そして花海棠も!  今日もまた海棠の実を啄(は)みに来ぬい隠れたまへわが帰るまで 良寛  くれなゐの唇いとどなまめきて雨にしめれる花の顔よき 橘曙覧  ともし火の明るき屋に海棠のひと鉢こぞる花のいきざし 太田水穂  はろばろとなりゆく人か海棠の花咲きそめし庭にわかるる 岡田弘彦

このブログを書いている今,硝子窓に風が吹き付けてマンションにもすきま風が.このところ,このような天気が続き,桜の開花も遅れるばかりですが--- 午後,嵐となる前に,春のお彼岸には行けなかった霊園と,その帰りに,鎌倉妙本寺へ参拝.どちらでも春の…