写すだけ万葉集

アカネ科の植物.ハクチョウゲ,ヤエムグラに続いて我が家の三種目はヘクソカズラ.悪臭で知られますが,かわいらしい花を咲かせます.花は美しいのですが,花の中には「剛毛」があって,小さい虫は入っていけず,みつばち等などだけに蜜を提供しているとか.ヘクソカズラヒゲナガアブラムシという虫は.ヘクソカズラを傷つけて,臭いをだして,それを食べて,体内にため込み自分を臭くすることによって,アブラムシの天敵であるテントウムシに食べられないようにしているそうです. 生物の世界って不思議です

ツタ性の雑草はやっかいです. 我が家の最も目立つツタ性雑草はヤブカラシ. その他に2種類. 葉だけでは私には区別ができません.またしてもPictureThisの登場. 写真上の判定は「ナガイモ」(ヤマノイモ科ヤマノイモ属) どこにでも見かける葉です.根を…

我が家には,白丁花の他にアカネ科の植物があります.ヤエムグラ(八重葎).庭の至る所に生えているのですが,念のためPictureThisで確認したところ,思わぬ答えが.「シラホシムグラ」.見分け方にある「細かい毛」は我が家の標本には少なく.5月の今,すでに果実期であることから,PictureThisに逆らって,八重葎とさせてもらいました.ただし,万葉集にあるヤエムグラは,このヤエムグラではないとの説が有力. 思ふ人 来むと知りせば やへむぐら 覆へる庭に玉敷かましを 万葉集 

我が家の庭の片隅に生えていた小木・ハクチョウゲ(白丁花)は,アカネ科ハクチョウゲ属. 我が家にはアカネ科の植物が他にもあります. ヤエムグラ(八重葎). 庭の至る所に生えているのですが,目立っているのは,今は倒れているスイセンの葉っぱの間から…

古事記,万葉集の「ウリ」は,マクワウリのことでした.「まるで良く熟れたウリを切り刻むがごとく,クマソタケルの体をずたずたに切り刻んで殺してしもうたのじゃった」(古事記).「瓜食めば, 子ども思ほゆ,栗食めば,まして偲はゆ」(万葉集).そして,このマクワウリとシロウリ,さらにはメロンも同一の種. 「ウリ」(瓜)2

古代の「ウリ」は,マクワウリのことでした. ウリ(瓜)とは - コトバンク マクワウリ - Wikipedia 古事記では,ヤマトタケルの猛々しく荒々しい心が生んだ凄惨な殺害の様子が,「まるで良く熟れたウリを切り刻むがごとく」と表されています. http://yachiku…

万葉集「山菅」の候補とされているヤブラン,ジャノヒゲがキジカクシ科スズラン亜科と知って,なるほど!と思いました.ヤブラン,ジャノヒゲ,さらにはオモト,それぞれの根は,スズラン同様,皆立派なものです.そして,山菅は花でも実でも,そして葉でもなく,根が注目されて歌に詠み込まれています.折口信夫は,「麦門冬」(原植物ジャノヒゲ/ヤブラン)を山菅の現代語訳としていますが, このブログで,だらだらと何日間か山菅とつきあううちに,私も,山菅=麦門冬が正しいと思えてきました.根の形状が決め手です.

スズラン. 愛らしい花ですが,ビックリするのはその根を見た時. 一度でも栽培したことのある方なら,同じように思われたのでは? スズランとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版 http://www.okadanouen.com/zukan/doitusuzuran.html 根付きのス…

山菅(やますげ/やますが) “菅の根”を含めると,万葉集で32首も詠まれています.日本国語大辞典では万葉集の山菅を「山に生えているスゲ」としていますが,生薬「麦門冬」の和名が山菅(也末須介)との記載が「本草和名」にあり,この生薬の原植物ジャノヒゲ,その代用品となるヤブランが山菅の候補となります. あしひきの岩根こごしみ菅根(すがのね)を引かば難みと標(しめ)のみそ結ふ 万葉集

万葉集に14首詠まれている山菅(やますげ/やますが). たのしい万葉集: 山菅(やますげ)を詠んだ歌 また,“菅の根”が詠まれている歌は少なくとも18首あり, 跡見群芳譜(文藝譜 「万葉集」スゲをよむ歌) この菅の根は山菅の根の意とされています. 菅の根 すが…

スゲ(菅)3  万葉集には菅とは別に山菅を詠んだ歌が14首あります.日本国語大辞典は,万葉集にある“山菅”は「山に生えているスゲの類」としていますが,漢名の麦門冬に当たる植物,すなわち,ヤブランまたはジャノヒゲとする説もあります. 山菅(やますげ/やますが) 万葉集 咲く花は,移ろふ時あり,あしひきの,山菅(やますが)の根し,長くはありけり  大伴家持 巻二十 4484

古事記では, イワレビコ(神武天皇)がイスケヨリヒメとの一夜の契りを懐かしんだ歌にも,管畳(すがだたみ)として詠われた菅(すげ/すが). http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/11/29/225404 あしはらの しげしきをやに すがたたみ いや…

スゲ(菅)2  古事記と同時代の万葉集では,菅は頻出しています.菅を詠む歌は45(49 / 44)首あって,万葉の草花としては6番目に多く詠まれている植物とされています.ただし,万葉集には山菅という植物が詠まれいて,これは湿地や池に生えるスゲとは別種の植物.そして,菅を詠んだ歌の中で「菅の根」とあるのは山菅とされるため,万葉の草花としての順位は9番目がより正確かもしれません. 大君の 御笠に縫へる 有馬菅 有りつつ見れど 事無き吾妹  作者不詳 万葉集巻十一 2767(2757)

「菅」は古事記で三カ所で記されています. その内の二カ所では,菅で作られた畳,管畳(すがだたみ)として描かれ,昨日とりあげたイワレビコ(神武天皇)がイスケヨリヒメとの一夜の契りを懐かしんだ歌はその内の一つ. あしはらの しげしきをやに すがた…

イヌタデ属には.小さくてかわいらしい花をつける植物が沢山あります.サクラタデ.ミズヒキ,イヌタデ,ミゾソバ----.イヌタデは食べられますが,食べられるといえば何といってもヤナギタデ.江戸時代には立派な野菜とみなされていたようです.我が宿の 穂蓼古幹摘み生し 実になるまでに 君をし待たむ 万葉集

昨日とりあげたサクラタデ.その花は,小さなかわいらしい姿をしていました. 他のサイトの画像をお借りすると----その美しさがひときわ輝いています. https://matsue-hana.com/hana/sakuratade.html サクラタデは,タデ科イヌタデ属の植物. 身近なところ…

日本最古の果物の一つともいえるナシ.古代では五穀を助ける救荒作物の一つ.万葉集にも詠まれています. しかし,「ナシ」という音を掛詞に使っていたり,紅葉が詠まれたり,食べる果実としてのナシは登場しません.梨の花は,絶世の美女・楊貴妃が涙ぐんでいる様子に例えられた(長恨歌)美しい花ですが,これも万葉集では詠まれていません.ナシが果樹園で栽培されるようになったのは江戸時代中期.以降,続々と新しい品種が選抜されたり,生み出されてきました.

日本最古の果物の一つともいえるナシ(梨,ニホンナシ). 縄文,弥生の遺跡からも出土し(データベースれきはく),日本書紀,正倉院文書にもその記載があります. ただし,当時は,現在私たちイメージする「果物」ではなかったでしょう. 日本書紀の記述で…

ムクゲはアオイ科.では,あおい(葵)って? アオイと聞いて何を思い出しますか?と聞かれたら---水戸光圀の印籠/葵祭/葵上;これらはアオイ科ではなく,ウマノスズクサ科カンアオイ属のフタバアオイ.植物の種の名前として「アオイ」は,”俗称”の扱いで,正式な種の名前にはなっていません!▽もし一つの植物をあげるとすれば,現代ならば「タチアオイ」.奈良時代〜平安初期にはフユアオイがアオイ(あふひ)と呼ばれていました. アオイ科の植物1

ムクゲはアオイ科. 昨日の天気予報が外れて,ずっと晴れ間の見える一日. 梅雨時,雨の中でも風情があるムクゲですが,晴れた空を背景にすると一段と映えるように思います. ムクゲは,フヨウ属Hibiscus(ハイビスカス属),アオイ亜科,アオイ科の植物. …

春から初夏の花7 ツツジ:万葉の時代から日本人に最も親しまれている植物の一つ.日本には17種ほどが自生.江戸時代中期に数多くの園芸品種が,江戸末期にはクルメツツジが,そして,明治から大正にかけて多くの品種がつくられています.万葉集/龍田道の岡辺の道に 丹(に)つつじのにほはむ時の桜花 咲きなむ時に山たづの迎へ参ゐ出む 君が来まさば

4月終わりから5月にかけて. 鎌倉のお寺で,公園で,街で一番目につく花の一つはツツジです. 日本人に最も親しまれている植物の一つツツジ. 「日本には花の美しいヤマツツジやキシツツジ,モチツツジ,サツキなど17種ほどが自生」(NHK みんなの趣味の園…

春の花1 サクラ 現在,私たちが目にする桜の多くはソメイヨシノ.オオシマザクラとエドヒガンの交配による雑種ですが,複雑な種間交雑の結果生まれた品種.吉野山を彩るヤマザクラが白い花と琥珀色〜透き通るような赤褐色の若葉で風情があるのに対し,ソメイヨシノの花は葉が開く前に枝という枝に群がって一斉に開花する華やかさが売り物.江戸期に隅田川堤に植えられ始め,明治期,国策とも相まって一気に全国に広まりました.ただし,現在はテング巣病に強いジンダイアケボノという後継品種の植樹が進んできているそうです.

おそらく,大きく育ってから,これほど人間に眺められなかった年はない(?)桜. 今年も同じように春を告げています. 現在,私たちが目にする桜の多くはソメイヨシノ. ベネッセ教育情報サイトによれば (1)幕末頃に江戸染井村(今の巣鴨近辺)の植木屋…

古事記と同時代の万葉集にもカヤが詠まれています.ただし,すすき,尾花,み草,草と表記される場合がほとんど. 明らかにカヤの音で詠まれている歌はあまりみあたりません.岡に寄せ我が刈る萱のさね萱のまことなごやは寝ろとへなかも 万葉集巻14・3499  

カヤ 萱 3 “三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ 古事記では,トヨタマビメの出産の場面で登場する“カヤ(萱/茅)”. yachikusakusaki.hatenablog.com yachikusakusaki.hatenablog.com…

カツラ /古事記2 古事記のカツラはモクセイであるとする説があります.中国ではモクセイ(桂花)やニッケイ(肉桂)を表すときに用いられる「桂」を,“万葉の時代から平安時代にはカツラとあて違え”ていました.しかし,モクセイが日本に渡来したのは15世紀ごろ(湯浅浩史).そうだとすれば,古事記の香木/楓は現在のカツラと考えて間違いないと言ってよいでしょう.また,かつらは,中国伝説で,月の世界に生えているという木.黄葉する時になるらし月人の桂の枝の色づく見れば /万葉集

“三浦祐介訳・注釈 口語訳古事記[完全版]文藝春秋” をテキストとした “植物をたどって古事記を読む”シリーズ. 古事記では,二つの場面で登場するカツラ. http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/01/24/222554 1. アマテラスが「この葦原の中…

柿本人麻呂 あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む(出典拾遺集) 小倉百人一首では柿本人麻呂作.しかし万葉集の原歌は作者未詳.しかも「或本の歌に曰はく」と添えられた歌.なぜ,藤原定家が柿本人麻呂作としてとりあげたのか? 詳細不明ながら,定家自身はこの歌を気に入っていたようです.“恋する人と離れ,独り寝する長い夜のわびしさをうたったもの.地味な内容だが,声に出して詠むとき,音韻の流れによろこびがひろがる(小池昌代)”

小倉百人一首には,万葉集に原歌がある歌が推定を含めて四首あります. いずれも出典は勅撰和歌集で,直接,万葉集から選ばれたわけではありません. http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/01/01/013532 その内の三首について,2017年から毎年…

子どもの頃,正月は松の内まで,と教えられた記憶があるせいか,「正月が 1月のことを指している!」 などとは,つい最近まで思いもつかないことでした.一月が正月の本義で,松の内は後に付け加わった意味でしょう.古今短歌歳時記では,睦月の別表記としてとして,正月,一月をあげ,これらも“むつき”とルビをふっています.正月立つ,春の初めに,かくしつつ,相し笑みてば,時じけめやも 大伴家持 万葉集

元旦は終わり,正月の2日目.古くは仕事始めとされていたようですが---現代は,三が日休日の方の方が多いでしょう. 子どもの頃,「いつまでがお正月?」と聞いたとき.松の内まで,と教えられた. おぼろげながらですが,そんな思い出があります. 楽しいお…

ワカメ2 古事記によれば,燧臼(ひきりうす)がわかめの茎で作られたとのこと.一方万葉集には,「磯の和布(わかめ)」「瀬戸の若海藻(わかめ)」と自然界のワカメが詠み込まれています.古事記や万葉集には,食用としてのワカメは記載されていません. では食べられていなかったのか?というと,もちろんそんなことはありません. 日本人は,縄文の頃からわかめを食べていたと推定でき,奈良時代には租税としても納められていました.

ワカメ 昨日の古事記に続いて,奈良時代のワカメをざっとまとめようと思いましたが,とても退屈な話に終始しそう. 冒頭にワカメの語源を置いて,少し変化をつけてみましたが,退屈なことには変わりない? ワカメの漢字と語源. 海苔,昆布とともに,食用海…

楝(あふち)/ 栴檀せんだん 霊園でも花が少ない夏場.サルスベリやアベリアの花の間に,大きく育ったセンダンの緑がとても美しい霊園の午後でした.センダンの古名はあふち(楝).万葉集にも詠み込まれていることがよく知られています.妹が見し楝の花は散りぬべし我が泣く涙いまだ干なくにも 山上憶良 万葉集 巻五・798(802)

昨日,18日. とても暑い1日でした. 我が家の植物たちは暑さ負けで,オミナエシ・セイヨウフジバカマ(ユーパトリウム)を除くと,花を落としています. ハイビスカスも元気がありません.一旦咲き始めたのに,その後の開花はチラホラ. 昼前,買い物ついで…

小麦と大麦(1) 「麦」は小麦と大麦,二つを区別せずに表しており,どちらも奈良時代には栽培されていたことは確実.しかし,麦の普及は日本では遅れ,万葉集では,馬に食べられています.「柵(くへ)越しに 麦食(は)む駒の はつはつに あひ見し子らし あやにかなしも」. 日本で普及が遅れた主たる理由の一つは,石臼の普及が江戸期までずれ込んだため.エジプトでの石臼の登場は紀元前3,000年頃,回転式石臼は紀元前600年頃の古代オリエント時代と考えられています.

小麦と大麦(1) https://www.pref.saitama.lg.jp/a0904/komemugidaizu/mugi.html http://www.eh.zennoh.or.jp/ehimenosyoku/com/kome02.html https://miso-sommelier.com/category12/entry51.html 日本でも古代より五穀の一つであった「麦」; http://yach…

ツユクサ//月草・鴨頭草(万葉集) 黄色と青のコントラストが鮮やかなツユクサですが,二輪咲きで淡い青色のものに初めて出会いました.ツユクサは,古代,つきくさ(月草・鴨頭草)と呼ばれ,万葉歌人にも好まれた花.多くは「移ろう」という意味で用いられています.月草の うつろひやすく 思へかも 我が思ふ人の 言(こと)も告げ来ぬ  大伴坂上家之大娘 万葉集巻四,五八三

今日は,母親を連れて,配食サービスグループ主催の七夕昼食会. テーブルには,かわいらしくコップに生けた花たち. どちらも私は初めて. 一つは広葉マウンテンミント. ミントの名前はついていますが,ハッカ(メンサ)属ではなく,近縁のピクナンテムム…

ササ / 小竹 アメノウズメが手草(たぐさ/たくさ)として,手に持って踊るササ.篠とも表されるヤダケ・メダケの種類と考えられます.ササを手にもって踊ることがある伝統歌舞が現代にも残っています.神楽です.「御神楽」の「採物(とりもの)」としてササが認められ,また,「里神楽」巫女舞でも同様です.ただし,現在は,ほとんどの場合,榊が用いられているようですが.植物をたどって古事記を読む(12)

古事記,岩戸隠れの物語にある5つの植物を取り上げてきましたが, 最後は ササ 小竹. アメノウズメが手草(たぐさ/たくさ)として,手に持って踊ります. “三浦祐介著 口語訳古事記” アメノウズメが,天の香山(かぐやま)の天のヒカゲを襷(たすき)にして…

ヒカゲノカズラ2 古事記では “神懸かりする”アメノウズメの体を飾っていたヒカゲノカズラ. 現代でも正月飾りに,また,神社の縁起物に用いられ,ヒカゲノカズラを必須アイテムとする祭礼も行われています.しかし,古事記と同時代の万葉集の歌をみると,古代日本では,ヒカゲノカズラは必ずしも神に結びつく植物ではなく,ごく普通に髪飾りなどに用いられていたと思われます.人はよし 思ひ止むとも 玉かづら 影に見えつつ 忘らえぬかも 万葉集 巻二 149  倭姫皇后

万葉集におけるヒカゲノカズラ ヒカゲノカズラ ヒカゲノカズラ - Wikipedia 古事記では “神懸かりする”アメノウズメの体を飾っていたヒカゲノカズラ. 現代でも正月飾りに,また,神社の縁起物に用いられ,ヒカゲノカズラを必須アイテムとする祭礼も行われて…

葦4 葦は.様々な効用があり,ヨシ原を保全・復活させようとする動きが各地で見られます.頭が下がります. ヨシ(アシ)は,イネ科ヨシ属.英語ではREED.若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺をさして鶴鳴き渡る (万葉集巻六・九一九) 山部赤人

葦の効用とヨシ原保全 昨日のブログ冒頭で, 「(葦は)日本各地の湖沼や河川の岸および水湿地に大群生」と書きましたが--- 「かつては」とすべきだったようですね. 護岸整備や、砂利採取で河底が下がり、近年ではヨシ原はとても少なくなっているとのこと.…

葦3 アシ/ヨシ  葦/蘆/葭  植物としての標準名はヨシ「アシを悪しいとて縁起を祝いヨシすなわち善しとしたもので本来の名は正しくアシ」/ 豊葦原はトヨアシハラvs葦原はヨシハラ/ 葦 万葉集 葦べ行く鴨の羽交ひに霜降りて寒き夕べは大和し思ほゆ〔万葉集 巻一・六四〕 志貴皇子

アシ・ヨシ,葦/蘆/葭 古事記には5つの場面で登場するアシ. yachikusakusaki.hatenablog.com 日本各地の湖沼や河川の岸および水湿地に大群生し, ヨシ(アシ) - 河川生態ナレッジデータベース 日本書紀にある「豊葦原瑞穂国(とよあしはらみずほのくに…

七草がゆは,江戸時代に「人日の日」の祝いとして定着したとされていますが,若菜の汁やおひたしは,古代から重要な献立でした.万葉集には,菜を摘む歌が,スミレ菜・ヨメナを含めて数多く見られます.古事記でも,后の目をぬすんで恋人を追いかけて吉備まできた仁徳天皇がうたいます.“やまがたに まけるあをなも きびひとと ともにしつめば たのしくもあるか”

1. 七草がゆの起源と副菜としての若菜/青菜 七草がゆの起源については,ネット上でも沢山の情報が得られます. どの記事も概ね同様で,七草がゆは,江戸時代に「人日(じんじつ)の日」(五節句の一つ)の祝いとして定着していったとしています. ごせっく …

天智天皇2 誰もが知る天皇ですね.小学生でも必ず教わり,しかも印象深い.明治以降の天皇を除いて,知ってる天皇名トップかもしれません.大化の改新だけではなく,近江大津京での戸籍制定(庚午年籍),近江令制定は,日本統治の礎になったとされています.和歌もかなりの高評価を受けています.当時の人にとっても,百人一首の巻頭歌は,天智天皇でなくては収まりがつかなかったのでしょう.

昨日から取り上げている天智天皇. 百人一首の巻頭に置かれている天智天皇御歌は,万葉集・巻十-2174の詠み人知らずの歌が原歌とされています. 万葉集の作者不明歌が,後世口づてに伝えられた中で細部が洗練され,理想的為政者が詠むであろう歌の内容から…

百人一首の巻頭歌「秋の田の---」が天智天皇の御歌とされた経緯は定かではありませんが,百人一首の解説書の著者の方々は,様々な推定をされています.万葉集の作者不明歌が,後世口づてに伝えられた中で細部が洗練され,理想的為政者が詠むであろう歌の内容から,天智作として広まったのかもしれません.

小倉百人一首には,万葉集に原歌がある歌が推定を含めて四首あります.いずれも出典は勅撰和歌集で,直接,万葉集から選ばれたわけではありません. 例えば, 一昨年取り上げた山部赤人の歌. yachikusakusaki.hatenablog.com 昨年取り上げた持統天皇の歌. …

ニラ 2 古事記では雑草として,でも万葉集東歌には食用の摘み草として記されたニラ.栄養豊富なことは間違いありません.スタミナ源としての作用の現代的説明には疑問の点が残りますが,古来より薬膳として食べられてきました. 茎韮(くくみら)/万葉集 伎波都久(きはつく)の岡の茎韮(くくみら),我れ摘めど,籠(こ)にも満たなふ,背(せ)なと摘まさね

ニラ 2 ニラが野菜として広く食べられるようになったのは,戦後のこと. 餃子などの中華料理が広まったことで,ニンニクに次ぐスタミナ野菜として人気となったため.とされています. 古くから親しまれてきたニラの歴史 | おいしいねっと ニラ/韮~歴史・栄…

カタクリが咲きました.「水を汲む娘子(をとめ)ら」が似合う花です.このカタクリを含め「春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、あとは地下で過ごす一連の草花」を,欧米に倣って,スプリングエフェメラル(Spring ephemerals)と呼ぶようになっています.野の花に及びませんが,わが家の庭の花たちも頑張っています.

カタクリが咲きました. 苗を購入して,2回冬を越した株です. 初めて出会った時に,何とか自分でも育てられたらと--- 購入したのは3回.前2回は翌年まで持たず,3度目の正直です. カタクリは以前このブログでも採り上げました.(写真を取り損ね添付で…

スミレ 春を告げる花.日本では万葉集にも詠まれています.ではギリシャ神話では? かなり見つかりますが,ほとんどが後世付け加えたものらしい.古代ギリシャの話としては,スミレのベットで,蛇にハチミツを食べさせてもらった「イアモスの誕生」の話が見つかりました.

三寒四温の日々ですが,もう確実に春. 春を告げる花は数多く,各人各様に思い浮かべる花は違うかもしれませんが--- スミレを挙げる方がいれば,野山の草花が大好きな方でしょう.私は単純に梅,その後の桜と言ってしまう都会育ちですが. その都会でも,山…