うらうら/うららかを用いた短歌  うらうらに照れる春日にひばりあがり心悲しもひとりし思へば 大伴家持(前半は,情景ですよね.後半で自分の気持ちが詠われるんですけど,その,コントラストが現代の感覚に通じるような気がしますね) 麗らかや此方(こなた)へ此方へかがやき来る沖のさざなみかぎり知られず 北原白秋  うらうらと照れる光にけぶりあひて咲きしづもれる山ざくら花 若山牧水  うららかに一天晴れて吹く風のとよみの音も耳にのどけし 尾山篤二郎

久しぶりによく晴れ,うららかな春の日を満喫できる一日.

青空の下,江ノ島付近の波は穏やか.弁天橋から見た富士は,春の富士.遠く霞んだ姿を見せていました.

晴れた日に,かえって物憂くなることもあるかとは思いますが---今日は,澄んだ青空を見ただけで心躍り,ウキウキした気分で片瀬東浜から,境川の川辺を歩いて江ノ電鵠沼駅あたりまで歩いてきました.

 

境川河口の桟橋につながれた舟には,休息の時を過ごす海鵜が二羽.

 

道路沿いのお宅や,公園,教会の花たち.

 

柿の木,早咲き桜,梅,カナメモチの新芽からは,元気をもらえます.

松の雌花.この写真では雄花は見えませんね.

 

片瀬教会の前を通る道の境川側の土手の桜.見事に咲き誇っていました.

 

 

うららか,うらら,うらうらを用いた短歌

(古今短歌歳時記より)

 

うらうらに照れる春日にひばりあがり心悲しもひとりし思へば  大伴家持 万葉集巻十九 4292

 

穂村弘

NHK「完全保存版 絶対覚えておきたい!究極の短歌・俳句100選」

麗らかに晴れた春の空に,雲雀が上がつていく.でも,ものを思つている私の心は,悲しい.

前半は,情景ですよね.自分が目で見た物が詠われていて,後半で自分の気持ちが詠われるんですけど,その,コントラストがすごいですよね.

でも,今の我々も,明るい物を見れば明るくなるとは限らなくて,気持ちが沈んでいる時,明るい物いを見てしまうと,より,何か暗くなるというようなこともあるので,このコントラストが現代の感覚に通じるような気がしますね.

 

 

ことといへばもてはなれたるけしきかなうららかなれや人の心の  西行 山家集 

 

うららかに蒼雲たなびく岡の辺を樹を植うる人豆の如く見ゆ  伊藤左千夫 左千夫歌集

 

麗らかや此方(こなた)へ此方へかがやき来る沖のさざなみかぎり知られず  北原白秋 雲母集

 

うらうらと照れる光にけぶりあひて咲きしづもれる山ざくら花  若山牧水 山桜の花

 

うららなる春日ねもすを 出で遊ぶこと七日にも なりやしつらむ  釈迢空 遠やまひこ

 

うららかに一天晴れて吹く風のとよみの音も耳にのどけし  尾山篤二郎 平明調

 

野に花を摘みにゆかなむ春うらら巷に虚飾の花をもとめず  宮崎智恵 花鏡