椿を詠んだ短歌1 大船フラワーセンターには,沢山の椿の品種をあつめた一角があります.椿の花は大好きなのですが,傷ついた花が多いのがやや残念.赤角倉という品種のみが,傷のない見事な赤花を咲かしていました. あしひきの八峰(やつを)の椿つらつらに見とも飽かめや植ゑてける君 大伴家持  とやかへる鷹尾山(たかのをやま)の玉椿霜をば経とも色はかはらじ 大江匡房  積藁の上に大樹の山椿丹念に落す花深紅なり 北原白秋  静かなる椿の花よ葉ごもりに咲きて久しき椿の花よ 若山牧水

昨日立ち寄った大船フラワーセンター.

ビオラや菜の花が咲き乱れ,春を感じさせてくれました.

蜜蜂も蜜集め・花粉集めに大忙し.

 

春の花でありながら,私はなぜか春をあまり感じないツバキ.

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/02/20/000841

でも花は大好きです.

 

新しく生み出された品種が展示してありました.椿の人気は未だ衰えていないことを示しています.

同じツバキ科ツバキ属の金花茶交配品種も.

 

大船フラワーセンターには,椿の品種を多数あつめたコーナーがあります.展示の仕方が悪くて目立ちませんが.

椿の花は大好きなのですが,残念なのが,花弁の縁が黒ずんでしまった花がいつみてもかなり多いこと.完璧な花はバラに匹敵すると思うのですが.

沢山の椿が咲いていたのですが,傷のない花は,今日もわずか.赤角倉(あかすみのくら)という品種のみが,傷のない見事な赤花を咲かしていました.

 

 

 

椿を詠んだ短歌1

(古今短歌歳時記より)

 

あしひきの八峰(やつを)の椿つらつらに見とも飽かめや植ゑてける君  大伴家持 万葉集 巻二十 7781

(楽しい万葉集

山の峰々に咲く椿ですから,じっくりと眺めても飽きることがありませんね.この椿を(庭に)植えたあなた様.)

 

君が代は白玉椿八千代ともなにか数へむかぎりなければ  藤原資業 後拾遺集

 

とやかへる鷹尾山(たかのをやま)の玉椿霜をば経とも色はかはらじ  大江匡房 新古今集

 

かがみ山みがきそへたる玉椿影もくもらぬ春の空かな  藤原定家 拾遺愚草

 

朝庭を光り騒がせ吹く風に乙女椿のしきりに落つる  窪田空穂 青朽葉

 

積藁の上に大樹の山椿丹念に落す花深紅なり  北原白秋 雲母集

 

静かなる椿の花よ葉ごもりに咲きて久しき椿の花よ  若山牧水 黒松

 

心 ふと ものにたゆたひ,耳こらす.椿の下の暗き水おと  釈迢空 海やまのあひだ