フォンティーナは,イタリア原産のセミハード/セミソフトタイプの牛乳チーズで,レンネットを加えて凝乳させ,チーズアイを作る細菌が熟成に関与します.
https://item.rakuten.co.jp/fiordimaso/fontina300g/
世界的によく知られ,PDOの認証を得ているイタリアヴァッレ・ダオスタ州フォンティーナ以外に,各国に生産が広がっています.
ブリタニカ,英語版ウィキペディアの記事から,概要をまとめると次のようになります.
フォンティーナ Fontina
https://www.britannica.com/topic/Fontina
https://en.wikipedia.org/wiki/Fontina
フォンティーナは,イタリア北部のヴァッレ・ダオスタ州で生まれたセミハードタイプの牛乳チーズです. 12世紀以来,イタリア北部のヴァッレ・ダオスタ州アルプスのアオスタ渓谷で製造されてきました.
イタリアの他の地域やデンマーク,スウェーデン,ケベック,フランス,アルゼンチン,アメリカ合衆国でも派生品が生産されています.
直径13~15インチ(33~38cm),厚さ3~4インチ(約8~10cm)の円盤状に作られるフォンティーナは,ベージュ色の固いナチュラルチーズの皮(rind)を持ち,時にはロウでコーティングされています.内部は淡い金色で,小さな穴(チーズアイ)がいくつか開いています.
フォンティーナの風味はマイルドですが,ナッツのような独特の風味と旨味があります.スウェーデン,デンマーク,米国産のフォンティーナは,イタリア産のものよりも風味がマイルドで,より柔らかい食感で,穴が多くなっています.
EUはヴァッレ・ダオスタ州のフォンティーナという名称を保護しています(PDO保護原産地呼称が認められている).
ヴァッレ・ダオスタ州で生産されるフォンティーナは,1回の搾乳で得られた非殺菌乳から作られなければならず,1日に2回バッチが作られます.
フォンティーナは,パンやクラッカーにのせて食卓で楽しむチーズです.また,パスタやサンドイッチに溶かしてかけたり,スープに入れたり,ピザのトッピングとして使われることも一般的です.
なお,EUは,フォンティーナの類似のチーズに,異なる名称でパッケージ化および販売することを奨励しています.「フォンティネッラ"fontinella",」,「フォンタル"fontal"」,「フォンテッラ"fontella"」などの名称の派生品があり,独自の進化を見せているものもあります.
一方,米国商標審判部は「フォンティーナ」は一般名称であると裁定しました.
このブログでいつも取り上げているTasteatlasの解説と同じくTasteatlasの「フォンティーナを使った料理 トップ5」を以下につけ加えます.
フォンティーナ
https://www.tasteatlas.com/fontina
イタリア,アオスタ渓谷
評価4.2/5
1100年代からヴァッレ・ダオスタ州で生産されているフォンティーナは,ヴァッレ・ダオスタ州原産のペッツァータ・ロッサ種の生乳から作られる伝統的な半熟チーズです.熟成期間によって,フォンティーナの食感はセミソフトからハードまで変化し,風味はマイルドで甘くナッツのような風味のものから,しっかりとしたかなり強い酸味のあるものまで様々です.
この美味しいチーズは,イタリアでは,ヴァルドスタナ風フォンデュ(Fonduta alla Valdostana)に一般的に使用されますが,ラルド・ダルナード入りのヴァルペリーネ・スープやコストレッテ・アッラ・ヴァルドスタナなど,他の伝統的なヴァッレ・ダオスタ州料理にもよく合います.また,軽やかなフルーティなワインともよく合います.
フォンティーナを使った料理
最終更新日: 2024年10月17日(木)
https://www.tasteatlas.com/best-rated-dishes-with-fontina
1. ヴァルドスタナ風クレープ (パンケーキ)
4.4/5
ヴァッレ・ダオスタ州発祥のヴァルドスタナ風クレープパンケーキは,フォンティーナチーズとベシャメルソースをたっぷりかけた,風味豊かな詰め物を包んだクレープです.
クレープの生地は,小麦粉,牛乳,卵,溶かしバター,塩,こしょうを混ぜ合わせて作ります.具には,さいの目切りまたはスライスしたフォンティーナチーズ,調理したハム(グラン・ビスコットハムなど),(場合によってはマッシュルーム)などが一般的です.
完璧な焼き加減に揚げたクレープに具を入れ,扇状に巻いたり折りたたんだりして耐熱皿にぴったりと入れ,さらにチーズ,ベシャメルソース,バターの塊を上に乗せて焼きます.この伝統料理は単品でも,またグリルした肉料理の付け合わせとしても供され,ブラン・ド・モルジュやエルバルーチェ・ディ・カルーゾなどのワインとよく合います.
2. ヴァルドスタ風フォンデュ (ディッピングソース)
Fonduta alla Valdostana DIPPING SAUCE
4.3/5
このクリーミーなフォンデュは,イタリアのヴァッレ・ダオスタ州が発祥です. フォンティーナチーズ,卵黄,牛乳,小麦粉を混ぜ合わせて作ります. 材料を混ぜ合わせ,よく混ざり合ってクリーミーで濃厚な質感になるまで加熱します.
アオスタ風フォンデュには,フォンデュに混ぜ込んだり,付け合わせとして別に添えたりする白トリュフの削り節を加えて風味を高めることもあります.この料理について書かれた最も古い文献は,1854年にイタリア人作家ジョヴァンニ・ヴィアラードが著した料理本『Trattato di cucina, pasticceria moderna, credenza e relativa confettureria』にトリュフ入りバージョンのレシピが掲載されたことに遡ります.
3.チーズ・シュペッツレ 麺料理(ドイツ)
Käsespätzle NOODLE DISH (Germany)
4.2/5
4.ポレンタ・コンチャ ポリッジ(おかゆ)
Polenta concia PORRIDGE
4.0/5
ポレンタ・コンチャ(または現地の方言でクンサ)は,伝統的に銅鍋で調理される,濃厚でクリーミーなポレンタの一種です. 材料のリストを見れば,ポレンタ・グラッサ(脂肪分の多いポレンタ)という別名が付けられている理由が分かります.この料理は,調理したポレンタとフォンティーナ・ヴァルドスタナチーズ(または同様のアルプスチーズ)を,熱々の溶かしバターをかけたものです.
他の山の料理と同様に,ポレンタ・コンチャはカロリーが低いとは言えませんが,特に,エンフェル・ダルヴィエのようなフルボディの地元産赤ワインと合わせると,寒い冬にぴったりの料理です.