蝋梅・臘梅を詠んだ短歌  冬の鎌倉妙本寺では,梅が咲き始め,ロウバイはほぼ満開になつていました.  しらじらを障子を透す冬の日や室(へや)に人なく臘梅の花 窪田空穂  臘梅の莟も花も啄(ついば)みし鵯(ひよ)は来らず日和つづくに 福田栄一  うつし手に折るとも素心蝋梅は神のいろをぞ咲くやこの花 高橋幸子  臘梅の花ほつほつと新年の窓に顕(た)たせてひそかなるかな 高嶋健一  たがはずに咲ける素心蝋梅の雪従へてうら稚(わか)き花 西村尚

昨日の散歩は.冬の鎌倉妙本寺へ.

 

寒さが続いていますが,暖冬なのでしょう.

早くも紅梅は5分咲きといったところ.

白花もチラホラ咲き始めていました.

 

そして,満開だったのがロウバイ.栽培品種のソシンロウバイ素心蝋梅ですね.

 

ロウバイは,このブログでも何回か取りあげました.

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/01/13/002330

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/12/01/233655

 

真冬に咲くため,中国では「雪中の四花(雪中四友)ロウバイ,ウメ、スイセン、ツバキで四花」の一つとしてとても尊ばれています.

 

ロウバイの語源説が二つあります.(日本語源大辞典 小学館

①蠟月(=臘月,十二月のこと)に花を開き,その香りが梅に似ているところから〈俚言集覧(増補)〉

②梅と花期・香りが似て,蜜蝋のような花色であるから〈語源辞典-植物編=吉田金彦・角川古語大辞典〉

 

漢字は,蝋梅または臘梅.中国語では後者を用いているようです(簡体 腊).

梅という名前が付いていますが,クスノキ目のロウバイロウバイ属の植物になります.

 


蝋梅・臘梅を詠んだ短歌

(古今短歌歳時記より)

 

しらじらを障子を透す冬の日や室(へや)に人なく臘梅の花  窪田空穂 青朽葉

 

色あせず花は咲けれど貴(たか)き香の盛り過ぎにき古木臘梅  窪田章一郎 素心臘梅

 

臘梅の莟も花も啄(ついば)みし鵯(ひよ)は来らず日和つづくに  福田栄一 この花に及かず

 

身を寄せて責めゐる声か吾が意志の働かぬ時匂ふ臘梅  安永蕗子 魚愁

 

うつし手に折るとも素心蝋梅は神のいろをぞ咲くやこの花  高橋幸子 花月
 
かなしみを統ぶる冬海離(さか)り来ぬ黄の臘梅の薫りていたる  川口美根子 桜しぐれ
 
梅の花ほつほつと新年の窓に顕(た)たせてひそかなるかな  高嶋健一 中游

 

たがはずに咲ける素心蝋梅の雪従へてうら稚(わか)き花  西村尚 飛聲

 

 

能登半島地震今日のニュースから

https://mainichi.jp/articles/20240114/k00/00m/040/072000c

https://mainichi.jp/articles/20240114/k00/00m/040/135000c

 

https://www.sankei.com/article/20240114-5XQKM2OY45OYXCMTSKZMYRH7OM/

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240114/k10014320311000.html