鷺を詠んだ短歌1 正月の源平池には観光客の鯉用の餌を目当てにカモメがやって来ますが,大晦日,由比ヶ浜で出会いました.サギの仲間は田んぼや河で餌探しをするものだとばかり思っていましたが,海岸でも餌探しをするとのこと.  池神の力士舞かも白鷺の桙啄(く)ひ持ちて飛び渡るらむ 長忌寸意吉麻呂  夕立の雲間の日かげ晴れそめて山のこなたを渡る白鷺 藤原定家  秋ちかき月夜の空に声ほそく五位鷺啼けばそよぐ木々の葉 四賀光子  雲ひとひら月の光をさへぎるはしら鷺よりもさや 太田水穂

能登半島地震で幕を開けた2024年の三が日が終わろうとしています.倒壊家屋の下には,まだ多数の被災者が---

 

夕方鶴岡八幡宮へ.

源平池の鴨は,いつもより少ない---夕方だったせいかもしれません.例年,昼間に来ていたときには,鴨に加えカモメも沢山来ていましたっけ.

源平池には観光客の鯉用の餌を目当てにカモメがやって来ますが,大晦日由比ヶ浜で遊ぶコサギに出会いました.

遊ぶというのは申し訳ない言い方ですね.サギの仲間は田んぼや河で餌探しをするものだとばかり思っていましたが,海岸でも餌探しをするとのこと.

 

コサギ サントリー「日本の鳥百花」

https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1520.html

首が長く,脚,くちばしも長いサギの仲間.飛行時は首をZ型に縮めています.
全身白色で,繁殖期には2本の長い飾り羽を頭に持ちます.くちばしは一年中黒色.脚は黒色で,指は黄色.海岸,河川,池沼,水田など浅い水辺で餌をさがします.
エビ,カニ,ザリガニ,貝類,水棲昆虫類など,小動物を狙います.浅瀬を走り回ったり,脚をふるわせて,泥の中の生きものを追い出したりして捕っています.
 

 

さぎ【鷺】

日本国語大辞典

①サギ科に属する鳥の総称.嘴くちばし,頸くび,脚あしが長くツルに似ているが,やや小さく,飛ぶときにはツルと違って頸を乙字形にまげる.

目の周囲は裸出し,尾羽が短い.繁殖期には頭上の羽毛が後方に長くのびて羽冠を形成.

ふつう樹上に巣を作り,水田,川沼などで魚,カエル,水生昆虫を食べる.アオサギゴイサギクロサギササゴイダイサギチュウサギコサギなど種類が多い.形態が似ているトキ科のヘラサギなどを含めていうこともある.雪客せっかく.《季・春》

古事記(712)上

「鷺さきを掃持ははきもちと為,翠鳥そにどりを御食人みけびとと為」

:「鷺(さぎ)を、ははき持ち(葬送のときに箒を持って場を清める者)として、翠鳥(そにどり)を、御饌人(死者にお供えする食物を作る者)として」https://www.kyototuu.jp/WorldWide/Kojiki6AshiharaNakanokuni.html

*枕(10C終)四一

「さぎは,いとみめも見ぐるし」

 

鷺を詠んだ短歌1

(古今短歌歳時記より)

 

池神の力士舞(りきしまひ)かも白鷺の桙(ほこ)(く)ひ持ちて飛び渡るらむ  長忌寸意吉麻呂(ながのいみきおきまろ) 万葉集 一六 三八三一

池神の力士舞(りきしまひ)のように見えますね.白鷺(しらさぎ)が小枝を口にくわえて,飛んでいきます.楽しい万葉集 https://art-tags.net/manyo/sixteen/m3831.html

 

鷺立てる五月の沢のあやめ草よそめは人のひくかぞと見る  曾禰好忠 好忠集

 

夕立の雲間の日かげ晴れそめて山のこなたを渡る白鷺  藤原定家 拾遺愚草

 

いづみ河浅瀬もしるく立つ鷺の蓑毛乱るる風のさむけさ  藤原家良 新鮮六帖

 

入り潮の干潟に来ゐる蒼鷺(みとさぎ)をあさりにいづる海人かとや見む  藤原知家 新鮮六帖

 

秋ちかき月夜の空に声ほそく五位鷺啼けばそよぐ木々の葉  四賀光子 藤の実

 

ひとひら月の光をさへぎるはしら鷺よりもさやけかりける  太田水穂 鷺・鵜