昨日に引き続き,この何日かの間に出会った,木の実を取り上げます.
鎌倉・妙法寺で出会ったサネカズラ(ビナンカズラ)は,英勝寺でも赤い実を付けていました.
庭作業のための小屋の横で,目立たない場所ですが,専用の竹垣に絡ませてなかなか風情のある趣を演出しています.
おんめ様では,コムラサキが数株植えられていましたが,
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兄弟分のホウライムラサキ,ムラサキシキブを,わが家の庭から.
コムラサキが一番バランスのとれた美しさを誇っているようにも思いますが,実の多さと紫色の鮮やかさではホウライムラサキ,実の数が少ないものの,その分,日本的な風情が感じられるのがムラサキシキブといえるのではないでしょうか.
わが家のナンテンはまだ青いままですが,道沿いのお宅には,赤くなり始めているものも.
英勝寺の竹藪の下草には,ヤブミョウガが沢山植えられていて,春には花が楽しめます.
秋になると,他の雑草が勢力を拡大して目立たなくなりますが,実の美しさもなかなかのもの.
本覚寺には,栴檀のかなり大きな木があって,秋になると実が沢山つきます.
まだ青いままですが,淡黄色に熟した果実は苦楝子(クレンシ)と呼ばれ,ひび、あかぎれ、しもやけの治療薬として用いていたとのこと.果肉をすりつぶして患部に塗ります.
英勝寺の山門の前にクロガネモチの木があって,赤い実を付けていました.
おんめ様(大巧寺)と妙本寺の小さなミカン.
多分,カラマンシー/シキキツ(四季橘)/トウキンカンと呼ばれる種類だと思います.キンカン同様,主に果皮を利用する種類.食用のミカン類の多くは交雑種ですが,カラマンシーも例に漏れず,ネット上ではキンカンをマンダリンオレンジの交雑種とする記事が多いようです.
なお,キンカンは,長らくミカンと別属とされてきましたが,現在はミカン属で,しかも交雑種であることが分かっているとのこと.
鎌倉中の柿の実が色づいてきています.そろそろ収穫しなくてはいけない時期.
カラスに食べさせるだけではもったいない.我が家のカキも,頑張って来週中には収穫します.
柿を詠んだ歌をいくつか.古今短歌歳時記(鳥居正博 教育社)から.
楢山の窪みくぼみの村落に柿の実しるく色づきにけり 島木赤彦 氷魚(ひお)
油燈(ゆとう)にて照らし出されしみ仏に紅あざやけき柿の実一つ 斎藤茂吉 連山
次郎柿枝もたわわに生いたると見つつ行くだにゆたけかりけり 半田良平 幸木
柿の木に礼をつくして柿の実を梢に三粒捥ぎ残したり 山崎方代 迦葉