昨日,一昨日と,街や社寺で見かけた秋の実を集めてみました.今日明日は,秋の花を採り上げようと思います.
今日は,初めて出会った花,二種.
一つは,お店の横に植えられていた花.調べてみると「ルリマツリ」.私が見過ごしていただけで,園芸用に広く普及している品種.同じ日に二カ所で見かけました.
優しい雰囲気の花で,誰からも好まれるかと思います.
ルリマツリ(プルンバゴ)とは-育て方図鑑|みんなの趣味の園芸NHK出版
「丈夫で育てやすい熱帯花木.初夏から晩秋まで長期間にわたって次々と開花します.寒さにも強く,東京でもよく戸外で冬越しします.庭植えにすると大きく育って見ごたえがありますが,ほかの植物を覆いつくしてしまうほど生育がおう盛です」
タデ科にとても近いイソマツ科のルリマツリ属.イソマツ科は,タデ科と共にナデシコ目に組み入れられた科とのこと.
もう一種は,クコの花.
花は初めてです.実を見たことはありました.ただし,「クコ酒」として.
漢字では「枸杞」.「杞」だけでクコの意味だそうです(角川字源).
この漢字は「杞憂」としてよく使われます.その場合は周代の国名ですね.(むかし杞の国の人が天地が崩れて落ちてきたらどうしようと心配した)
私が見かけたのは植えられていた花.野生で見ればさらに趣があるように思います.
ニッポニカによれば 枸杞とは - コトバンク
「ナス科の落葉小低木.本州,四国,九州の山野,とくに川の土手に多く生え,垣根に植えることもある」
クコがよく知られているのは,その実を乾燥した枸杞子.
枸杞子: 枸杞の木になる赤い小粒の果実を乾燥させたもの.強壮薬としてせんじて用いたり,枸杞酒をつくるのに用いる.(日本国語大辞典)
夏目漱石の名著にも登場する「クコ」|生薬ものしり事典|元気通信|養命酒製造株式会社
「不老長寿の薬」クコの実(ゴジベリー)の効果・効能と食べ方3選|楽しむ・学ぶ|養命酒製造株式会社
枸杞を詠んだ歌 古今短歌歳時記(鳥居正博 教育社)
川隈(かはくま)の泡だつ水(み)しぶ枸杞の実の赤う映れる淡きかなしび 佐佐木信綱 新月
鬼怒川の蓼(たで)かれがれのみぎはには枸杞の実赤く冬さりにけり 長塚節 長塚節歌集
暴風雨(あらし)ふき庭の垣根は倒れけりたふれし垣に枸杞の実赤し 岡麓 小笹生
枸杞の実のあけのにほえる冬の野に山より小鳥下りて鳴くも 斎藤茂吉 寒雲
枸杞の実の紅きおどろを思ひをり日のあたりゐし記憶をもちて 山口茂吉 鉄線花