一年で夜が一番短い日は,夏至.今年は6月21日金曜日ですから,あと10日を切っています.これから夜が短い日が1〜2週間は続いていくことになります.
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/nijyushisekki/
夏至は誰もが知っている特別な日であるにもかかわらず,春分・秋分・冬至に比べ,あまり気にかけられていない.
例えば,夏至にちなんだ行事は,日本では少ない.日本だけではなく,これは世界的な傾向のようです.
日本語で,夏至にまつわる記事を掲載しているサイトには,例えば次のように記されています.
https://skywardplus.jal.co.jp/plus_one/calendar/summer_solstice/
「夏至は,祝日でもなく目立った行事もないため,生活への馴染みが薄いかもしれない」
ただ,全く何も行われていないかというとそうではなく,夏至の行事として挙げられているのが:
https://futamiokitamajinja.or.jp/event/guideline_geshisai/
https://skywardplus.jal.co.jp/plus_one/calendar/summer_solstice/
「二見興玉神社のある二見浦は古くから禊浜(みそぎはま)と呼ばれ,伊勢神宮へ参拝する人々が汐水を浴び,身を清める場として知られてきた.
夏至祭では早朝3時半より祭事が行われ,2つの岩が夫婦として寄り添うように見えることから名づけられた「夫婦岩」の間から昇る朝日を「日の大神」として拝む.
夫婦岩の間から昇る朝日を拝めるのは,夏至を含む5月〜7月のみ.遠くに富士山を望む絶景のなか昇る朝日の荘厳さには感動を覚えるだろう.」
各地の夏至の風習としてあげられているのが:
▽冬瓜を食べる(静岡),タコを食べる(大阪),小麦の団子,饅頭を供える(島根県,熊本県)
それにしても少ないですね.
古今短歌歳時記では,
「日本では,夏至よりも夏至から11日目の半夏生(はんげしょう)を稲作の重要期とし,田植えは半夏生までに終わらせた」としています.
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
夏至を詠んだ短歌も少なく,全て戦後の歌が挙げられています.
夏至を詠んだ短歌
(古今短歌歳時記より)
夏至の朝早く来しかばすがすがし門のべにして君が草抜く 川田順 東帰
夏至過ぎてより暑き西日のさす窓よ街の中なるわが仕事場に 柴生田稔 麦の庭
夏至の火の暗きに麦粥を炊きをればあなあはれあな蜜のにほひす 葛原妙子 鷹の井戸
夏至すぎの日のくれがたき夕浜にもみあふ白き波を見守りつ(まもりつ) 佐藤佐太郎 形影
夏至の光に湯の冷むるよりはるばるとレスラーがはがいじめのはにかみ 塚本邦雄 緑色研究
夏至の日の日没七時十一分名古屋の空がいま昏れてゆく 吉野昌夫 ひとりふたとせ
夏至すぎて夏くるものを木洩れ日の斑(ふ)さざ波に揺られてをりぬ 遊行 上田三四二