小田原城址公園花菖蒲園に,新幹線から東海道線への乗り継ぎの合間の小一時間立ち寄ってみました.「アジサイとハナショウブが同時に楽しめます」とのテレビ報道に誘われて.花菖蒲園の横のお城の斜面に紫陽花が沢山植えられていて,同時に楽しめるように工夫されています.アジサイは,今まさに見頃の満開.花菖蒲は,花の勢いではアジサイに優っていて元気をもらえす. 濃艶に咲きて日に照る花菖蒲風ふきくれば紫に揺る 大岡博  花型の日本的なる 小粋なる 下町情緒なる 花菖蒲  片山恵美子

小田原城址公園にある花菖蒲園では,「あじさい花菖蒲まつり」が開催されていて,アジサイハナショウブが同時に楽しめます.夜間のライトアップもありますよ.

とのテレビ報道に誘われて---

近江八幡での歌会に出席の帰途,小田原で新幹線から東海道線への乗り継ぎの合間の小一時間立ち寄ってみました.

 

ほぼ同じ時期に咲く花ですが,同じ場所で両方とも楽しめるところは意外と少ないように思います.

例えば鎌倉明月院では,アジサイだけではなく,ハナショウブ園もとても立派ですが,それぞれが別々の場所に植えられています.

 

城址公園の花菖蒲園は,横のお城の斜面に紫陽花が沢山植えられていて,同時に楽しめるように工夫されています.

 

お城斜面のアジサイは,今まさに見頃の満開.

もう少ししたら,花の勢いがなくなる?

 

花菖蒲は,つぼみも残っていましたが,花の勢いではアジサイに優っていて元気をもらえました.

 

花菖蒲は昨年も取り上げました.以下,繰り返しになります.

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/06/01/235137

 

ハナショウブは,日本に野生するノハナショウブを改良した園芸種.

もともと花色の変異をもっていたノハナショウブが農家の庭先などに集められて管理され,交雑をくり返した結果さらに新しい花色が生まれるきっかになったとされています.

沢山の品種が生み出されたのは江戸時代.幕末にはすでに200あまりに達していました.育成地ごとに江戸系、熊本の肥後系、伊勢松坂の伊勢系が発達し、この3系統のほかに、米国系、長井古種、交雑系などの系統があり、現在に至っているとのこと.アメリカ,イギリスでも大人気で,新たな品種が生み出されています.

https://kotobank.jp/word/ハナショウブ-1577863

https://en.wikipedia.org/wiki/Iris_ensata

 

ハナショウブを詠った短歌

(古今短歌歳時記より)

 

(ひとり)われ打寝ころびて白菖蒲ひらかなむとする花に対(むかひぬ  窪田空穂 さざれ水

 

花菖蒲かたき蕾は粉しろしはつはつ見ゆる濃むらさきはも  木下利玄 紅玉

 

宇治川の山蔭にして菖蒲花舟に植ゑしを水に浮けたる  中村憲吉 軽雷集

 

花菖蒲あがなひかねてあやめの花ふたもと買ひてきたりける  尾山篤二郎 雪客

 

濃艶に咲きて日に照る花菖蒲風ふきくれば紫に揺る  大岡博 南麓

 

花型の日本的なる 小粋なる 下町情緒なる 花菖蒲  片山恵美子 月牙泉

 

咲き萎えて摘み捨てられし花菖蒲泥のうえにてなお濃むらさき  久々湊盈子 黒鍵