今年は,何とかカキツバタを間近で見ようと思い立ったのですが---
かきつばた(杜若・燕子花)1 yachikusakusaki's blog
遅すぎたようですね.
わが家のアヤメは今日の雨と暑さが効いたのか,一つの花も見えなくなりましたが---
大和市自然観察センターのホームページをみると,神奈川県のカキツバタはアヤメよりやや早く開花するようです.
4月30日(土)
カキツバタは4月下旬から、アヤメは4月末頃から開花が始まっています。
カキツバタは見頃を迎えています。
泉の森 アヤメ・カキツバタ開花情報 2022年【自然観察センター】 | やまとナビ-NAVI-神奈川県大和市のスポーツ・よか・みどり情報サイト
来年この自然観察センターに行ってみることにしましょう.
「菖蒲園」は,これからが見頃ですが---
例えば横須賀しょうぶ園
横須賀しょうぶ園ホームページ | 6月、約14万株のハナショウブが咲き乱れます。
:令和4年6月1日(水)~ 令和4年6月30日(木)の期間
花しょうぶまつりを開催いたいします。
多くの菖蒲園はハナショウブ専門.華麗なハナショウブが,アヤメやカキツバタを観光地から追いやってしまったように見えます.
ほぼ一色のカキツバタは地味すぎる?
たしかに,例えば,清少納言は批判的だったそうですが--(鳥居正博 古今短歌歳時記 教育社)
むらさきなるものはめでたくこそあれ.むらさきの花の中には,かきつばたぞすこしにくき(枕草子 八八段)
しかし,尾形光琳の燕子花図屏風は,カキツバタだからこそ成立しているのであって,ハナショウブではこの大役を果たせないことは明らかですよね.
総金地の六曲一双屏風に、濃淡の群青と緑青によって鮮烈に描きだされた燕子花の群生。その背後には『伊勢物語』第9段の東下り、燕子花の名所・八つ橋で詠じられた和歌がある。左右隻の対照も計算しつつ、リズミカルに配置された燕子花は、一部に型紙が反復して利用されるなど、一見、意匠性が際立つが、顔料の特性をいかした花弁のふっくらとした表現もみごとである。筆者の尾形光琳(1658?1716)は京都の高級呉服商に生まれ、俵屋宗達に私淑した。本作品は、江戸時代のみならず、日本の絵画史全体を代表する作品といって過言ではない。
かきつばた(杜若・燕子花)1 yachikusakusaki's blog
そして,その後も詠み継がれてきたカキツバタ.
おもだかや下葉にまじる杜若花ふみわけてあさる白鷺 (拾遺愚草員外) 藤原定家
これも又山とや見らむかきつばた匂へる色に春のとまれる (自薦歌) 本居宣長
明治になっても著名な歌人によって歌題として取り上げられています.
かきつばた扇つかへる手のしろき人に夕の歌書かせまし (舞姫) 与謝野晶子
かきつばた一つ残れる紫に梅雨(さみだれ)の池みなぎらんとす (自流泉) 土屋文明