パプリカ1 初めてインド人の方が作るカレーを見たときには,てっきり辛いものと思い込み,「こんなに沢山入れて大丈夫?」と思ってしまいました.インドのカレーには必須のようですが,辛くはありません.インド料理のもう一つの代表として知られるタンドリーチキンにもパプリカが使われています.トウガラシと同じ種ですが,パプリカは,赤唐辛子に含まれる辛味成分であるカプサイシンの含有量がはるかに少ないのが一般的です.パプリカはまろやかで,美しい色とほのかな甘みをもたらします.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます).

今日はパプリカ

 

スパイス(スパイス&ハーブ)6

パプリカ1

赤い色が,トウガラシを思わせます.

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https://www.mccormickscienceinstitute.com/resources/culinary-spices/herbs-spices/paprika

 

初めて見たときには,てっきり辛いものと思い込み,「こんなに沢山入れて大丈夫?」と思ってしまいました.インド人の方に,カレーの作り方を見せてもらったときです.

辛くもなく,色だけ?と思っていましたが,このパプリカのあるなしでは、カレーの味(こく)が全く違うことに気づいて以来,カレーを作るときの必需品になっています.

「Traditional Indian dish using paprika powder (パプリカを使った伝統的インド料理)」で検索すると,ほぼ全てカレーです.

Traditional Indian dish using paprika powder

あるサイトには,「a blend of key Indian spices」として,コリアンダーターメリック,クミン,チリパウダー,ガラムマサラパプリカが挙げられていました.

赤い粉二種の内,圧倒的に多い方がパプリカでしょう.

レストランが短時間でカレーを完成させるために,いつも用意してあるとのことです.

https://glebekitchen.com/indian-restaurant-spice-mix/

 

カレーと共に,インド料理の代表として知られるタンドリーチキン(インドの窯タンドールを用いないときには別の名前,例えばIndian-style Grilled Chicken等,で呼ばれています)にもパプリカが使われていますね.

インドでは,パプリカによく似たカシミールチリペッパーを用いることも多いとか.こちらもやはり辛くない赤いパウダー.

 

 

導入部のつもりのインド料理の話題ばかりになってしまいしました.他の国の料理は明日以降にお届けするとして,マコーミックのサイトから,パプリカ全般の解説を載せておきます.

 

PAPRIKA

https://www.mccormickscienceinstitute.com/resources/culinary-spices/herbs-spices/paprika

(一部https://www.mccormick.com/articles/mccormick/about-paprika から)

DeepL翻訳抜粋

パプリカは,トウガラシ科の辛味の少ない品種の熟した果実のさやを乾燥させ,粉砕したものから作られます.マイルドな風味で,鮮やかな赤色が珍重されています.red pepper赤唐辛子と近縁で,同じくCapsicum annum種に由来します.Capsicumという名前は,ラテン語/ギリシャ語の「“capsule”カプセル」に由来しており,果実の形を指しています.

パプリカは,ヒンディー語ではdeshi mirch,フランス語ではpiment annuel/piment doux,アラビア語ではfulful halou,スペイン語英語ではpaprika,イタリア語ではpeperoneと呼ばれます.

 

植物学

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パプリカは緑色から始まり,成熟して赤く熟す.パプリカはその赤い色が珍重されるため,収穫前に完熟させます.収穫後,種を取り除き,果実のさやを乾燥させて粉砕します.

 

パプリカは植物学的にはナス科の一員のCapsicum annuumで,トウガラシと同じです.

おもな産地は,ハンガリー,スペイン,南米,地中海沿岸,インド,カリフォルニア

 

歴史と伝承

スペインの探検家たちが赤唐辛子の種をヨーロッパに持ち帰ったところ,次第に辛味がなくなり,"甘い "パプリカとなりました.

 パプリカはハンガリーの国民的スパイスとされており,1569年にトルコ人によって持ち込まれました. ハンガリーのパプリカは,色や辛味の異なる8種類の品種があります. 1937年,ハンガリーの化学者アルベルト・ゼント=ギョルギーは,パプリカのビタミン含有量の研究でノーベル賞を受賞しています.パプリカのビタミンC含有量は,柑橘類よりも多い.

 

エピキュリアンファクト(食通のための事実)

外観

最も一般的なパプリカは細かく砕かれ,鮮やかなオレンジがかった赤色をしています. ハンガリーなど地方によって,茶色,赤色,オレンジ色など様々な色があります.パプリカの鮮やかな色は「カロテノイド」と呼ばれる化合物に由来します.

 

味の特徴

渋み,苦味,グリーン,アーシー,干し草,カビっぽい,ロースト,甘い,タバコ,植物性,

辛さ(いくつかの品種),スモーキー(いくつかの品種)

 

テイスティング・ノート

パプリカは,赤唐辛子に含まれる辛味成分であるカプサイシンの含有量がはるかに少ないのが一般的です.

パプリカは,その味と色で評価されています. パプリカはまろやかで,美しい色とほのかな甘みをもたらします.

パプリカに含まれる "メトキシピラジン "と呼ばれる化合物が,その植物的な風味の原因です. パプリカの甘みは,最大6%の糖分に由来します.パプリカの風味は種類によって大きく異なります.マイルドで甘いものから激辛のものまで様々です.米国産のパプリカは,マイルドで甘く,野菜のような風味が特徴です.

スペイン産パプリカの中には,燻製によって乾燥させるため,スモーキーな風味を持つものもあります.スモークパプリカは,ピメント,スパニッシュパプリカ,スイートパプリカとも呼ばれ,赤唐辛子を直火で燻製にしたもので,独特のスモーキーフレーバーが特徴です.

ハンガリー産などには,辛味の強いものもあります.

 

料理への利用

パプリカは,アラビアの調味料バハラートを含むいくつかのスパイス・ブレンドに含まれています. パプリカは,ハンガリー国民食であるグヤーシュ(Goulash)や,人気料理のチキン・パプリカシュ(Chicken paprikash)で主役を演じています. また,チョリソなどスペインのソーセージの多くにもパプリカが使われている.

 

料理のコツ

パプリカは,美しい色とほのかな甘みをもたらす,まろやかな食材です.パプリカを使えば,どんな料理にも風味と鮮やかな赤色が加わります.ポテトサラダやデビルドエッグなど,淡い色の料理との相性も抜群です.パプリカはマイルドな風味なので,多めに使っても大丈夫. パプリカをスパイス・ラブのベースとして使う:パプリカ,タイムの葉,ブラックペッパー,塩の組み合わせは,ポークチョップによく合います. 熱を加えると色も風味も落ちるので,最高の結果を得るには,パプリカを調理の終盤に加えること.

熱した油でスパイスを炒めることから始めるレシピもあります.パプリカには大量の糖分が含まれているため,すぐに焦げてしまいます.パプリカは弱火で短時間で炒めるように注意しよう.