スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます).
スパイス(スパイス&ハーブ)18
https://www.newworldencyclopedia.org/entry/Mustard
有史以前から使用されていたとされるマスタード.塩,コショウに次いで三番目に重要なスパイスとも呼ばれています.
日本でも古くから利用されていたと考えられていて,実際,正倉院文書(748)や,延喜式(905)に「からし」の記述があります.日本国語大辞典 https://www.sbfoods.co.jp/recipe/pickup/detail/046.html
現代の商品としてのマスタード/からしは,アブラナ科の植物の種子の油脂成分を除いて粉末にした粉末タイプや,水と食用油を加えてチューブ状にした物,さらにビネガーや他のスパイスを混ぜて作られたもの等が販売されています.
商業用のマスタードシードを生産する植物は三種あり,その内一つBrassica junceaからは,二種のマスタードシードが採られます.
(辛みの主成分は,細胞が壊れた時に酵素反応でできるイソシアネート.
https://www.newworldencyclopedia.org/entry/Mustard
https://spreadthemustard.com/about-mustard/types-of-mustard/
https://www.olivewoodtrade.com/Oriental-Mustard-Seed_p_59.htm
https://spicesinc.com/exotic-spices/black-mustard-seed
ブラッシカ・ニグラ(Brassica nigra クロガラシ)からは,ブラックマスタードがとられます.
莢が脱落しやすく,収穫に多くの人手を要するため、とても入手困難な品種です.最も辛みが強く,インド料理で人気があり,より甘くナッツのような風味を出すために油で揚げるのが一般的.
ブラッシカ・ジュンセア(Brassica juncea カラシナ/セイヨウカラシナ)は,ヒマラヤ山麓が原産地で,イギリス,カナダ,アメリカで商業栽培されています.
ブラウンマスタードとオリエンタルマスタード(インディアンマスタード,チャイニーズマスタード,和がらし)という二つの品種のマスタードシードが,この同じ植物から収穫されます.
ミズナ,タカナ,ザーサイ,ワサビナも植物種としては同じBrassica juncea.
⇨ブラウン・マスタード・シード
ブラウン・マスタード(Brassica juncea)は種皮が黒褐色で,ディジョン・スタイルのマスタードに最も広く使われています.よりスパイシーな風味が特徴で,イエローマスタードシードと組み合わせてイングリッシュ・スタイルのマスタードにも使われます.
⇨オリエンタル・マスタード・シード
オリエンタル・マスタードは,Brassica junceaの黄金色の種皮を持つマスタードです.辛味が強く,アジアでは日本料理の調味料のほか,アフリカ,パキスタン,バングラデシュ,イタリア,インド,中国,韓国,アフリカ系アメリカ人(ソウルフード)の料理に何らかの形で登場します.中華料理店のマスタードや,イングリッシュ・ホットマスタード,ディジョンマスタードやジャーマンマスタードにも含まれています.
シナピス・ヒルタ(Sinapis hirta シロガラシ)は,北アフリカ,中東,地中海沿岸のヨーロッパに自生し,長い栽培によってさらにひろがりました.
この植物種からは,イエローマスタード(ホワイトマスタード)が採られます.
マイルドな味で、アメリカでは野球場スタイルのイエローマスタードの原料として知られています.
https://spicesinc.com/exotic-spices/black-mustard-seed
https://www.olivewoodtrade.com/Seeds-Berries_c_30-2.html
マスタードというと,ホットドッグに使うイエローマスタードを思い浮かべてしまい,あまり多くの料理に用いる気にはなれません.
マスタードには,より高級とされるディジョンマスタードがよく知られています.購入するととても高価です.
https://www.sbfoods.co.jp/products/category/brand/?category=00100&brandgroup=00500&brand=00500
しかし,マスタードシードから自分で作ることもできるようです.一度トライしてみたいものです.
https://www.google.com/search?ディジョンマスタードの作り方
https://www.thespruceeats.com/dijon-style-mustard-recipe-996034
https://www.allrecipes.com/article/what-is-dijon-mustard/
(DeepL翻訳)
ディジョン・マスタードはより洗練されたマスタードであると多くの人が考えています。
コリー・ウィリアムズ著 2023年2月8日発行
ディジョン・マスタードは、普通のマスタードの "高級版 "として多くの消費者の間で評判になっています。そして、ある程度はその通りです。もちろん、この微妙な調味料について知っておくべきことはもう少しあります。
ディジョンマスタードは、フランスのブルゴーニュ地方にあるディジョンという町で生まれたマスタードの一種であるす。白ワインから独特の風味を得ています。
ディジョンマスタードが調味料として使われ始めたのは1336年(フィリップ6世による)と古いものですが、広く普及したのは19世紀になってからです。マスタードはもともとビネガーで作られていましたが、ディジョン在住のジャン・ナイジョンが1856年、ビネガーの代わりにヴェルジュース(未熟なブドウの果汁)を使ってつくりました。
かつては、フランス製でないディジョンマスタードは、ディジョンマスタードではなくディジョン風マスタードと呼ばれていました。しかし最近では、マスタードの命名規則をめぐるルールはより緩やかになっています。
イエロー・マスタードとディジョン・マスタードには、特筆すべき違いがいくつかあります.
色:ディジョンマスタードとイエローマスタードの最も直接的な違いは色です。イエロー・マスタードは一般的に明るい黄色をしています。一方、ディジョンマスタードは、茶色を帯びた、あまり鮮やかでない黄色の色合いです。
風味と原材料: イエロー・マスタードは、粉末のイエロー・マスタード・シード、スパイス・ブレンド、ビネガー(または水)で作られており、フランス産のものと比べるとマイルドな味わいです。ディジョンは確かに独特のマスタード風味があり、イエローマスタードよりも強烈でシャープ、複雑な味わいです。ブラウンマスタードやブラックマスタードと白ワインで作られます。
一般的にディジョンマスタードとイエローマスタードは同じように使うことができますが、マスタードの消費者の多くは、用途によってどちらかを好みます。サラダ・ドレッシングやベイクド・チキンなど、ディジョンマスタードを使うレシピの場合、イエローマスタードではダイナミックな風味が得られず、ヴィネグレットソースでは乳化がうまくいかないことがあります。
ディジョンマスタードは、サンドイッチにマスタードを塗るのがあまり好きでなくても、常備しておくと風味がアップします。ディジョンを使った、私たちのお気に入りの料理をいくつかご紹介しましょう:
サーモンのディジョン焼き Baked Dijon Salmon
ディジョンソース Dijon Pan Sauce
鶏もも肉のディジョン焼き Dijon Chicken Thighs
プーレ・ア・ラ・ムタルド Poulet a la Moutarde
オヒョウのディジョン包み焼き Dijon Crusted Halibut
ディジョン風タラゴンクリームチキン Dijon-Tarragon Cream Chicken
マスタードヴィネグレット Mustard Vinaigrette