食・作物 / 栄養・料理 / 食文化

サルビア属(アキギリ属)1 料理に使われるセージ・チア/危険なサルビア(シソ目第十七回/シソ科第十二回) サルビア属には,セージ・ローズマリー以外にも食用になる植物種があります.スパニッシュセージ,グリークセージは,セージの代わりに用いられたり,精油用に栽培されたりしています.先コロンブス期に広く利用されていたチアは,近年,代替作物や健康食品として注目されています.サルビア・ディヴィノルムには強力な精神作用あり,「合法的な」幻覚剤として使用する人が増え,日本,欧米で薬物規制の対象となっています.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十七回/シソ科第十二回 サルビア属(アキギリ属)1 料理に使われるセージ・チア/危険なサルビア 昨日取り上げたSalvia officinalis(common sage,一般的にセージと呼ばれる)は,料理…

セージ(シソ目第十六回/シソ科第十一回) Salvia officinalisは,欧米の料理に欠かせないハーブ. 花壇用とされるサルビア(イタリア語/ラテン語)の仲間です.サルビアの英語がセージ.特定するためにはcommon sageと呼びます.欧米の,特にギリシャ料理,イタリア料理には欠かせないハーブで,ソーセージ,鶏肉,魚の味付けに使われます.仔牛サルティンボッカやパスタ,ニョッキには,葉丸ごとカリカリにして用います.セージはローズマリーに似た,力強く支配的な風味を持ちます.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十六回/シソ科第十一回. セージ(Salvia officinalis, the common sage) https://en.wikipedia.org/wiki/Salvia_officinalis 茎葉はビロード状の白色軟毛に覆われています. 花もとても…

ローズマリー(シソ目第十五回/シソ科第十回) フランス料理地中海料理を中心に多様な使い方があります.ブーゲガルニ,エルドプロヴァンスのハーブとして.子羊や野菜のロースト/様々な地中海料理のブレンドシーズニングとして.パンにトッピング---- 名前はラテン語のros(「露」)とmarinus(「海に属する」)に由来します.以前のRosmarinus(属)は最近Salvia(属)に統合されました.マコーミックの解説文がとてもまとまっていたので,DeepL 翻訳して転載します.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十五回/シソ科第十回. ローズマリー Google ローズマリー 花 日本人にもよく知られるようになったローズマリー. 植物として育てたことはありますが,ハーブとしての使い方が私はまだよ…

オレガノ(シソ目第十四回/シソ科第九回) ピザやトマト料理でおなじみ.料理にパンチを加え,強くシャープな風味は,淡白な風味と強いコントラストをなし,力強く風味を増すためによく使われます.地中海沿岸の丘陵地帯と西アジアが原産で,語源は、ギリシャ語oreiganon(山の輝き/喜び).「古代ローマ人がオレガノを愛用したことで、オレガノはヨーロッパ全土と北アフリカに広まった」といわれています.精油の主成分はチモールとカルバクロール.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十四回/シソ科第九回. オレガノ ハナハッカ Origanum vulgare https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_image_slideshow&target_plant_code=537&num=2 料理への利用 ハーブ類の使い方…

タイム(シソ目第十三回/シソ科第八回) タイムはS&Bの宣伝では「タイムは肉料理・魚料理に」ですが,英語で検索では「あらゆる種類の肉,鶏肉,シチュー,スープ,卵,パスタ,野菜,豆類によく合う」ハーブ.「スペイン料理,フランス料理,イタリア料理,トルコ料理,ペルシャ料理,およびそれらから派生した料理の基本的な材料」とも.タイムの香り成分チモールは,うがい薬,洗浄剤、歯みがきに使われています.日本にもタイム属の植物が1種:高山植物イブキジャコウソウです.再録「ローランさんのラタトゥイユ」

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十三回/シソ科第八回. タイム タチジャコウソウ Thymus vulgaris https://en.wikipedia.org/wiki/Thyme https://ja.wikipedia.org/wiki/タイム 日本の食品売り場に,多種類のスパイス&…

シソ(シソ目第十二回/シソ科第七回) 日本の香味野菜の代表青じそ.梅干しにはなくてはならない赤じそ.シソは,日本の他,韓国,中国,ベトナム,ラオスなどでも食べられているとのことですが世界で最もシソを消費している国は日本ではないでしょうか.Shisoは英語になっています.栽培は奈良時代からとされていますが,縄文の遺跡からもみつかっているとのこと.ただし,出土した種子がエゴマではなくシソであるとの確証がどこまで得られているかは不明.植物としては,シソはエゴマの変種とされています.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十二回/シソ科第七回. シソ 紫蘇 Perilla frutescens var. crispa 青じそは日本の香味野菜の代表といってよいでしょう. そして,梅干しにはなくてはならない赤じそ. https://ja.wikipe…

バジル(シソ目第十回/シソ科第五回) イタリア料理に欠かせないバジルですが,インドをはじめとするアジアの熱帯地域が原産.日本へは江戸時代には渡来し,「めぼうき」と呼ばれていたとのこと.Ocimum basilicumとその栽培種が英語の一般名でBasilと呼ばれます.栽培種としてはジェノベーゼバジル等.地中海料理には様々な栽培種が使われているようですが,タイバジルは東南アジアで人気.香り成分はオイゲノール(クローブの香り)等.現代イタリアでは愛の象徴ですが,そのほか多岐にわたる文化的側面をもちます.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十回/シソ科第五回. バジル 欧米のハーブ類の中で,日本で最もポピュラーなハーブかと思います. 日本人に大人気のイタリア料理には欠かせません. 和名がメボウキ(目箒).種子はかす…

ゴマ(シソ目の植物5) 日本人にもとてもなじみ深い胡麻.しかし,国内生産はわずかで,ほとんどが輸入されています.生産国のトップスリーはスーダン,ミャンマー,タンザニア.ゴマの色の違いは品種の違いによるものですが,世界的にも日本でも白胡麻が最多.ゴマ油の香りは何者にも代えがたいものがありますが,この香りのあるゴマ油は,焙煎したゴマの油から得られるもの.つい最近まで知りませんでした.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ. 今日は第五回. ゴマ シソ目ゴマ科ゴマ属 ゴマ Sesamum indicum https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴマ https://www.flavour-net.jp/supplier/koyamada/ゴマの実ができるまで/index.htm 日本人に…

アマ 亜麻(キントラノオ目の植物7):茎の繊維からはリネンが,種からは亜麻仁油が作られる有用植物.繊維はインドやエジプトでは5000年以上昔から衣服として利用され,ヨーロッパでは木綿が普及するまでの主要な衣料作物でした.種子からの亜麻仁油はペンキ・油絵の具に使用される代表的な乾性油.食品用亜麻仁油は,溶媒抽出を行わず,酸素のない状態で低温圧搾されて作られます.n-3脂肪酸が豊富な植物油で,栄養補助食品として使用されます.未加工のものはナッツのような風味をもちます.

キントラノオ目の植物を取り上げ,簡単な解説を探して掲載しています. 今日は アマ(亜麻) Linum usitatissimum キントラノオ目 Malpighiales,アマ科 Linaceae,アマ属 Linumの栽培種. 英語ではflax. 英語で他のアマ属植物と区別する場合にはCommon fla…

トウゴマ(ヒマ)とキャッサバ (トウダイグサ科の植物2/キントラノオ目の植物6): 共に有用作物として,世界で栽培されています.トウゴマ種子からはヒマシ油が得られ,主に工業用に利用されています.キャッサバは熱帯地方で重要な炭水化物源.生産量は世界で3億300万トン.トウゴマとキャッサバには,強い毒性成分が存在することが知られています.トウゴマの毒性成分リシンは非常に強い毒性を持ちます.キャッサバの毒性成分はシアン化合物ですが,適切な加工・調理法の実施で食用キャッサバでは安全レベルとできます.

キントラノオ目の植物を取り上げ,簡単な解説を探して掲載しています. ビヨウヤナギ・キンシバイ・セイヨウオトギリ https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/06/16/235559 コカノキ・マンゴスチン・アセロラ https://yachikusakusaki.hatenablo…

トケイソウ/パッションフルーツ(キントラノオ目の植物3) 時計の形をしているとして,名付けられました. passionflowerはトケイソウ属植物を指す言葉で,"passion" はキリストの受難を意味しています.花がキリストの受難を象徴する形となっていると捉えたためです.トケイソウ属の実はpassion flutesとして知られ,大きく4種類に分けられていますが,日本では,トケイソウ属の1種Passiflora edulisをクダモノトケイソウと呼び,その実をパッションフルーツとしています.

キントラノオ目の植物を取り上げ,簡単な解説を探して掲載しています. ビヨウヤナギ・キンシバイ・セイヨウオトギリ https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/06/16/235559 コカノキ・マンゴスチン・アセロラ https://yachikusakusaki.hatenablo…

コカノキ,マンゴスチン,アセロラ(キントラノオ目の植物2) キントラノオ? ほとんど聞いたことがない植物ですが,キントラノオ科に因んで目の和名として採用されています. 名前は知っている植物が並んでいますが---- 共通する形態がほとんど見えないような目になっています.名前は知っていても見たことのない,性質も知らない植物も多い. ということで,このキントラノオ目に属する植物をいくつか取り上げ,簡単な解説を探して掲載していくことにしました.

昨日取り上げたビヨウヤナギやキンシバイは, キントラノオ目 Malpighiales,オトギリソウ科. キントラノオ? ほとんど聞いたことがない植物名ですが,この目に属するキントラノオ科に因んで目の和名として採用されています. 目の学名Malpighialesは,キン…

キツネノボタンとヤブジラミ(梅雨空の下で出会った野に咲く花2) かわいらしい花キツネノボタン.それもそのはず,キンポウゲ属=ラナンキュラスに属します.同属のウマノアシガタの八重咲き種がキンポウゲ.同属で「ラナンキュラス」の名で流通している園芸種は多くがRanunculus asiaticusから育種されました. ヤブジラミの名前は実がひっつき虫であるため.同じ連(Tribe)には,ニンジン,クミンが属します.ひっつき虫かどうかはよく分かりませんが,ニンジンの果実には棘があることはよく知られています.

今日は雨降りの1日かと思っていたら,日中は曇り空ながら,雨は降らず.少しの時間ですが,鎌倉英勝寺まで出かけました. 英勝寺の竹林は,いつ来ても落ち着いた気分にしてくれます.晴れた日はもちろん,梅雨空も似合います. 小径にキジバトを発見. よく…

レンズ豆2 レンズ豆は世界では7番目に生産されていて,そら豆を上回ります.やや意外に思いますが,世界で最も生産しているのはカナダ.1970年代に,新たに育種したレンズ豆が栽培されるようになって急激に生産を伸ばしました.世界のレシピを参考に,日本でももっと食べられていい豆です.DeepL翻訳の助けを借りれば世界のレシピを利用できます.カレー風味のレンズ豆の野菜シチュー,レンズ豆のナゲット,レンズ豆&コッテチーノ,ムジャダラ,レンズ豆カレー ----

メソポタミアを起源として古くから食べられていたレンズ豆ですが,日本人にはあまりなじみのない豆,レンズ豆(ヒラマメ). https://en.wikipedia.org/wiki/Lentil https://www.mame.or.jp/syurui/feature/syurui_14.html 日本では生産されず,輸入量も多く…

レンズ豆1  日本ではあまり見かけませんが,世界では古くから食べられていて,英語のLensは,「二重凸の形状の類推でラテン語のlens「レンズ豆」に由来」します.スープを作ったことがありますが,簡単で火もすぐ通りとても美味しかった思い出があります.「紀元前から栄養価の高い食品として食べられていた」豆ですが,他の豆と比較して特に栄養価が高いというわけではないと言って良いでしょう(豆類全般が栄養価が高い).しいて言えば豆類の中で鉄・亜鉛が多い豆です.

私は知らなかったのですが-- 英語のLensは,豆の形に由来しています. https://www.etymonline.com/word/lens Lens(n.) レンズ1690年代、「光線を調節するglass」、二重凸の形状の類推でラテン語のlens(属格lentis)「レンズ豆」に由来する。 https://jp.…

鯉・緋鯉を詠んだ短歌  鎌倉滑川には鯉が生息し,市民に愛されています.鯉は日本人の身近な存在であり続け,縁起の良い魚として親しまれてきました. 宇治川の早瀬落ち舞ふ猟舟のかづきにちがふ鯉のむらまけ 西行  みなぞこにけぶる黒髪ぬしや誰れ緋鯉のせなに梅の花ちる 与謝野晶子  鯉こくにあらひにあきて焼かせたる鯉の味噌焼きうまかりにけり 若山牧水  佐久鯉の骨しゃぶりつつ思い出(い)ず鯉飼いて鯉を食べざりし父 道浦母都子  五月から五月への闇あまたなる真鯉緋鯉がたたまれて越ゆ 今野須美

先日,浄妙寺へ出かけた際,滑川で沢山の鯉を見かけました. 滑川は,鎌倉の中央部の川で,八幡宮をすぎてしばらくすると,金沢八景に抜ける県道202に沿って流れます. 光の加減かもしれませんが,やや赤みがかったもの. 付近の方々が散歩の途中に餌をやっ…

梅の実・青梅・梅干を詠んだ短歌 わが家の梅の木は老木ですが,まだ,毎年,かなり大きな実をつけます.今日第一回のシロップ作りを実施. 谷汲(たにぐみ)はしづかなる寺くれなゐの梅干ほしぬ日のくるるまで 斎藤茂吉  拾ひつるうす赤らみし梅の実に木の間ゆきつつ歯をあてにけり 若山牧水  若葉せる林の中は明かけれや青き梅の実の静かなる光(てり) 長谷川銀作  おのづから苔生(こけふ)に落ちし梅の実のつぶさに観れば苔よりも青し 吉野秀雄

梅の収穫の季節. わが家の梅の実は,すでに色づいてきています. かなりの老木で,幹が裂けてきていて,そろそろ寿命かと思いますが,まだ,毎年,かなり大きな実をつけてくれます. 品種は不明.豊後? 以前は,梅酒を作っていたのですが,収穫がおっくう…

そら豆2 そら豆は,最も古い栽培植物の一つで,現在も多くの国の庶民の食卓を賑わしています.英語版ウィキペディアに食べ方が掲載されている国は21ヵ国あります.アルジェリア,中国,コロンビア,エクアドル,エジプト,エチオピア,イギリス,フィンランド,ギリシャ,インド,イラン,イラク,イタリア,日本,ルクセンブルグ,マルタ,メキシコ,モロッコ,ネパール,オランダ,ペルー.一部DeepL翻訳で紹介し,画像も探してみました.

世界のそら豆生産とそら豆料理 世界に目を向けると,そら豆(Vicia faba)の生産量は,豆類の中で7番目になります. そら豆は,大豆や落花生のように搾油に用いられることはありません.一部は飼料とされている品種もあるようですが,ほとんどが食品として…

そら豆1  ソラマメが美味しい季節.莢のまま焼いて食べるのがお薦めです.鹿児島・千葉・茨城が収穫量ベストスリーで,それぞれ栽培品種に工夫があるようです.野菜としてのそら豆は.「未熟豆」を食べる点で,枝豆,莢豌豆などと同じ.ビタミン,ミネラルが豊富で,もちろんタンパク質・デンプンもバランス良く含む栄養食品で,枝豆に匹敵すると言って良いでしょう.

ソラマメが美味しい季節になりました. https://www.tsukiji.or.jp/sengyo/2021/04/p7945/ 築地場外市場のサイトの宣伝文句は次の通り: 空に向かって育つことからその名がついたソラマメ. 新鮮なうちに,さかから取り出して少量の塩と酒で茹でましょう.茹…

落花生2 落花生はアンデスの東が起源とされ,この栽培種が野生種間の雑種から生まれたことが明らかになりました.落花生は,世界で二番目に多く生産されている豆で,最も多く生産している国は中国,次いでインドです.落花生の用途で最も多いのは落花生油原料としてですが,その生産が最も多いのも中国,次いでインドになります.中華料理のレシピを調べてみると,宮保鶏丁が最上位に検索されてきます.本場のレシピは材料を揃えるのが大変そうですが,とても美味しそう.鶏肉を炒める油として落花生油が使われています.

落花生の栽培種の起源 現在世界食用にされている落花生は,Arachis hypogaeaという種. https://en.wikipedia.org/wiki/Peanut 落花生は南アメリカ、ボリビア南部のアンデスの東の山麓地域が起源とされていますが,最近,この栽培種Arachis hypogaeaは,A. d…

落花生1 最近はピーナッツと呼ばれることが多い落花生.花の根元からつる(子房柄)が下方へ伸び、地中にサヤを作ることに由来する漢名です.オーキシンの分布が下向きに伸びる指令を与えているとか.国内生産量の10倍が輸入されていますが,世界の消費と異なり落花生油はあまり使われていません.栄養成分としては,他の豆類より脂質が飛び抜けて多く,ビタミンE,ナイアシンを多量に含むのが特徴と言え,全体としては豆類よりアーモンドに近い栄養成分をもちます.

4月に小豆を取り上げてから,インゲン,エンドウ,ダイズを話題としてきました. 今日・明日は落花生を取り上げます. 落花生1 最近はあまり聞きませんが,南京豆とも呼ばれます. 日本には、はじめ,中国から入った (17世紀 https://kotobank.jp/word/ラ…

桑の実を詠んだ短歌 線路脇の土手に桑の実がなっています.マグワ(カラヤマグワ)?ヤマグワ?種類を見分けられませんが,通るときは,手の届くところの黒くなった実を一粒二粒口に入れています. たらちねの母の辺(べ)にゐてくろぐろと熟める桑の実を食ひにけるかな 斎藤茂吉  桑の実を食みし記憶に重なりきてをさなく恋ひしひとのおもかげ 木俣修  生あたたかき桑の実はむと桑畑に幼き頃はよく遊びけり 佐藤佐太郎

近くの横須賀線の線路脇の小径に,沢山の植物が,雑多に生い茂っています. ほとんどが,いわゆる雑草に当たるものですが,どなたかが植えたと思われる植物,どこかのお宅の庭から逃げ出してきたと思われる植物もあって,季節ごとの花や実を見ながら通るのを…

大豆3 醤油の歴史  醤油は,日本において,万能の調味料としての地位を占め,醤油なしでは日本料理は成立しないと言われています.醤油は,味噌とともに穀醤(豆醤)から変化発展したものです.日本で,醤油の原形である「醤」の名前が登場するのは大宝律令で,「醤油」の名前は室町時代に登場します.そして,醤油を製造する企業が成立し,日常の料理に醤油を使用することが,商品経済に依存して生活している都市民から始まり,200年以上の歳月をかけて,日本の料理の味は味噌味から醤油味へと変化していきました.

日本人の食生活には,なくてはならない食品,大豆 昨日の味噌に続いて,今日は醤油の歴史を取り上げます. 大豆から作られた醤油は,日本において,万能の調味料としての地位を占め,醤油なしでは日本料理は成立しないと言われています. 醤油の出荷量は近年…

大豆2:豆腐と味噌の歴史  豆腐:「乳腐」にヒントを得て,中国で発明され,精進料理の発展に寄与.日本で初めて豆腐が記載されたのは1183年,その後,中世,最も豆腐が食べられたのは禅宗寺院でした.江戸の中頃には都市部には多数の豆腐店が出現し,一般的な食べ物になりました. 味噌:大豆発酵食品の原型が生まれたのは,漢代中国.日本の大宝律令に「未醬(みそ)」=味噌の記述があり,中世において,副食(「なめ味噌」として),または,調味料(味噌煮等に)として用いられていました.味噌汁の普及は戦国以降.

日本人の食生活には,なくてはならない食品,大豆. しかし,「国内自給率は3~4%程度で、大半は輸入されています」(日本豆類協会)とのこと. ただし,「国産大豆はほぼ全量が食品用に仕向られているため、製油用を除いた食用自給率は2割強となってい…

大豆1 大豆は五穀の一つに数えられてきました.その文献的根拠とされる古事記,日本書紀は,当時から大豆が栽培されていたことを示していますが,大豆が本格的に栽培されるようになったのは鎌倉時代とのこと.以降,日本ではタンパク質供給で大きな役割を果たしてきました.同時に,大豆は重要な油糧作物(油の採取を目的として栽培される作物)であり,食品としてはカルシウム,鉄,食物繊維などの供給にも重要な役割を担っています.

日本人にとって,最も身近な豆,大豆. https://www.mame.or.jp/syurui/feature/syurui_15.html 今日から何回かに分けて,大豆を話題として取り上げます. アズキ(小豆),インゲン(隠元),エンドウ(豌豆)に続く豆シリーズの一環としての話題です. 大…

えんどう(豌豆)3 イタリアとフランスのエンドウ豆料理. イタリア,フランスのエンドウ豆料理を調べてみると,ほとんどが,生のグリーンピースの料理でした.ヨーロッパ全体に生のエンドウ豆が広まったのは17世紀,フランスに急速に広まった以降とのこと. 'Italian & peas & recipe'で検索するとほとんどが,Itarian Peaという料理でした.'French & peas & recipe'で検索すると見た目はイタリアと似ていましたが,バターを使うなど味は異なると思われる料理がみつかります.

昨日は,イギリスのエンドウ豆料理の一部を紹介しました.今日は: イタリアとフランスのエンドウ豆料理. 現在のイタリア,フランスのエンドウ豆料理を調べてみると,ほとんどが,生のグリーンピース(冷凍を含め)の料理でした. エンドウはヨーロッパで最…

えんどう(豌豆)2  「豌豆」と「pea」& エンドウ豆のレシピ/イギリス編 「豌豆」は中国語.「豌」は「えんどうまめ」. Peaの第一義は植物としてのエンドウで,二番目がその豆. エンドウは地中海沿岸〜中近東が原産地とされ,新石器時代の遺跡からみつかっています. マザーグースの歌にあるエンドウ豆がゆ(Pease porridge)は,伝統的なイギリス料理.’british & pea & recipe’ で検索すると,得られる画像のほぼ全てがPease Porridgeに似たMushy peasとな

昨日から引き続きエンドウマメの話題. 今日は,エンドウマメの呼称,簡単な歴史とイギリスのレシピを取り上げます. えんどう(豌豆)2 ▽「豌豆」と「pea」 「えんどう」という日本の呼び名の由来は,ほとんど分かっていないようです.候補としては”葛の異…

えんどう(豌豆)1  乾燥したエンドウ豆をあまりありませんが,サヤエンドウや冷凍グリーンピースはいつでも手に入ります.生産量第1位は,サヤエンドウが鹿児島,グリーンピースが和歌山.乾燥豆の栄養成分は,アズキやインゲンと大きな違いはありません.サヤエンドウ,グリーンピースは,栄養という点ではトップクラスの野菜.枝豆には及びませんがタンパク質が豊富.ミネラルはホウレンソウと比べても,遜色ないと言ってよいでしょう.そして,注目されるべきは食物繊維.グリーンピースはゴボウ,枝豆を上回っています.

先日来,話題としてきた豆.アズキとインゲンを取り上げました. アズキ(小豆) https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/04/18/235722 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/04/19/115500 インゲンマメ(隠元豆) https://yachik…

インゲンマメ3 インゲンマメは,「メソアメリカ」で栽培化され,「コロンブス交換」でヨーロッパに渡りました.インド・中国へも広がって,世界を代表する豆となりました.日本へは,17世紀隠元禅師がもたらしたと言われていますが,実際に栽培が広がったのは明治以降.ヨーロッパ,インドなどでは,例えばカスレ(フランス),パスタ・エ・ファジョーリ(イタリア),インゲンマメのカレー(Punjabi Rajma インド)として,最も食べられている豆となっています.

インゲンマメ(common bean,Phaseolus vulgaris)は,世界で最も食べられいる豆の一つです. https://www.mame.or.jp/syurui/ 大豆・落花生を除く食用の豆=Pulsesで最も多く生産・消費されています.https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/04…

インゲンマメ2 日本・世界での生産・消費と世界の豆料理(画像) 日本では豆といえば大豆.そして小豆. インゲンは,生産量では三番目に付けていますが,大豆・小豆に大きく水をあけられています.世界に目を向けると,その消費量は,日本の7千トンとは桁が違います.1位のインドは500万トンを超え,2・3位のミャンマー・ブラジルが300万トン越え.いわゆるPulses=食用の豆で,世界で最も多く食べられているのがインゲンマメです.調べきれませんでしたが,沢山の種類の豆料理が世界で食べられているようです.

インゲンマメをこの一週間のうちに食べた日本人は,それほど多くないのではないでしょうか? 煮豆は幕の内弁当の定番となってはいますが,ほんの少し添えられるだけ.そして,現在ではこのようなお弁当を食べる方はかなり減っているかと思います. https://d…