ゴマ(シソ目の植物5) 日本人にもとてもなじみ深い胡麻.しかし,国内生産はわずかで,ほとんどが輸入されています.生産国のトップスリーはスーダン,ミャンマー,タンザニア.ゴマの色の違いは品種の違いによるものですが,世界的にも日本でも白胡麻が最多.ゴマ油の香りは何者にも代えがたいものがありますが,この香りのあるゴマ油は,焙煎したゴマの油から得られるもの.つい最近まで知りませんでした.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ.

今日は第五回.

 

ゴマ

シソ目ゴマ科ゴマ属 ゴマ Sesamum indicum

https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴマ

https://www.flavour-net.jp/supplier/koyamada/ゴマの実ができるまで/index.htm

 

日本人にもとてもなじみ深い胡麻しかし,植物としての胡麻を見たことが,私はありません.

国内ではあまり生産されず,関東地方の畑でお目にかかるのは難しそうです.

農水省の統計は2007年までのものしか見つけられませんでしたが,https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=

国内生産量は96トン,ほとんどが鹿児島県(74トン),それも喜界町徳之島町など.関東地方では茨城県で5.4トン

 

三重県で生産している業者のウェブサイトによれば

https://www.kuki-info.co.jp/gomanokoto/gomanokoto-005.html

“日本が消費しているごまは年間約15万トン(2021年)ですが,国産ごまの収穫量はわずか約40トン. 割合にすると0.026%であり,「国産のごま」は大変希少な存在なのです.”

とのこと.この10年あまりにさらに生産は縮小しているようです.

機械を使った収穫が難しいことも,日本での生産を減少させている一因かもしれません.

https://www.flavour-net.jp/supplier/koyamada/ゴマの実ができるまで/index.htm

 

ゴマは最も古い油糧作物のひとつhttps://en.wikipedia.org/wiki/Sesame

 

ニッポニカの解説では次の通り.

https://kotobank.jp/word/ゴマ-681430

栽培ゴマの起源はアフリカといわれる.紀元前1300年ころにはギリシアですでに栽培されていた.

中国には紀元100年ころ西域民族(胡(こ))を経て伝えられ,その後日本へ入った.ゴマの名は,胡から伝来したもので,種実がアサ(麻)に似ている植物という意味らしい.

世界で約553万トンの生産があり(2017),そのうち,およそ60%はアフリカ諸国,40%はアジア諸国でとれている.

 

https://en.wikipedia.org/wiki/Sesame

 

ゴマの品種

ゴマには,黒胡麻,白胡麻,金胡麻などの種類が知られていますが,これは,種としては同じ胡麻の品種による違いだそうです.

世界的には白胡麻の生産量が最も多く,生産している国も多いのに対し,黒胡麻や金胡麻は,特定の国での生産となっているとのこと.

https://www.kuki-info.co.jp/sanchi/

https://www.shimizuya-tanenae.com/item/VS001310101/によれば

白ごま

マイルドな風味でクセがなく,もっともポフュラーなごま.

黒ごま

香りが強いので料理のアクセントに.小粒ながらその香りに強い存在感をもっているのが黒ごまの特徴.

金ごま

黄金色をした希少なごま.脂質が高く,香り高いのが特徴. 「黄ごま」「茶ごま」などと呼ばれることもある.コクのある味わい.

 

生産はわずかですが,そこは日本の農業.白・黒・金に対応した新たな品種も生み出されています.

胡麻:まるえもん,白胡麻:まるひめ,金胡麻:にしきまる,間瀬金

https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/nics/2014/nics14_s11.html

 

焙煎ゴマ油

ゴマをそのまま使える料理上手の人以外でも,ゴマ油は手元に置いて使っているのではないでしょうか.ゴマ油の香りは何者にも代えがたいものがありますが,この香りのあるゴマ油は,焙煎したゴマの油から得られるものです.私はつい最近まで知りませんでした.

 

日清のウェブサイトでは次のように解説しています.

https://www.nisshin-oillio.com/goods/goma/knowledge/color_scent.php

ごま油といっても,無色のものから黒褐色のものまでさまざまです.

ごま油の色と香りは「圧搾」前のごまの煎り具合によって違ってきます.高温で時間をかけて煎れば煎るほど,油の色は濃く仕上がり,ごま油特有の香ばしい香りが強まります.