あられ/あられ餅 あられ餅は「さいの目に目切りした餅を干して炒ったもの」で,かき餅(⇨おかき)は「鏡餠を欠き割ったもの」.現在でもあられはおかきより小さいものをさすとされています.せんべいが小麦粉(瓦せんべいなど))またはうるち米(醤油せんべい)からつくった米粉で作られるのに対し,あられはもち米でつくられます.

あられをおみやげにいただきました.近くの大黒屋で購入した「龍ノ口あられ」.

久方ぶりのあられ.なかなか美味.

このお店では同じ名前で何種類も売られています.

https://www.tatunokuti-daikokuya.com

ネット上にあった,同じ名前の大黒屋.こちらは三軒茶屋のお店.若い人に買ってもらおうとしているためか,かわいらしい姿,包装になっています.

https://sancha-arare-daikokuya.com/blogs/blog/arare-popularity  

 

「あられ」は,「あられ餅(霰餠)の略」(精選版日本国語大辞典もしくは「あられ餅のこと」(ニッポニカ)とあります.

 

「あられ=あられ餅」は,正しいのでしょうが,現在せんべい屋さんで売られている「あられ」を「あられ餅」と呼ぶのは,どこか気が引ける.「餅」というと,その後の加工がしていない餅自体をさしている印象を受けます.

実際,「あられ餅」の検索で,「あられ」や「おかき」の画像が沢山得られます.しかし,文章の中で「あられ餅」としているサイトは見当たりません.意味としては正しいと認められている「あられ=あられ餅」ですが,あられ餅があまり使用されなくなって久しい?

とはいえ

あられ餅は,「さいの目に目切りした餅を干して炒ったもの」

古今名物御前菓子秘伝抄(1718)にこの製法が見える

(事典和菓子の世界 岩波書店

 

 

同様にしてつくられる「おかき」は「かき餅」の略で,現在は,あられより大きめのものをさして,こう呼ばれています

 

おかき 御欠

精選版日本国語大辞典

(「お」は接頭語。「かき」は「かきもち」の略) 欠餠かきもち。元来は女性語で、鏡餠を欠いて食べたのに始まる.

かき‐もち【欠餠】
精選版日本国語大辞典
①正月の鏡開きの餠を手や槌つちで欠き割ったもの。縁起のよい鏡餠を刃物で切るのを忌み、手で欠き割ったところからいう

 

三軒茶屋大黒屋

https://sancha-arare-daikokuya.com/blogs/blog/arare-popularity  

おかきとは、もち米から作られたあられより大きい米菓です。

https://www.google.com/search? おかき

 

なお,あられもおかきも,大きなくくりとしては「せんべい類」と呼んで良いように思います.

しかし,もともとお餅から発展したあられやおかきがもち米でつくられるのに対し,せんべいはうるち米草加せんべいなどの醤油せんべい)もしくは小麦粉(瓦せんべいなど)が原料になっているとのこと.私は全く知りませんでしたが,「事典和菓子の世界」の他,ネット上にも沢山解説が載っています.