初夏/夏来(なつく)/夏さる(夏去る)/夏まく(夏設く)/夏立つ を詠んだ短歌1  春すぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香具山 持統天皇  初夏やあしびの若木まろがりて光る箱根の駒が岳かな 与謝野晶子  夏は来ぬ相模の海の南風(なんぷう)にわが瞳もゆわがこころ燃ゆ 吉井勇  のびやかに天を指す木が子の遊ぶ野の一隅を占めて夏来る 石川一成  夏来(きた)るここの斜面に尾花の芽萩の芽のびて空ひらけたり 尾山篤二郎  はつなつの夏よりうすき夕焼けに鳴らす麦笛つくりてくれよ 馬場あき子

散歩コースに植えられている紫陽花が,色づきはじめました.

昨日は全く色づいていなかったのに,1日でこのような色が付いてくるとは!

妙な言い方かもしれませんが「初夏もそろそろ終わりかな,梅雨入り間近?」と感じます.

このブログで,何回も書いているように---

私の夏の感覚はずれていて:

夏は長い:

節月区切りの夏(立夏立秋)+気象学的な夏(6月〜8月)

立夏(今年は5月5日)〜8月31日.

暦Wiki/季節 - 国立天文台暦計算室

二十四節気|暮らし歳時記

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https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/06/15/234318

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/07/03/235637

 

 

そして,立夏から梅雨前の間を初夏と感じています.

 

 

初夏/夏来(なつく)/夏さる(夏去る)/夏まく(夏設く)/夏立つ

を詠んだ短歌1

(古今短歌歳時記より)

 

▽初夏は「しょか」と読む場合がほとんどですが,「はつなつ」とも読みます

 

初夏やあしびの若木まろがりて光る箱根の駒が岳かな  与謝野晶子 白桜集

 

はつ夏の日の照りわたる狂院(きやうゐん)のせとの土原(つちはら)に軍鶏(しゃも)むらがれり  斎藤茂吉 あらたま

 

はつなつの夏よりうすき夕焼けに鳴らす麦笛つくりてくれよ  馬場あき子 無限花序

 

 

短歌の世界では,直接初夏という以外にも様々な表現で初夏を表してきました.

▽夏来(なつく)/夏きたる

春すぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香具山  持統天皇 万葉集

春過ぎて夏来にけらししろたへの衣ほすてふあまのかぐ山  持統天皇 新古今集小倉百人一首

 

花鳥もみないきかひてむば玉の夜のまに今日の夏は来にけり  紀貫之 貫之集

 

夏は来ぬ相模の海の南風(なんぷう)にわが瞳もゆわがこころ燃ゆ  吉井勇 酒ほがひ

 

夏来(きた)るここの斜面に尾花の芽萩の芽のびて空ひらけたり  尾山篤二郎 野をあゆみて

 

のびやかに天を指す木が子の遊ぶ野の一隅を占めて夏来る  石川一成 麦門冬