コカノキ,マンゴスチン,アセロラ(キントラノオ目の植物2) キントラノオ? ほとんど聞いたことがない植物ですが,キントラノオ科に因んで目の和名として採用されています. 名前は知っている植物が並んでいますが---- 共通する形態がほとんど見えないような目になっています.名前は知っていても見たことのない,性質も知らない植物も多い. ということで,このキントラノオ目に属する植物をいくつか取り上げ,簡単な解説を探して掲載していくことにしました.

昨日取り上げたビヨウヤナギやキンシバイは,

キントラノオ目 Malpighiales,オトギリソウ科.

キントラノオ

ほとんど聞いたことがない植物名ですが,この目に属するキントラノオ科に因んで目の和名として採用されています.

目の学名Malpighialesは,キントラノオ科のらてんけ学名に因んで名付けられています.

 

このキントラノオ目に属する植物(上図参照)を眺めてみると---

日本でもよく見かけるスミレやヤナギから,世界で一番大きな花と言われていたラフレシア,麻薬のコカノキ,麻・亜麻仁油のアマ,ビタミンCドリンクになっているアセロラ,と名前は知っている植物が並んでいますが----

 

共通する形態がほとんど見えないような目になっています.

英語版ウィキペディアでは

「分子系統的証拠を除いて認識困難な非常に多様な目である。植物の形態のみに基づく分類体系のいずれにも属さない」としています.

(DeepL翻訳)キントラノオ目(Malpighialesマルピギアス)は、約36科、16,000種以上を含み、裸子植物の約7.8%を占める。[2][3] この目には、ヤナギ、スミレ、ポインセチア、マンシネ、ラフレシア、コカ植物など、異なる植物があり、分子系統的証拠を除いて認識困難な非常に多様な目である。植物の形態のみに基づく分類体系のいずれにも属さない。

 

名前は知っていても見たことのない,性質も知らない植物も多い.

ということで,このキントラノオ目に属する植物をいくつか取り上げ,簡単な解説を探して掲載していくことにしました.

今日は,コカノキ,マンゴスチンアセロラを取り上げます.

 

コカノキ

http://entheology.com/plants/erthroxylum-coca-coca-bush/

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Erythroxylum_coca_004.JPG

https://www.pharm.or.jp/herb/lfx-index-YM-200702.htmより抜粋

 コカノキはペルーやボリビア,コロンビア原産の低木です.形態が生育地ごとに少しずつ異なり数種類に分類されています.

 葉に含まれているコカイン(cocaine)は局所麻酔作用があります.中枢神経に対しては,強い興奮作用があり,陶酔感や筋肉の疲労感を覚えなくなる作用があります.

しかしながら連用や乱用によって幻覚,妄想を生じ,効果が切れると抑うつ状態から無気力状態に陥りやすくなり精神的依存性などの薬物中毒となることも明らかとなっています.

 もともとコカノキは南アメリカアンデス地域に栄えたインカ帝国で宗教的な儀式に用いていたものです.

またこの葉を噛むことで疲労回復や気分爽快感を味わえるため,過酷な環境の高地で生活するインカの人々にとっては,肉体的,精神的な疲れを癒し重労働に耐えるためには無くてはならないものでした.

 連用によって薬物依存がおこりやすいことから,今ではコカノキは「麻薬及び向精神薬取締法」の対象植物に指定され,法律によって栽培や所持は厳しく規制されています.

 

マンゴスチン

https://www.nparks.gov.sg/florafaunaweb/flora/4/2/4211

https://ja.wikipedia.org/wiki/マンゴスチン

英語版ウィキペディア https://en.wikipedia.org/wiki/Mangosteenより一部抜粋(DeepL翻訳)

マンゴスチン(Garcinia mangostana)は,別名ムラサキマンゴスチンとも呼ばれ,インド洋周辺の熱帯地域に自生する食用の果実を持つ熱帯常緑樹です.東南アジア,インド南西部を中心に,コロンビアやプエルトリコなどの熱帯地域にも自生しています.

果実は,甘くてピリッとしたジューシーな味わいで,やや繊維質,液体を含んだ小胞(柑橘類の果肉のようなもの)があります.熟すと濃い赤紫色になる果皮(外皮)は食べられません.ジューシーで繊細な食感と,ほんのり甘酸っぱい風味が高く評価され,古くからマレーシア,ボルネオ島スマトラ島,東南アジア大陸,フィリピンで栽培されてきました.

東南アジアでは,マンゴスチンは「果物の女王」と呼ばれ,「果物の王様」であるドリアンとよく組み合わされます.中国の食物療法では,マンゴスチンは「冷やす」と考えられており,「温める」ドリアンと良いバランスをとっています.

 

マンゴスチンの主な生産地は東南アジア.タイは最も栽培面積の多い国で,1965年には4,000ha,2000年には11,000ha,総収穫量は46,000トンと推定されています. インドネシア,マレーシア,フィリピンはその他のアジアの主要生産国で,コロンビアとプエルトリコでのマンゴスチン生産も成功しています.

植物の様々な部位は,主に東南アジアの伝統医学で使用されてきた歴史があります.皮膚感染症,傷,赤痢,尿路感染症,胃腸の不調の治療に使用されてきたと思われますが,これらの効果に関する質の高い臨床証拠は存在しません.

 

アセロラ

http://www.hirayama-farm.net/tropical/acerora.htm

英語版ウィキペディア https://en.wikipedia.org/wiki/Malpighia_emarginata

より一部抜粋(DeepL翻訳)

Malpighia emarginata

英語通称名はacerola cherry, Guarani cherry, Barbados cherry, West Indian cherry.

南米のパラグアイとブラジル,中米とメキシコ南部,プエルトリコドミニカ共和国,ハイチに自生します.

現在はカナリア諸島,ガーナ,エチオピアマダガスカルザンジバルスリランカ,台湾,インド,ジャワ,ハワイ,オーストラリア,アメリカなど世界の熱帯・亜熱帯で栽培されてます.

ブラジルは世界最大のアセロラ生産国で,11,000ヘクタールの畑で,年間32,990トンのアセロラを生産しています.

4月から11月にかけて開花し,開花後3-4週間で,直径1-3cm,重さ3-5gの鮮やかな赤色の果実が多数成熟します.

果実の殻は滑らかで非常に薄い.常温で2~3日の賞味期限で,非常に腐敗しやすい.果肉はジューシーで,ビタミンC(300-4600mg/100g)やその他の栄養素を多く含む.