トウガラシ2 今日は二つの,やや離れた内容を二つ. 一つは欧米の言語におけるトウガラシとコショウの混乱.こちらが大部分です. 二つ目は,ホールタイプのトウガラシを使用したレシピについて. 「コショウを探してトウガラシを見つけたスペイン人は,純粋な混同から(あるいは面目を保つために),発見した実を 'red pepper' と名付けた」と言われています.混乱は今でも続いていますが,英米語の混乱が最大.呼び名の混乱は,red pepperとトウガラシを呼び続けている英国/米国に責任があるようにも--

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます).

今日はトウガラシの2回目

 

スパイス(スパイス&ハーブ)5

トウガラシ2

 

今日は二つの,やや離れた内容を二つ.

一つは欧米の言語におけるトウガラシとコショウの混乱.

二つ目は,ホールタイプのトウガラシを使用したレシピについて.

 

1. ヨーロッパ人によるトウガラシの「発見」「世界への拡散」とコショウとの混同・呼び名の混乱 素人の考察

 

はじめに,マコーミックのサイトから引用します.

https://www.mccormickscienceinstitute.com/resources/culinary-spices/herbs-spices/red-pepper

トウガラシの原産地は中南米です.
トウガラシの果実は,紀元前7,500年頃から人類の食生活の一部であり,アメリカ大陸で最も古い栽培作物のひとつです.
ヨーロッパ人がアメリカを「発見」した後,いくつかの種から派生した多くの品種が世界中に広まりました.
トウガラシは,英語で,よくred pepperと呼ばれますが,植物学的にはコショウ(piper nigrum,pepper/black pepper)とは全く関係がないことに注意すべきです.
初期のスペイン人探検家は,カリブ海でコショウの実を探しているときにトウガラシを見つけました.純粋な混同から(あるいは面目を保つために)スペイン人は,発見した実を 'red pepper' と名付けました.
トウガラシは,ヨーロッパに持ち帰られた後,ポルトガルの商人たちによりアジア各地に急速に広められ,すでに辛い味に慣れていたインドの料理人たちに特に歓迎されました.トウガラシの植物はアジアで繁栄し,いたるところで見られるようになったため,多くの人がトウガラシを多くのアジア料理の原産だと誤解するようにもなりました.
 
 
スペイン人の勘違いから(もしくは面目を保つため)広まってしまったred pepper という呼び名.
今でも英語では,広く使われていますが---他の国では?
現在の欧米の言語によるトウガラシの呼び方をまとめてみました.間違いがまだまだあるかと思いますが,言語の素人ですのでお許しを.
ネット上の記事・辞書,DeepL翻訳,Ethymonlineなどからまとめたものです.

 

まとめている最中から,かなり混乱しました.まだ混乱したままかと思います---
 
▽一つわかったことは,capsicumというトウガラシの属名(ラテン語)が,思ったより多く使われていると言うこと.
正確に伝えようと思うと,この言葉を使うのが一番と言うことだと思います.日常生活では,あまり使われていないようにも思いますが,表にある国のどこでも通じるようです.
 
▽英語では,red pepperと並んで,chili /chile/chilli,chili pepperもよく使われているようです.他の国でどれほど使われているかわからないため表は空欄としていますが,結構通じるように思います.
この言葉は,現地語由来と言うことで,コショウと間違われることはありませんが,料理名にも用いられていること,国名のチリとほぼ同じという問題がある名称.
 

Etymonlineによる語源

https://www.etymonline.com/search?q=chili

chili

1660年代,ナワトル語(アステカ語)のチリ(唐辛子の在来名)に由来する.南米の国名ではない.チリ・コン・カルネ(chile con carne)や同様の料理の略称として,1846年までに確認されている.

 

Chile

南米の国で,おそらく現地の先住民の言葉から名付けられたと思われるが,その後メキシコのスペイン語chile「唐辛子」(chiliを参照)と混同されるようになった.この原住民の言葉は「土地の果て」を意味するか,あるいは「寒い,冬」を意味し,英語のchillyと偶然の一致が見られるという説がある.

 
▽フランス語/スペイン語ではpiment/pimento
フランス語では,主にpimentが使われていて,コショウ(poivre)との混同はあまり起こらないような気がします.スペイン語のpimento(⇒ラテン語pigmenta)に由来する言葉.
英語のpimentが,主に辛みの少ないトウガラシに用いられていることから,日本のピーマンはこの言葉に由来すると言われています.
私が調べた範囲では,スペイン語ではコショウはpimienta,トウガラシはpimiento.あまりに似ている気もします.使い分けにくいとは思いますが---スペイン語をよく知る人でないと,どのように使い分けているのかわかりません.
コショウのヨーロッパ系言語は,ラテン語のpiperに由来する言葉と,ラテン語のpimentoに由来する言葉があって,フランス語では,コショウはpoivre,トウガラシはpimentと使い分けているようです.
現在のコショウとトウガラシの呼び名の混乱は,トウガラシをred pepperと呼び続けている英国/米国に責任があるように思います.
 
2. ホールタイプのトウガラシを使用したレシピ
甘酢漬けが大好きな友人が,「作るときにホールのトウガラシは欠かせない」と言います.

私は,ぬか漬けには使いますが,その他の料理にはホールタイプのトウガラシが,うまく使えません.これを使えるようになれば,料理もワンランクアップするような気がしています.
そこで,ホールタイプの唐辛子を使ったレシピを,少しですが,集めてみました(主に初心者向け).リンクが貼っておきました.いつの日か作ってみようと思います.
には,下の画像以外に沢山のレシピが載っています.チャレンジのしがいがありますが---
 

和風テイストのピクルス レシピ・作り方