暑し・暑さを詠った短歌  鎌倉は異常に蒸し暑い1日でした.台風7号が運んだ海風のせいでしょう.鎌倉の谷戸のお宅にはサルスベリが最後の花を咲かせ,わが家ではジンジャーリリーが開花しました. 声聞けばあつさぞまさる蟬のはのうすき衣は身にきたれども 和泉式部  水の音に暑さわするるまどゐかな梢の蟬の声もまぎれて 西行  暑き山くだりくだりて寂(しづ)かなる安楽律院の水のみにけり 斎藤茂吉  やや暑き山の日ざかりの心よく大き西瓜をわりにけるかも 古泉千樫

暑い鎌倉の1日でした.異常な蒸し暑さ.関東地方ではなく,紀伊半島へ向かった台風7号が運んだ海風のせいでしょう.

 

三時過ぎ,所用で鎌倉扇ガ谷の谷戸のお宅へ.

通りに沿った何軒ものお宅に,サルスベリが植えられていて,最後の花を咲かせていました.ざっと数えてみると寺院も含め六軒のお宅に.

所々に咲いていて,楽しませてくれたのがタカサゴユリ

途中立ち寄った浄光明寺にもサルスベリタカサゴユリが.

ギンヨウボダイジュの実と,柿の実.まだ青い実です.

ひまわりの花は終わっています.小さな花は,最近とても増えているメキシコヒナギク(ペラペラヨメナ).

ニホントカゲも大きくなっています.

 

エゾミソハギとオウゴンマサキ.

ノカンゾウ.「食べると憂いを忘れる(角川字源)」という萱草(かんぞう)/ワスレグサの一重咲き.

 

わが家では,ジンジャーリリーが開花しました.

 

72候に従えば,今日は立秋の『寒蝉鳴(ひぐらしなく)』https://hp.otenki.com/7120/).

本来は「残暑」を取り上げるべきですが---

 

あまりに蒸し暑い1日だったので,暑し・暑さを詠った短歌を取り上げます.

 

暑し・暑さを詠った短歌

(古今短歌歳時記より)

 

声聞けばあつさぞまさる蟬のはのうすき衣は身にきたれども  和泉式部 和泉式部

 

水の音に暑さわするるまどゐかな梢の蟬の声もまぎれて  西行 山家集

 

赤松の幹より脂(やに)の沁(し)みいづる暑き真昼となりにけるかも  島木赤彦 太虚集

 

暑き山くだりくだりて寂(しづ)かなる安楽律院の水のみにけり  斎藤茂吉 白桃

 

やや暑き山の日ざかりの心よく大き西瓜をわりにけるかも  古泉千樫 青牛集

 

わたつみの面(おも)はかくろふ深霧によべの一夜の暑さこもれり  高田浪吉 家並

 

暑かりし一日(ひとひ)をはりて中空の雲にかすかの赤のこりけり  佐藤佐太郎 歩道

 

暑き日の時計商にて鳩時計死にをり 死までいくばくの刻  塚本邦雄 日本人霊歌