枯れ木立や落葉の話ばかりですが---
今日もまた.すみません.
しかし,
枯れ木立や落葉,冬枯れは見る人の心に訴えるものがあります.
今日は,枯れた芒(薄)を詠つた短歌を取り上げます.
実朝,後鳥羽院.現在の大河ドラマで脚光を浴びている歌人も「花すすき枯れたる野辺」「霜枯の尾花」と詠っています.
その前に昨日の続きを少しだけ付け足します.
昨日,気になっていたことを少し調べた結果,
「葉を落とすメカニズム」は,かなり分かっているとして,Try-itの解説をお借りして,高校生物の学習内容を掲載しましたが---
続けて調べてみると---
葉を落とす最初のシグナルである「温度」を,植物がどのように感知するかについてはあまり分かっていませんでした.もちろん高校生物の教科書には記載がありません.
しかし,近年ようやく研究が進み始めたようで,フィトクロムBやフォトトロピンなど,光センサーの候補も挙げられてきています.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/pce.13979
(一方,哺乳動物の温度感知については,かなり研究が進んでいて,「温度と触覚の受容体を発見」した米国博士2人に,2021年のノーベル医学生理学賞が与えられました.
https://www.nature.com/articles/nrn3784
ここでいう「触覚」は,トウガラシの成分やハッカの成分を感知する「触覚」.温度センサーと同じ分子が,トウガラシやハッカで活性化される!)
枯れ芒,枯れ尾花を詠った短歌(1)
古今短歌歳時記(鳥居正博 教育社)より
朽ちもせぬその名ばかりをとどめ置きて枯野の薄形見にぞ見る 西行 山家集
花すすき枯れたる野辺に置く霜のむすぼほれつつ冬は来にけり 源実朝 金槐集
霜枯の尾花ふみわけ行く鹿の声こそきかね跡は見えけり 後鳥羽院 夫木抄