枯蓮  鎌倉八幡宮源平池へ「枯れ蓮探し」に出かけたのですが,案の定,鎌倉一の観光地の枯れ蓮は,すっかり刈り取られていて,痕跡さえみつかりませんでした.枯蓮は正岡子規以降,俳人が好むテーマとなり,また与謝野鉄幹の詩「敗荷」:「 夕(ゆうべ)不忍の池ゆく  涙 おちざらむや  蓮折れて月うすき---」が.短歌で取り上げられることは少ないとのこと.  茎折れて水にうつぶす枯蓮の葉うらたたきて秋の雨降る 橘曙覧

昨日は,三時過ぎに八幡宮へ散歩.

鎌倉一の観光の名所.最近は平日でも混雑しているのですが,日曜の三時過ぎは意外なほど人が少なく,混雑嫌いには狙い目の時間帯.

目的は「枯れ蓮探し」というややマニアックなもので,源平池が探す対象.しかし---

案の定,鎌倉一の観光地の枯れ蓮は,すっかり刈り取られていて,痕跡さえみつかりませんでした.

池に浮かんだ紅葉はなかなか風情がありましたが.

源氏池の主役は鴨.観光客が与える鯉のエサを全て横取りしていました.

 

7月にはきれいな花を咲かせていた蓮も,秋になれば全ての葉を枯らします.

https://www.akb.jp/c/free_9_128/hasu_kanri

https://forest17.com/flower11/flw11_00550079.html

 

「さびしい景色でしょうが,きっと趣があるに違いない」と思ったのですが---

ネット上にも何名かの方が,枯れた蓮の葉/蜂巣の美しい画像をアップしています.立ち寄ってみて下さい.

http://horikaz2.blog.fc2.com/blog-entry-2632.html

http://stop-ouna.jugem.jp/?eid=875

 

 

古今短歌歳時記(教育社)によれば,枯蓮は正岡子規以降,俳人が好むテーマとなっているとのこと.

 蓮十里尽く枯れてしまいひけり 子規

 

そして,与謝野鉄幹のよく知られた詩.(私は知りませんでしたが)

https://www.asahi-net.or.jp/~hm9k-ajm/musasinobunngakusannpo/tekkannakiko/haika/haika.htm

 敗荷

  夕(ゆうべ)不忍の池ゆく
  涙 おちざらむや
  蓮折れて月うすき
 
  長酡亭(ちょうだてい) 酒寒し
  似ず 住の江のあづまや
  夢 とこしへ甘きに

  とこしへと云ふか
  わづか ひと秋
  花 もろかりし
  人 もろかりし

  おばしまに倚(よ)りて
  君伏目がちに
  鳴呼何とか云ひし
  蓮に書ける歌

 

 

短歌ではあまり歌題とされていないとのことですが:

 

茎折れて水にうつぶす枯蓮の葉うらたたきて秋の雨降る  橘曙覧 志濃夫廼舎歌集

 

 

枯蓮の茎の間とざす薄氷をよけて真鴨のゆく水脈(みを)光る  上田三四二 遊行

 

 

 

蓮と蓮根については:

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/07/02/235702

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/07/03/235619

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/07/04/235622

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/07/05/235539

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/11/20/005847