コショウ2 植物としてのコショウ/コショウの生産  コショウはコショウ属のPiper nigrumというつる性植物の実.原産地は南インドの西海岸といわれています.コショウ属には,他にもスパイスとして利用されている種があり,ロングペッパー(ヒハツ)は日本でも手に入ります.そして,このロングペッパーのサンスクリット語が英語pepperの語源となっています.2020年のコショウの生産輸出国のトップはベトナムで世界の36%にのぼるとのこと.なお,日本に自生するフウトウカズラは,コショウ属ですが辛みはありません.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます).

今日はコショウの二回目.

 

スパイス(スパイス&ハーブ)2

コショウ2 植物としてのコショウ/コショウの生産

 

コショウはコショウ目コショウ科コショウ属のPiper nigrum.

このつる性植物Piper nigrumの小さな実(胡椒の実)を乾燥させたものがスパイスとしてのコショウになります.

https://ja.wikipedia.org/wiki/コショウ

ブリタニカ等によれば

https://www.britannica.com/plant/black-pepper-plant

https://www.mccormickscienceinstitute.com/resources/culinary-spices/herbs-spices/black-pepper

コショウの原産地はかなり狭い範囲が特定されていて,

南インドの西海岸(インドのケララ州の一部)にある熱帯地域、マラバールが原産」だそうです.

(英語版ウィキペディアでは「南アジアと東南アジア原産」としています)


コショウ属には,ロングペッパー(Piper longum 和名ヒハツ畢撥,インドナガコショウ)と呼ばれる種もあり,コショウほどではありませんが,スパイスとして広く利用されています.

S&Bの商品広告のでは,「ブラックペッパーのようなピリッとした辛みとほのかに甘く爽快な香りが特徴です。カレー、チャンプルー、炒め物などにお好みでお使いください。」とのこと.

https://www.amazon.co.jp/S-B-ヒハツ-パウダー

https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒハツ

そして,このロングペッパーのサンスクリット語pippaliが,英語のpepperの元になっていることがわかっています.

https://www.mccormickscienceinstitute.com/resources/culinary-spices/herbs-spices/black-pepper

pepperという名前は,サンスクリット語のロングペッパーの名前”pippali”に由来します.
この言葉からギリシャ語のpeperiラテン語piperが生まれました.
コショウは,胡椒 hu jiao(中国語),kali mirchヒンディー語),pimientaスペイン語),fulful / filfilアラビア語),poivre(フランス語),pepe(イタリア語),pfeffer(ドイツ語)など,さまざまな言語で多くの名前で呼ばれています.
 
コショウの実は、世界で最も広く取引されているスパイスのひとつであり、全スパイスの20%を占めます[Parthasarthy, V. A. (2008). Chemistry of spices. CABI Pub. ISBN 978-1845934057.]
ベトナムが世界最大のコショウ生産・輸出国(2020年)で,世界全体の36%にあたる270,192トンを生産しています.
スパイスとして利用されるコショウ属の植物は他にも.

「ヒハツモドキ(Piper retrofractum ジャワナガコショウ)、ヒッチョウカ(Piper cubeba クベバ)、ニシアフリカクロコショウ(P. guineense)、キダチコショウ(P. aduncum)なども香辛料として利用される」

 

なお,日本にもコショウ属の植物が2種(フウトウカズラとタイヨウフウトウカズラ自生しています.

いずれも辛みを持たないとのこと.

https://ja.wikipedia.org/wiki/フウトウカズラ