トマトは夏野菜と言われていましたが,現在では,一年中,真っ赤なトマトが,野菜売り場の前面を飾っています.
真っ赤なトマトが当たり前になったのは,それほど古いことではなく,1983年,タキイ種苗が,完熟で出荷できるトマト「桃太郎」を完成させて以来のこと.
https://www.takii.co.jp/brand/momotaro2.html
今では,真っ赤なトマトが当たり前で,次々と新しい品種が生み出されています.
https://hatakemon.com/tomato_variety_ranking https://www.google.com/search?りんか409 https://www.google.com/search?桃太郎ホープ https://www.google.com/search?麗容 https://www.google.com/search?桃太郎はるか
タキイ種苗による調査によれば
https://www.takii.co.jp/info/news_170808.html https://www.takii.co.jp/info/news_191007.html https://www.takii.co.jp/info/news_210819.html https://www.takii.co.jp/info/news_230824.html
完熟トマトが当たり前になって以来,トマトの人気は高くなり,好きな野菜No1の座も獲得していきました.
ただ,嫌いな方もかなりいる(大人で8〜10%程度,子供で17〜18%程度)こともトマトの特徴かと思います.特定の味・香りに敏感な方が一定の割合でいるということでしょうか.
なお,タキイの調査では,トマトは,この二三年,好きな野菜トップの座をあけわたしてしまいました.好きという人の%はあまり変わっていないので,他の野菜を好きという方が増えたと捉えるのが正しいように思います.
トマトを詠った短歌
(古今短歌歳時記より)
さ庭べにトマトを植ゑて幽(かす)かなる花咲きたるをよろこぶ吾は 斎藤茂吉 つゆじも
驚きて猫の熟視(みつ)むる赤トマトわが投げつけしその赤トマト 北原白秋 桐の花
村の子は,/大きとまとを かじり居り。/手に持ちあまる 青き その実を 釈迢空 春のことぶれ
妻の前のすべすべしたる白き皿トマトを食へば水が残りぬ 松村英一 山の井
しみじみと見ればしみじみさびしけれ赤きトマトも青きトマトも 大悟法俊雄 第一歌集
忽然と人ゐぬ厨(くりや)水口(みなぐち)に赤きトマトの相寄りにけり 葛原妙子 薔薇窓
道ゆきてさわぎし心しづまらんトマトの上に風立ちそめぬ 佐藤佐太郎 立房
薄く切る皿のトマトよ血の匂う日の輝きもかかる色なる 平井弘 顔をあげる