コスモスを詠んだ短歌  気持ちのよい青空が広がる浄妙寺へ行つて来ました.芙蓉,彼岸花,野薊.そして秋の花コスモスは,墓地の一角に. 地に伏して小花もたぐるコスモスを濡らしゆきつつ秋霖雨(づゆ)昏(くら)し 木俣修  かえらざる言問いに似てコスモスの花ゆれやまず人のさびしさ 岡部桂一郎  こんなにも透きとおる母を駆け抜けてコスモス揺るる夕空に立つ 佐伯裕子  八枚の花びらを持つコスモスのいつでも「きらい」で終わる占い 俵万智

過ごしやすい1日,午後,鎌倉浄妙寺まで行って来ました.墓地にはコスモスが咲き,秋の風情を感じさせてくれました.

 

気持ちのよい青空が広がっていました.

 

年に1回供養が行われている花塚.芙蓉の花が見守っていました.

 

花の少ない時期ですが,彼岸花は所々に.

 

石窯ガーデンテラスの右手の竹の小径を行くと,足利直義の墓があります.尊氏の弟で,室町幕府成立期の重要人物として知られています.

 

シュウメイギクに巣の足場を作っていたジョロウグモ

野アザミも秋らしいですね.

 

そして秋の花コスモス.

 

コスモスを詠んだ短歌

(古今短歌歳時記より)

昨年,

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/09/22/234803

金子薫園,斎藤茂吉若山牧水宮柊二,岡部桂一郎,馬場あき子,道浦母都子の歌を紹介しましたので,

今回はそのほかの方々の歌を取り上げます.

 

こすもすの蕾かたきに,手触りたり.旅をやめなむ 心をもちて  釈迢空 海やまのあひだ

 

白毫のごとくコスモスの花びらを額につけし少年きたる  山下陸奥 生滅

 

地に伏して小花もたぐるコスモスを濡らしゆきつつ秋霖づゆ)(くら)  木俣修 高志

 

コスモスの乏しき湖畔降りつのるあめに沖暗きバイカルに佇つ  近藤芳美 異邦者

 

かえらざる言問いに似てコスモスの花ゆれやまず人のさびしさ  岡部桂一郎 鳴滝

 

コスモスの薄き花弁に透りゆくが原野の陽ざしは時折さむい  浜田至 架橋

 

コスモスの揺れあふあひに母の恋見しより少年粗暴となりき  中城ふみ子 乳房喪失

 

しどけなく風に伏したるコスモスの薄くれなゐを車より見つ  来嶋靖生 雷

 

コスモスに暗き風あり抱きねし少年の瞳をもっともねたむ  寺山修司 空には本

 

ようやくに心定まる秋の日々同じ高さに咲けるコスモス  松坂弘 石の鳥

 

こんなにも透きとおる母を駆け抜けてコスモス揺るる夕空に立つ  佐伯裕子 春の旋律

 

八枚の花びらを持つコスモスのいつでも「きらい」で終わる占い  俵万智 かぜのてのひら

 

 

 

 

最近取り上げた秋の植物を詠んだ短歌は,次の記事にまとめてあります.

萩 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/09/15/235429

 

秋海棠 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/09/20/234045

 

彼岸花 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/09/26/204048

 

秋草 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/09/30/001637

 

げんのしょうこ  https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/10/05/224013

 

野菊 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/10/06/171635