ゲンノショウコを詠んだ短歌  妙法寺と光則寺で見かけました.「煎じて飲むと薬効がすぐに現れるということが名前の由来になっている」と言われています.整腸,止瀉などの作用があります. 夕明りげんのしょうこを次々にたづさへて現るる坂 与謝野晶子  山はらは今朝かげもなき曇らひにげんのしょうこの淡きむらさき 遠山光栄  げんのしょうこほのかなる香の甘ければ今日も煎じて枕べに置く 小市巳世司  五階なる午睡に兆す性欲はゲンノショウコの花の香ぞする 道浦母都子

鎌倉で見かけた秋の花で,短歌に詠まれたものを集めています.

今日はゲンノショウコ(現証拠,牛児).

鎌倉では,赤花を妙法寺と光則寺で見かけました.

 

 

最近取り上げた秋の植物を詠んだ短歌は次の次の記事にまとめてあります.

萩 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/09/15/235429

 

秋海棠 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/09/20/234045

 

彼岸花 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/09/26/204048

 

秋草 https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/09/30/001637

 

ゲンノショウコは,以前は山道や校庭の脇でよく見かけた記憶がありますが,最近はあまりお目にかかりません.

https://ja.wikipedia.org/wiki/ゲンノショウコ

https://www.takeda.co.jp/kyoto/area/plantno61.html#:~:text=生薬「ゲンノショウコ」

フウロウソウ科フウロウソウ属Geranium に分類されています.

フウロウソウ属の学名であるゼラニウムGeranium は,同じフウロウソウ科のテンジクアオイ属 (天竺葵属 Pelargonium)の園芸種の呼び名として定着してしまいまいた.

かつてゲンノショウコと同じ属として分類されていた名残.

https://www.google.com/search?ゼラニウム

 

ゲンノショウコは,漢字では現証拠.(牛児とも)

「現実にある証拠」の意味を持つ言葉.

げんのしょうこ【現証拠・験証拠】 日本国語大辞典

①現実にある証拠。  *史記抄(1477)一六「現の証拠を尋出て見せた様なそ」 *浄瑠璃・須磨都源平躑躅(1730)三「それでもあの子に疑ひ晴れずば現ゲンの証拠は此笠木」

フウロソウ科多年草。 《季・夏》 *大和本草(1709)

 

煎じて飲むと効果がすぐに現れるということが名前の由来になっている」と言われています.https://www.yasouen.jp/ゲンノショウコ

 

「煎じて飲むと現れる効果」とは:

https://www.takeda.co.jp/kyoto/area/plantno61.html#:~:text=生薬「ゲンノショウコ」

ゲンノショウコの地上部を薬として用います.その効果ですね.

https://www.takeda.co.jp/kyoto/area/plantno61.html#:~:text=生薬「ゲンノショウコ」

https://www.takeda.co.jp/kyoto/area/plantno61.html#:~:text=生薬「ゲンノショウコ」

生薬「ゲンノショウコ」は,ゲラニイン(タンニン)などの成分を含み,整腸,止瀉などの作用があります.

一般用漢方製剤には配合されていませんが,主に民間薬として整腸薬や止瀉薬に広く利用されています.

https://kotobank.jp/word/ゲンノショウコ-833346 中国,イギリスなどでも,ゲンノショウコや近縁の植物が,薬用に用いられています.

 

 

ゲンノショウコ(現証拠,牛児,御輿草)を詠んだ短歌

(古今短歌歳時記より)

 

夕明りげんのしょうこを次々にたづさへて現るる坂  与謝野晶子 心の遠景

 

御輿草(みこしぐさ)の花かなしらに咲きにけり山田のあぜに日はさし照りて  尾山篤二郎 草籠

 

げんのしょうこの煮ゆる香をかぎ或時(あるとき)は窻(まど)によりゐき君を訪ひ来て  鹿児島寿蔵 潮汐

 

山はらは今朝かげもなき曇らひにげんのしょうこの淡きむらさき  遠山光栄 彩羽

 

げんのしょうこほのかなる香の甘ければ今日も煎じて枕べに置く  小市巳世司 ほやの家

 

五階なる午睡に兆す性欲はゲンノショウコの花の香ぞする  道浦母都子 風の婚