一昨日からとりあげている,山や洞窟のニンフ(ニュンペー),オレイアス(Oreias 複数形はオレイアデスOreades).
昨日までに三組のオレイアスを取り上げましたが,
エコー(エーコー) ドリュアスとされることも
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/11/20/235546
イーデー,アドラスタイアー
また幼子ゼウスを養育したイーデーとアドラスタイアーもオレイアデスです.yachikusakusaki's blog
オトレーイス
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2021/04/23/235624
今日,第4番目にとりあげるオレイアスには,アウィディウス「転身物語」(田中秀央,前田敬作訳 人文書院)に登場するオレイアス.
ここでは,彼女の名前は記載されず,単に“田野に住むオレアス”と書かれ,飢餓(ファメス)を説得するために,ケレス女神(デーメーテール)からつかわされます.
アウィディウス「転身物語」(田中秀央,前田敬作訳 人文書院)
10 飢餓(ファメス)とりつかれたエリュシクトン
-----前略
女神の頭の動きにつれて,たわわにみのった田畑がゆれた.女神はあるむごい罰を考え出した.
-----中略
つまりファメス(飢餓,ギリシャ神話ではリモス)によって,エリュシクオンを苦しめてやろうと思いついたのだ.
けれども,女神は自分でファメスのもとへ出かけることができないので(というのも,運命がケレスとファメスが会うことを禁じているからなのじゃが),山の妖精たちの中から田園に住むオレアスを呼んで,次のように言われた.
「スキュティアの地の果てに,氷にとざされた場所があります.さみしい,不毛の土地で,穀物もなければ,水もありません.そこには硬(こわ)ばった『寒さ』と,『蒼白さ』と,『戦慄』と,いつもひもじがっている『飢餓(ファメス)』が住んでいます.おまえは,このファメスにあの神を冒瀆した男の罪深い体内に入ってくれるよう命じておくれ」
-----後略
頼まれたオレアスは,ケレス女神の龍が引く車に乗って,空を翔(か)けてカウカススの山に到着.女神の頼み事をファメスに伝えます.----
飢餓(ファメス)を住まわせるというケレス(デーメーテール)の下した罰.
ケレスから命を受けたオレアドは,しっかり任務を果たします.
以下は,この物語(転身物語 飢餓にとりつかれたエリュシクトン)の概略.
英語版ウィキペディアの記載を DeepL無料版翻訳で.
https://en.wikipedia.org/wiki/Erysichthon_of_Thessaly
アウィディウス「転身物語」
10 飢餓(ファメス)とりつかれたエリュシクトン 概略
https://en.wikipedia.org/wiki/Erysichthon_of_Thessaly
エリュシクトン(エリュシュクトーン)はかつて,ケレス(デーメーテール)の聖なる森の木をすべて伐採するように命じました.
ある巨大な樫の木には,ケレス(デーメーテール)が祈りをかなえた象徴である奉納用の花輪がかけられていたので,男たちはその木を切り倒すことを拒みました.斧を手にしたエリュシクトンは自らオークを切り倒し,その際にドリュアドのニンフを殺してしまいました.ニンフの最期の言葉は,エリュシクトンを呪う言葉でした.
ケレス(デーメーテール)はニンフの呪いに応え,絶え間なく続く飢餓の精であるファメス(飢餓,ギリシャ神話ではリモス)に頼んで,彼の胃の中に身を置かせることで彼を罰しました.
食べ物は火にそそぐ燃料のようなもの.食べれば食べるほど,彼の空腹感は増していきました.エリュシクトンは,自分の持ち物をすべて売って食べ物を買いましたが,それでもまだお腹が空いていました.
ついには,自分の娘のメストラを奴隷として売ってしまいましたが,メストラは,かつての恋人ネプトゥヌス(ポセイドーン)によって奴隷から解放され,束縛から逃れるために,そのネプトゥヌス(ポセイドーン)から,自由にどんな生き物にも変身できる能力を与えられました.
娘の変身能力を利用して,エリュシクトンは何度も彼女を売って生活費を稼ぎましたが,いくら食べても足りませんでした.結局,エリュシクトンは空腹のあまり自分を食べてしまいました.翌朝,彼の体は何も残っていませんでした.
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