おうし座3 「おうし座Taurusをめぐるギリシャ神話Ⅰ クレータの牡牛(“CRETAN BULL”)」① ポセイドーンはミーノース(ゼウスとエウローペーの子)に見事な牡牛を送ったので,彼は王国を獲得したが,牡牛を犠牲に供しなかった.ポセイドーンは彼が例の牡牛を犠牲に供しなかったので,憤り,この牡牛を猛悪にし,パーシパエー(ミーノースの妻)がこれに対して欲情を抱くように企んだ.アポロドーロス ギリシャ神話 高津春繁訳

おうし座Tau/ Taurus(the Bull)

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星座図鑑・おうし座

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Star Myths | Theoi Greek Mythology

 

もともとは,古代メソポタミアで描かれた星座で,シュメール語ではGU.AN.NA.天国の牡牛(the Bull of Heaven)の意とのこと.

Star Myths | Theoi Greek Mythology

http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/11/13/004859

この星座となった牛についてのギリシャ神話は多様で,少なくとも三つの物語があります.

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yachikusakusaki.hatenablog.com

そのうちの一つがクレータの牡牛の物語

 

クレータの牡牛(“CRETAN BULL”)1

へーラークレースにより生け捕りにされたクレータの牡牛.

もともと,この牡牛は,ポセイドーンがクレータ王ミーノースに与えたものとされています.

牡牛の誕生とその直後の物語は,偽アポロドーロスによるビブリオテーケー(日本語訳ではアポロドーロス「ギリシア神話」)に詳しく記されています.

the Theoi Projectのサイトでは,その英訳版を見ることができますが----

CRETAN BULL (Tauros Kretaios) - Labour of Heracles in Greek Mythology

 

今日は少し楽をさせてもらい,岩波文庫版(高津春繁訳)から,転載させて頂きます

 

アポロドーロス ギリシャ神話 高津春繁訳 岩波文庫

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第三巻 Ⅰ - 3 

アステリオス(クレータ王,ゼウスによって連れてこられたエウローペーを娶った)は子なくして死んだので,ミーノース(ゼウスとエウローペーの子)はクレータの王となろうとしたが,反対された.

そこで彼は神々よりこの国を授けられたものであると称して,その証拠として何事であれ彼の願うことは遂げられると言った.

そして,ポセイドーンに犠牲を捧げつつ,海底より牡牛の現れることを祈り,現れた牡牛を神に捧げることを約した.

ポセイドーンは彼に見事な牡牛を(海底より)送ったので,彼は王国を獲得したが,その牡牛は自分の飼っている牛の群れにやり,外のを犠牲に供した.

彼は海上の支配権を最初に握ったので,ほとんどあらゆる島々を統治下においた.

 

ポセイドーンは彼が例の牡牛を犠牲に供しなかったので,憤り,この牡牛を猛悪にし,パーシパエー(ミーノースの妻)がこれに対して欲情を抱くように企んだ.

彼女は牡牛に恋し,殺人の罪でアテーナイより追放せられた工匠ダイダロスを共謀者とした.

彼は車のついた木製の牝牛を製作し,これを取って内部に空洞にし,牡牛を剥いでその皮を縫いつけ,かの牡牛が常に草をはんでいる牧場におき,パーシパエーをその中に入れた.

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CRETAN BULL (Tauros Kretaios) - Labour of Heracles in Greek Mythology

 

牡牛がやって来て,真の牝牛と思って交わった.

そこで彼女はアステリオス,一名ミーノータウロスを生んだ.

彼は顔は牡牛であったが,他の部分は人間であった.

ミーノースはある神託に従って彼を迷宮(ラビユリントス)中に閉じこめて見張っていた.

迷宮(ラビユリントス)はダイダロスが造ったものであるが,「もつれにもつれし紆余曲折に出口を迷わす」一室であった.

 

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ウィキペディア等より