テューポーン ギリシャ神話怪物の系譜1  ギリシャ神話には,数多くの怪物が登場しますが,その怪物たちの父ともいえる存在がテューポーン(テュポーエウス,テュポエウス).“ゼウスがティタンどもを 天から追放されたとき 巨大な大地(ガイア)は 末っ子 テュポエウスを生まれた”(ヘシオドス) 100のへびの頭をもち,口から火を吐き,ももから下はへびの形で,世界の端から端に達するほど巨大な化け物とされます.ケルベロスをはじめ,ヒュドラやキマイラ,オルトロスなどの怪物はエキドナと交わってもうけた子とされています.

ギリシャ神話には,数多くの怪物が登場します.

その怪物たちの父ともいえる存在が

テューポーン

テュポン、テューポース、あるいはテュポーエウス,チュポエウス,テュフォン

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日本語版ウィキペディアによれば,

テューポーン - Wikipedia

ギリシア神話に登場する怪物の中では最大最強の存在”

 

ガイア(大地)とタルタロス(奈落)の子とされています.

 

“ティタンたちをタルタロスに閉じ込めたゼウスの仕打ちに立腹したガイアが,彼の王権を簒奪させる目的でタルタロスと交わって産んだとされ,

100のへびの頭をもち,口から火を吐き,ももから下はへびの形で,世界の端から端に達するほど巨大な化け物”(ブリタニカ国際大百科事典)

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TYPHOEUS (Typhon) - Monstrous Giant of Greek Mythology


 

ヘーシオドス「神統記」によれば,

 

ヘシオドス 神統記 廣川洋一訳 岩波文庫

テュポエウスとの戦い

さて ゼウスがティタンどもを 天から追放されたとき

巨大な大地(ガイア)は 末っ子 テュポエウスを生まれた

黄金(こがね)なすアプロディテの手引きで タルタロスとの情愛の契りをされて.

この者の腕は 強力で

この力強い神の脚は 疲れを知らなかった.

彼の肩からは 蛇すなわち 恐るべき竜の 百の首が

ひらめく 黒い舌をみせて 生え出ており その

不思議な首にある 両眼は 眉の下で 火を 閃(ひら)めかせた.

その 睨めまわす すべての首からは 火が燃え立ったのだ.

また そのすべての恐るべき首には あらゆる種類の

言葉につくせぬ音あげる声があった すなわち あるときには

神々の理解したもう声音(こわね)を放ったし またあるときは

気性鎮めようもなく獰猛(どうもう)で 目に不遜の光を湛(たた)え 猛々(たけだけ)しく吼(ほ)え立てる牡牛の声を

また あるときは 残忍な胆(きも)もつ獅子の声を

また あるときは 聴くも奇妙な 獣(けだもの)の仔の鳴き声にも似たものを

さらにまた あるときは 彼(テュポエウス)が 啾啾(しゅうしゅう)と嘯(うそぶ)けば 高い山々は 鳴り響動(とよ)んだ.

いまもまた まことに手の施しようがない事態が あの日に 出来(しゅったい)して

かの者(テュポエウス)が 死すべき身の者どもと不死の神々に 君臨することになっただろう

もし 人間どもと神々の父(ゼウス)がいち早く察知されなかったなら.

 

 

ゼウスと戦って,一時は優勢を示し,一伝によればゼウスを捕え岩屋に幽閉したが,最後には雷で打たれて敗れ,エトナ火山の下敷きにされ,そこでなお火を吐き続けているといわれる.

エキドナと交わり,地獄の番犬ケルベロスをはじめ,ヒュドラやキマイラ,オルトロスなどの怪物の子たちをもうけたとされます(ブリタニカ国際大百科事典 テュフォン テュフォンとは - コトバンク )

 

この記述もヘーシオドス「神統記」等に.

 

続く

 

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