日本人あるある 「日本人は電話で相手が切るまで待つ」?  8人中7人の外国人が「あるある」.外国人男女10人で実験:結果は平均1.7秒.日本人より7秒も早く切るという結果に. 「お互いが待っていたら,いつまでも電話が終わらないよ」「『失礼だと思うから,すぐ切らない』という考え方は?」「「失礼だとは思わないよ.ガチャンと切らずに,普通に切ればいい」「間合いの文化.これを,本当の心がこもった間合いなのかお作法なのか?」  COOL JAPAN 「外国人が感じた“ニッポン人あるある”Part3」-3

外国人から見ると,まか不思議な日本人の行動.

そんな「ニッポン人あるある」を徹底解明!

COOL JAPAN「外国人が感じた“ニッポン人あるある”Part3」-3

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COOL JAPAN~発掘!かっこいいニッポン~ - NHK 

【出演】青山学院大学教授…小林康夫,【司会】鴻上尚史,リサ・ステッグマイヤー,【語り】日高のり子,中井和哉 

COOL JAPAN「外国人が感じた“ニッポン人あるある”Part3」-1

▽日本人はハンバーガーを紙に包んだまま食べる :8人中6人の外国人が「あるある」 http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/04/28/014155

COOL JAPAN「外国人が感じた“ニッポン人あるある”Part3」-2

▽日本人はバッグを開けっ放しにする :8人の外国人全員が「あるある」 http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/04/28/014155

 

「さあ,続きましては,アンドリューは,なんですか?」

アンドリュー(カナダ)「日本人は,電話で相手が出るまで待つんだ.だいぶ長いこと待つよね.もし電話機があればこんな感じで.(受話器を持って待つマネをして,だんだん体が前に倒れてしまう)最後はこうだ」

 

「はい,このニッポン人あるある.同感の人はあるある札を上げて下さい.それでは,どうぞ」

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「お〜.あっ,ムリナムだけが違うんだ」

ムリナル(インド)「インドでも,相手が切るまで待つよ.4〜5秒ほどは,待つんじゃないかな」

 

日本人は,電話で相手が切るのを待つ?

検証します.

ルールは簡単,番組スタッフからかかってくる電話に出てもらうだけ.

(呼び出し音)「失礼いたします」

相手が切るのを待つのか,最後の一言から,受話器を置くまでの時間を計測.

ちなみにスタッフは,相手が切るまで待ちます.

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まずはこちらの女性から.

女性A(英会話教室勤務)「お電話ありがとうございます」スタッフ「もしもし」「はい」「いつも大変お世話になっております」

初めてのビジネス相手という設定です.

女性A「よろしくお願いいたします.お電話ありがとうございました」スタッフ「よろしくお願いします」(時間測定開始⇒果たして----)

結果,受話器を置くまでは10秒.なぜ,10秒も?

「切るまで待ちますよね.相手が」「待ちます?」「はい,待ちます」「なんで,相手をまつんですか?」「先に切ったら失礼かな,というのがあるからです」

 

こちらの男性はどうでしょう?

男性A(外資系企業勤務)「-----切れない.---はい」

やはり,相手を待って11秒.

「クセですね.失礼かなっと思って,私,いつも相手が切るまで切らないんですよ」

 

女性B「----失礼いたします」

更に電話の切り方にも,工夫がありました.

(7秒で切るのですが)分かりましたか?

そう,受話器を置く前に,指でフックを押しているんです.

女性B「『ガチャン』と切ると,『ガチャン』という音が相手の方にも入るんですよ.なので,そっと置くと丁寧感が伝わるかなって」

いわゆる,『ガチャ切り』をしないように気を配る方は,男性にも多く見られました.

 

日本人男女10人で実験した結果,受話器を置くまでの平均は,8.7秒でした.

 

一方,外国人は,どうなのでしょうか?

 

まずはドイツから来たこちらの女性.

女性外国人A(ドイツ 会社員)「ハロー,こんにちは」-----「Thank you」「Thank you」「バイバイ,アリガトウゴザイマス」

すると,結果は3秒.

Q: なぜ相手を待たずに電話を切った?

「なぜって?会話が終わったからよ」

Q: 上司との会話でも待たずに切る?

「同じことよ」

 

こちらの男性(アイルランド IT企業勤務)---

ガチャ (1秒)

男性「よし,うまくいった」

なんと1秒.記録更新です.

Q: なぜ相手を待たずに電話を切った?

男性「いつもこうだから」

 

その後も会話が終わると,相手を待たずに『ガチャ切り』する外国人が続出.

日本人がよくやる電話の切り方を見せると---

外国人男性「指で先に押して電話を切る?なぜ?そりゃ変だよ」

連れの外国人男性「『ガチャン』と聞こえないように?」「イエス」「相手に音が聞こえないようにするんだ!」

 

外国人男女10人で実験.結果は平均1.7秒.日本人より7秒も早く切るという結果に.

 

どうして,日本人は相手が切るのを待つのでしょうか?

「相手が『あっ』って,切ろうとしたときによくあるじゃないですか.相手がお客さんであれば,

こっちが先に切ったら,失礼になるので」

「(相手が)見えない相手だからこそ,そこに礼儀を尊重するのかなって思います」

「(相手は)見えないけれども,会う機会もあると思うので,会ったときにどういう印象を持たれるかっていうのも,重視してるのかなって思います」

「なんか,余韻があった方がいい,みたいなものがあるんじゃないですか.サヨナラって言っても,向こうが消えるまで見ていたりね」

 

電話で相手が切るのを待つ日本人.どう思いますか?

 

「う〜ん.さあ,このね〜.この意見を,本当にどう思ったんでしょうね?」

アンドリュー(カナダ)「お互いが待っていたら,いつまでも電話が終わらないよ.どうすればいいのか,わからなくなる.とにかく早く切ってほしい.見ているだけでイライラするよ」

 

「その『ガチャンっていうふうに切られる音を伝えるのが失礼だと思うから,すぐ切らない』という考え方は,これ,どうなの?分かるの?失礼だと思う?」

ピーター(アメリカ)「失礼だとは思わないよ.ガチャンと切らずに,普通に切ればいい.『時は金なり』で他にやることがあるよ.お互いに『ありがとう』と言い合ってるけど,要件は伝わってるんだろ?お互い同時に切れば,『ガチャン』は聞こえないよ」

「たしかに,2人が同時に切ったら聞こえないんだよね」「聞こえない.全然」「待ってるから聞こえるんだよね」「そうそう」「『ん?』つって」「先に切られた」

 

クリスティアン(イギリス)「イギリスは,最後のあいさつまでが問題なの.『火曜の7時,忘れないでね.わかった?』『オーケー』『オーケー?』『じゃあ,さようなら』『わかった,さようなら』『あなたが切って』『先に切って』『あなたから切って』.最後に『一緒に切りましょう』ってなるの」

「イギリス,そんなことするんだ?」

クリスティアン(イギリス)「家族や友達との電話では,自然とこうなるの.ビジネスではないわ」

「ビジネスではないんだ.なるほどね.ビジネスはないんだ.ああ.なるほどね」

 

「どうして,日本人は,相手が切るまで待とうとするんだと思う?」

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ハファエラ(ブラジル)「自分の印象を気にしすぎてるのよ.相手に悪い印象を与えたくないの」

オクサナ(ロシア)「日本人は,お互いに敬意を払ってるのよ.失礼にならないようにしているの.または,先に電話を切るという役割を負いたくないのかしら」

「そうだな,それもあるな」

ニコラ(フランス)「日本では,お得意様が何か言い残したら,こっちの責任になるけど,フランスでは,何か言い残したら,向こうから電話してくるよ.さすがに,1秒もしないで切るのは失礼だけど.言いたいことがあれば,かけ直してくるから大丈夫」

 

「なるほどね.VTRの中で,1人,余韻っていうふうにおっしゃってましたけど,日本人で,相手が見えなくなるまでずっと見送るとか,旅館とかでも,もう,ず〜っと去るまで,ず〜っとお辞儀してたりね,してるみたいに,ああいう,相手が振り返るかもしれないから見送るみたいな,ああいう感覚っていうのはどうよ」

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アンドリュー(カナダ)「誰かが,待ってくれたら気持ちの良いことだよ.だから,逆の立場になれば理解できるよ」

ハファエラ(ブラジル)「電話における,“おもてなし”文化かしら?」

クリスティアンが言ったさ,友達とか家族は,今のその簡単に切らないみたいなさ,“You hang up" “You hang up”“Together”みたいなさ.やっぱ,そういう余韻を楽しんでるわけだよね.でも,ビジネスではやらない.ビジネスで変だもんね」

クリスティアン(イギリス)「ビジネス電話だと,『他に何かありますか?』と聞くわ.はっきり確認するの.“Anything else?” “No.” “OK. next Tuesday. Bye.”(一瞬間を置いて,切る)」

「ちょっとあるんだね.

さあ,小林さん.なぜ,日本人は,電話を切ると,---」

 

小林さん「相手が自分をどう思ってるかとか,自分の方から悪い印象を与えたくないとか,ある種の,こう,二人の人間の間の間に,何か,ちょっとこう,感覚があって,このやりとりは大事よね.

ビジネスが終わったから話が終わりじゃなくて,そこの間に,余韻って言ってたけど,誰か,この人間関係は,まだ,ちょっと間があるよね,間合いっていうのを感じますよね.

間合いの文化.これを,本当の心がこもった間合いなのか,お作法なのかってところが,微妙な日本の文化のね,分かれ道かな」

「なるほどね」