木蓮・白木蓮を詠んだ短歌  大船フラワーセンターの紫木蓮・白木蓮は満開.  かきくらし雪降る中の木蓮の花は雪よりなほ白く見ゆ 岡麓  おおらかに此処を楽土とする如し白木蓮の高き一もと 与謝野晶子  ゆらゆらと水かげろふのうつりたる岩かげに白き深山木蓮 若山喜志子  そらのなかに歓びあれや幹高き白木蓮のはな飛びはじむ 香川進  木蓮の落花一ひら拾ひ上ぐ女一人生きてゆかねばならぬ 大西民子  いにしへの王(おおきみ)のごと前髪を風に吹かれてあゆむ紫木蓮まで 阿久津英

今日は風早や強かったのですが,暖かな一日.5月の気温とか.

大船フラワーセンターのビオラはそろそろ最盛期を迎えようとしていました.


フラワーセンターには,何種類かの早咲きの桜が植えられていて,それぞれほぼ満開か,散り始めていました.

今日紹介するのは,2種類:

 

オキナグサ.なかなか趣のある花です.

どこでも見かけるムラサキハナナが,庭園の片隅に咲いていました.

 

そして,桜に負けず目立っていたのが,シモクレンハクモクレン

どちらも好きな花ですが,ハクモクレンの力強い白さにはあこがれます.

 

木蓮・白木蓮を詠んだ短歌

(古今短歌歳時記より)

 

しきりにも木蓮の花のちる日なりわが思ふ人にさはりあらすな  佐佐木信綱 常磐

 

かきくらし雪降る中の木蓮の花は雪よりなほ白く見ゆ  岡麓 庭苔

 

おおらかに此処を楽土とする如し白木蓮の高き一もと  与謝野晶子 火の鳥

 

(かき)のうへに木蓮さけり。/くろずめる赤き花のまへに/しましうなだる。  石原純 

 

木蓮の花の木の間に飛ぶ雀遠くは行かぬ声の寂しさ  北原白秋 雀の卵

 

ゆらゆらと水かげろふのうつりたる岩かげに白き深山木蓮  若山喜志子 筑摩野

 

木蓮のちれる花びら井戸水とともに掬ひて手にとる吾は  佐藤佐太郎 歩道

 

そらのなかに歓びあれや幹高き白木蓮のはな飛びはじむ  香川進 山麓にて

 

木蓮空いつぱいにひろがりてしみいるごとき感傷のあさ  加藤克巳 宇宙塵

 

木蓮の花咲く下まであゆみゆきその紫の花を仰げり  石黒清介 平明

 

木蓮の落花一ひら拾ひ上ぐ女一人生きてゆかねばならぬ  大西民子 まぼろしの椅子

 

木蓮の思いきりよく天を指し激しく撓(たわ)む風強き日に  水野昌雄 風の季節

 

いにしへの王(おおきみ)のごと前髪を風に吹かれてあゆむ紫木蓮まで  阿久津英 紫木蓮まで・風舌