砥草・木賊を詠んだ短歌 / 芙蓉を詠んだ短歌  おんめ様(大巧寺)〜妙本寺のいつもの散歩コースを歩いてきました.おんめ様水舎の両脇にはトクサが植えられています.妙本寺祖師堂の裏手の芙蓉はまだ満開です. 白き猫庭の木賊の日たむろに眼はほそめつつまだ現(うつつ)なり 北原白秋  木賊むら蜥蜴いかなるいとなみに生きて涼しき風渡るらむ 馬場あき子  白芙蓉あしたは軽(かろ)く夕まぐれほのぼの重し光(かげ)を孕みて 栗木京子

晴れた日,いつもの散歩コースを,昼前に歩きました.

おんめ様(大巧寺)〜妙本寺コースです.

 

駅前の銀行の植え込みの赤葉千日紅とマリーゴールド.ちょうど良い気候なのか,元気いっぱいでした.

 

今の季節のおんめ様は,コムラサキが美しい姿を見せてくれます.

そして,タマスダレ

ピンクのシュウメイギク,赤い実はサンザシ(西洋サンザシ?).白い花はオトコエシ.

手水舎(ちょうずや)の両脇にはトクサが植えられています.根強い人気を持っていますね.

和名:砥草 砥(と=といし)の役をする草の意.あおとくさ.

漢名:木賊

 

トクサ 砥草木賊を詠んだ短歌

(古今短歌歳時記より)

 

(たて)川の流れ溢れて君が庵の庭の木賊に水は越えずや  正岡子規 竹の里歌

 

鬼怒川の土手の小草おぐさ)に交りたる木賊の上に雨霽れむとす  長塚節 長塚節歌集

 

白き猫庭の木賊の日たむろに眼はほそめつつまだ現(うつつ)なり  北原白秋 雀の卵

 

研ぎ果てておのれ細りし百千の木賊束ねよ秋の夕べは  安永蕗子 冬麗

 

木賊むら蜥蜴いかなるいとなみに生きて涼しき風渡るらむ  馬場あき子 晩花

 

 

妙本寺の参道には,キンモクセイが何本も植えられています.開花が始まっていました.

 

妙本寺の正面の建物は,本堂ではなく「祖師堂」です.宗祖・日蓮,二世・日朗,三世・日輪が祀られています.

 

この祖師堂の裏手に,大きな芙蓉があり,まだ沢山の花をつけていました.

芙蓉を詠んだ短歌

(古今短歌歳時記より)

一部は8/4のブログにも掲載しました.

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/08/04/234051

 

しろ百合はそれその人の高きおもひおもわは艶(にほ)ふ紅芙蓉とこそ  与謝野晶子 みだれ髪 

俵万智訳  白百合の君の心は百合の白なれど美貌は紅芙蓉なり)

 

老詩人微醺(びくん)微吟の窓ちかく白き芙蓉の花咲く月夜  中原綾子 閻浮提

 

紅芙蓉一輪庭に炎え咲きていさぎよきことふと思ひいづ  岡山たづ子 木の根

 

しじまなすことばほのけし花芙蓉天つ罪など今日にもたずや  馬場あき子 飛花抄

 

白芙蓉あしたは軽(かろ)く夕まぐれほのぼの重し光(かげ)を孕みて  栗木京子 中庭