イチジクを詠んだ短歌1  秋明菊がほぼ満開.百日紅の花は雨に打たれて散っている秋.スーパーに店先に,無花果が.懐かしさを感じる果物です.  いきどほろしきこの身もつひに黙(もだ)しつつ入日のなかに無花果を食む 斎藤茂吉  生きていてああよかったと朝露にしっとり濡れし無花果を食む 香川進  ひめやかに幼ならに来しさきはいか葉がくれに乳房にほふ無花果 木俣修   宵々の露しげくしてやはらかき無花果の実に沁みとほるらむ 佐藤佐太郎

買い物途中で立ち寄ったおんめ様(大巧寺)の小径には,秋明菊がほぼ満開になっていました.蒸し暑さはまだつづきますが,秋ですね.

 

水鉢に植えられた蓮の花も最後の花になるのでしょうか.

ハナトラノオは,ほぼ夏を通して咲き続けていた気がします.まだ花は元気.コムラサキが色づきはじめています.

 

フヨウはそろそろ終わりでしょうか.白花は,お隣の本覚寺のもの.

 

本覚寺サルスベリは,鎌倉でも何本かの指に入る立派な木,小さな木も含めれば5-6本あるかと思います.

こちらも最後の花でしょう.

昨日の風で散った花が,境内を彩っていました.

 

スーパーの青果売り場には,イチジクが並べられていました.

子供のころは家で沢山なったものを,毎日のように食べていた記憶があります.そのせいか懐かしさを感じる果物になっています.

https://www.shopping-charm.jp/product/2c2c2c2c-2c2c-2c2c-2c2c-2c3439333137

https://www.ja-hareoka.or.jp/specialty/ichijiku.php

 

イチジクを詠んだ短歌

(古今短歌歳時記より)

 

いきどほろしきこの身もつひに黙(もだ)しつつ入日のなかに無花果を食む  斎藤茂吉 あらたま

 

無花果の青の芽立は秋の樹の落葉するにもましてさびしき  植松壽樹 庭燎

 

無花果に干したる足袋や忘れけむと心もとなき雨あわただし  長塚節 長塚節歌集

 

小女子の乳くびに似たる無花果の実のなりそめは愛(いつ)くしきかも  岡麓 庭苔

 

更けて戻る夜戸のたどりに 触れつれば いちじゅくの乳(ち)はふくらみたりけり  釈迢空 海やまのあひだ

 

生きていてああよかったと朝露にしっとり濡れし無花果を食む  香川進 氷原

 

ひめやかに幼ならに来しさきはいか葉がくれに乳房にほふ無花果  木俣修 歯車

 

宵々の露しげくしてやはらかき無花果の実に沁みとほるらむ  佐藤佐太郎 地表