山茶花を詠んだ歌 鎌倉源氏山公園〜葛原岡神社へ行って来ました.出会った秋の花・実は,ミズヒキ,イヌビワ,返り咲きのソメイヨシノ,ホトトギス,ヨウシュヤマゴボウ,ヤブミョウガ,クサギ,そしてサザンカ. 人いゆき日ゆき月ゆく門庭(かどには)の山茶花の花もちりつくしたり 佐佐木信綱  山茶花の白きを愛づるこの園にわれを怖れぬ山鳥のこゑ 斎藤茂吉  山茶花のはな散りすぎて,/庭のうへに/あたる日の色/濃くなりにけり 釈迢空  散る花のうへにまた散る山茶花のいまだ暮れざる夕暮れの時 佐藤志満

鎌倉源氏山公園・葛原岡神社へ行った来ました.

 

山道にかかる前のお宅の美しい花たち.

キバナコスモス,コスモス,センニチコウブーゲンビリア,ダリア

 

山道に入ると,ミズヒキ,イヌビワ,ツワブキツルドクダミ

 

源氏山には,名札のつけてある木もみられます.

 

葛原が岡神社は,明治時代に創建された,後醍醐天皇の側近・日野俊基を祀る神社です.

お社の前のソメイヨシノが美しくさいていました.見事な返り咲き.

 

ホトトギスがとてもかわいらしくきれいに咲いていました.

ヨウシュヤマゴボウヤブミョウガ,そしてクサギ.鎌倉の山でとてもよく見かける花,実.



源氏山は椿が多い公園ですが,今咲きはじめているのはサザンカ

 

山茶花を詠んだ短歌.

(古今短歌歳時記より)

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/11/05/235925

 

朝ぎよめ今せし庭に山茶花のいささか散れる人の思ひや  伊藤左千夫 左千夫歌集

 

川に臨む生垣ありて水の上にこぼれんとする山茶花の花  正岡子規 竹の里歌

 

人いゆき日ゆき月ゆく門庭(かどには)山茶花の花もちりつくしたり 佐佐木信綱

 

霜月の照る日の庭に咲きすぎて色やゝあせし山茶花の花  太田水穂 雲鳥

 

咲きや得(う)と霜にあはれむ山茶花のくれなゐふふむ数多のつぼみ  窪田空穂 丘陵地

 

山茶花はさけばすなわちこぼれつつ幾ばく久にあらむとすらむ  長塚節 長塚節歌集

 

さざんくわ の いくひ こぼれて くれなゐ に ちり つむ つち に あめ ふり やまず  会津八一 寒燈

 

山茶花の白きを愛づるこの園にわれを怖れぬ山鳥のこゑ  斎藤茂吉 寒雲

 

すべもなきさびしき庭となり果てぬ日陰に散れる山茶花の花  四賀光子 藤の実

 

にはとりら駆けきて草をあさりけり土の湿りに山茶花匂ふ  三ヶ島葭子 三ヶ島葭子全歌集

 

寺庭の夕静あゆみさむけきに目にとめて見つ白き山茶花  木下利玄 一路

 

山茶花のはな散りすぎて,/庭のうへに/あたる日の色/濃くなりにけり  釈迢空 春のことぶれ

 

山茶花はつぎつぎ紅き蕾もてり咲きをはるべきときの知らなく  中村憲吉 軽雷集以後

 

山茶花の咲きたる道はひそかにてそのこぼれたる花のひそけし  小野昌繁 秋山

 

山茶花は光ともしきに花さきぬ人のこほしき紅(あけ)にあらなくに  佐藤佐太郎 歩道

 

隣り家の赤き山茶花塀こえてわが庭くまに散りたまりゐる  大語法静子 続短歌日記

 

散る花のうへにまた散る山茶花のいまだ暮れざる夕暮れの時  佐藤志満 白夜

 

終わる花あれば咲き継ぐ朝花の常(とこ)新しき山茶花ひと木  野北和義 亭午集

 

山茶花のはな褪せぬままに地に積めりいつかは消えむ嘆きの量(かさ)  渡辺於兎男 雪蟲

 

黄色なる蕊は天に向き花びらは反りかへりつつ山茶花の咲く  石黒清介 栃尾

 

山茶花の紅にむかへばみづからの拾遺のごとき感情はしる  中村純一 日本海

 

いのちたゆたふ旅のはたては石のぼる昼のまぼろしさざんくわの花  山中智恵子 みずかありなむ

 

さざんくわの紅をつつめる薄雪はけふのわたしの夢の器よ  恒成美代子 夢の器