寒しを詠んだ短歌3/冬の湘南平  相模湾見おろす冬の湘南平.さむざむと明るい光が満ちていました.  さむざむと晴れし空より最善を尽くすがごとく陽のふりそそぐ 山下陸奥  寒ざむと日のさす道につつましくしやがみて売れり福寿草の株 鹿児島寿蔵  さむざむと夕日の門にゐる犬のふと欠伸(あく)ぶとき憎くはあらぬ 宮柊二  さむき道を何時まで従(つ)きてくる犬かわれは頒けてやる倖せもたぬ 中城ふみ子  さむざむと陰を洗へるしまひ湯の底のくらみを見つめながらに 辰巳泰子

冬の湘南平までドライブ.初めは花菜ガーデンに行く予定だったのですが,公営施設は,既に年末年始の休みに入っていました.

展望台からは相模湾を一望できます.

残念ながら富士はほとんど姿を隠していました.

 

一部紅葉が残る木があるものの,ほとんどのカエデは茶色く枯れてきていました.潮風の影響もあるのでしょう.

こちらはエノキ?存在感あり.

小さな花壇にはパンジーが植えられていて,ベンチで休む方々の目を楽しませていました.

 

ここでも,山茶花が今シーズン最後の花を付けていました.

季節外れの花を付けていたツツジ

今シーズン初めて水仙を見ました.出会うと嬉しい花です.

 

 

寒し・寒けし・寒さを詠んだ短歌2

(古今短歌歳時記より)

 

さむざむと晴れし空より最善を尽くすがごとく陽のふりそそぐ  山下陸奥 生滅

 

寒ざむと日のさす道につつましくしやがみて売れり福寿草の株  鹿児島寿蔵 麦を吹く嵐

 

蕗の薹の為めにひたすら恐れたる厳しき寒さ過ぎてはかなし  山口茂吉 高清水

 

竹叢の秀(ほ)のしづまりを見つつ居て苦しく寒きゆふべとなりぬ  佐藤佐太郎 地表

 

さむざむと夕日の門にゐる犬のふと欠伸(あく)ぶとき憎くはあらぬ  宮柊二 群鶏

 

この島に小女子(こうなご)の糶(せり)立つみればさむざむとして桶にあふるる  佐藤志満 白夜

 

夕映えて檜垣も汲みし白川の蓮台寺町ゆくに寒しや  安永蕗子  朱泥

 

さむき道を何時まで従(つ)きてくる犬かわれは頒けてやる倖せもたぬ  中城ふみ子 乳房喪失

 

さむざむと陰を洗へるしまひ湯の底のくらみを見つめながらに  辰巳泰子 紅い花