英勝寺の春/コブシを詠んだ短歌  英勝寺の春を楽しんできました. 山吹,山茱萸,三椏,椿,ラッパ水仙,そして,四手辛夷(シデコブシ 名札には辛夷とありましたが). 楢の木の枯れ木のなかに幹白き辛夷はなさき空蒼く濶(ひろ)し 長塚節  母座(ま)さむいかならむ世かおもはえね月照るしろき辛夷この花 北原白秋  かぎりなく夕べの雲のひろがればこぶしの花片拾ひて帰る 近藤芳美  清浄と喪のごとく咲く花白し谷のこぶしに舞ふ春の雪 武川忠一

鎌倉英勝寺の春

 

今日はよく晴れた1日.

江ノ島弁天橋からは,美しい富士を眺めることができました.

 

午後は,所用で鎌倉まで.ついでに英勝寺に立ち寄ることにしました.

横須賀線の線路脇には,春の野草,逸脱した/ご近所の方が植えた園芸種が花盛り.

 

英勝寺では,春の花にたくさん出会うことができました.

山吹(やまぶき).

 

茱萸(さんしゅゆ)

 

三椏(みつまた)

 

椿(つばき)

 

ラッパ水仙(らっぱずいせん)

 

奥の竹林は,昨年のタケノコが一番大きく育っている時期.

 

竹林の横にシデコブシが美しい花を咲かせていました.名札にはコブシとありましたが,花の形もやや異なります.

PictureThisはこちらもシデコブシとしました.ネット上の画像からは八重咲きのヒメコブシの可能性が大.

庭木図鑑ウエキペディアによれば

https://www.uekipedia.jp/落葉広葉樹②-1/シデコブシ/

シデコブシとヒメコブシを別の種.ただ,ややこしいことに,「シデコブシはヒメコブシとも言われる」ともありました.

 

シデコブシは風にたなびく花弁が、神社の注連縄などに使われるシデ(四手/紙垂)に似るとして、シデコブシと名付けられました.伊勢湾などで限定的に分化した日本固有種だそうですが,野生種は絶滅の危機にありますが,大木になる辛夷に比べて扱いやすく,園芸種が世界に広なっているとのこと.

https://www.uekipedia.jp/落葉広葉樹②-1/シデコブシ/

 

2年前に鎌倉中央公園で見た辛夷

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辛夷を詠んだ短歌

(古今短歌歳時記より)

 

楢の木の枯れ木のなかに幹白き辛夷はなさき空蒼く濶(ひろ)  長塚節 長塚節歌集

 

春さむき辛夷の花はこの沼の水にしづきて散りがてにせり  斎藤茂吉 寒雲

 

母座(ま)さむいかならむ世かおもはえ月照るしろき辛夷この花  北原白秋 牡丹の水

 

わが長き夜を断たむとし春の野に花燭台となる辛夷マグノリア)  斉藤史 風に燃す

 

遠からぬ記憶なれども帰り路に桜とこぶし咲けるまぼろし  佐藤佐太郎 黄月

 

かぎりなく夕べの雲のひろがればこぶしの花片拾ひて帰る  近藤芳美 埃吹く街

 

清浄と喪のごとく咲く花白し谷のこぶしに舞ふ春の雪  武川忠一 青釉