アポローンの恋人ヒュアキントスが変身した花は,現在のヒアシンスではないというのが定説になっています.
・「ギリシア・ローマ神話(上) トマス・ブルフィンチ,大久保博 訳 角川文庫」:現在のヒアシンスではない.アヤメ科の一種か,さもなければ,ひえんそう,あるいは,パンジーの一種.
・ランダムハウス英語辞典 hyacinth【4】 美少年 Hyacinthus の血から生じたと伝えられる植物;アイリス,グラジオラス,ヒエンソウなど
・HYACINTHUS (Hyakinthos) - Spartan Prince of Greek Mythology
The grieving Apollon then transformed the dying youth into a larkspur flower (hyakinthos in Greek) which he inscribed with the wail of mourning "AI, AI."
悲しみに暮れるアポロンは、瀕死の若者をラークスパーの花(ヒエンソウ: ギリシャ語でhyakinthos)に変え、嘆きの叫びを「AI、AI」と刻んだのです。
yachikusakusaki.hatenablog.com
変身した花の候補最右翼は larkspur,ヒエンソウ.
しかし,larkspur,ヒエンソウって?
私はこのヒュアキントスの物語に出会うまで,全く知らない名前でした.
調べてみると---
larkspur,ヒエンソウの名称には混乱があって,また植物学的分類でも定まっていなかったようです.
今現在私の混乱した頭を整理していますが,その途中経過をメモしておきます.いずれ時間があるときに更に整理するつもりですが---
狭義のヒエンソウ(飛燕草)
Consolida ambigua/Consolida ajacis(Giant larkspur)
(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「ヒエンソウ(飛燕草)」 ヒエンソウ(飛燕草)とは - コトバンク )(ヒエンソウ - 植物図鑑 - エバーグリーン)
Consolida ajacis (Giant Larkspur)
広義のヒエンソウ
=LarkSur: キンポウゲ科のヒエンソウ属(オオヒエンソウ属?) Delphinium と Consolida の植物の総称.
(ランダムハウス英語辞典)
larkspurは「ヒバリのけづめ」に似ていることからつけられた名前とのことですが,形も特徴的で美しい花たち.
どこかにているは名があったと思ったら,トリカブトにかなり似ている!
そして,Larkspur, ヒエンソウも毒性を持つとのこと.
Aconitum japonicum PFAF Plant Database
File:Aconitum loczyanum2.jpg - Wikimedia Commons
トリカブト,ヒエンソウは,共に
キンポウゲ目Ranunculales,キンポウゲ科Ranunculaceae.
さらに亜科,連も同じで,
亜科Subfamily:Ranunculoideae,連Tribe:Delphinieae
最近整理されて,つぎのような系統樹が提唱されていました.
Cの系統樹が受け入れられれば,ヒエンソウ=デルフィニウムDelphinumu で分かりやすくなります.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1055790311005112#f0045