送られてきた1枚の写真,
部屋中を花で飾っている友人からでした.
添えられていた言葉は;
「酷暑の中,センニンソウが咲き始めました.雑草ですが,大好きな花の一つ.
どこでも見かけられ,夏の花のない時に可憐な花を咲かせるので,飾り花として重宝しています.だんだん,見かけなくなり,(見かける場所は,手の届かない高速道路沿いや,高く繁った野草と一緒で) 2年ほど前に,庭に移植」
名前も姿も美しい花.
しかし,初めて見る花でした.どこにでもある花のはずですが---,野山の花に疎い私です.
「夏になると,日本各地の日当たりの良い道端の藪や山野に,白い花をいっぱいにまとったセンニンソウが目を引きます.」センニンソウ | 日本薬学会
名前はどこかで見たことがある---なんと属名のラテン語名はクレマチス!
キンポウゲ科の花をまとめていたときに記載していました.
キンポウゲ目 Ranunculales,キンポウゲ科 Ranunculaceae,
センニンソウ C. terniflora
クレマチスと言えば,欧米の園芸植物としてはバラの次に位置するとも言われている華やかな花.
園芸種のクレマチスは,バラ同様,育てることを敬遠してきました.特に理由はありませんが--
センニンソウなら,見つけ次第すぐにでも庭に移植してみたいでものです.
センニンソウ以外にも,日本の野山には「クレマチス」が沢山咲いているようですね.どれも愛らしい花.
japonicaの名前を頂いているのはハンショウヅル.
ボタンヅル - Wikipedia ハンショウヅル - Wikipedia カザグルマ - Wikipedia クサボタン - Wikipedia
センニンソウは大和本草(1709)に記載があるそうです.(日本国語大辞典)
名前の由来は,正確には分かっていないとのことですが:
「花の後に果実より伸びた銀白色の長毛が密生した様子を,仙人のひげにたとえたことに由来しているようです」センニンソウ | 日本薬学会
多くのキンポウゲ科の植物同様,有毒.
ただし,トリカブトのような猛毒ではなく,アネモネと同じで汁液によるカブレに注意する必要があるようです.
アネモネより毒性は強いのかもしれませんが---
“センニンソウの別名には,ウマノハオトシ(馬の歯落とし),ウマノハコボレ(馬歯欠),ウシクワズ(牛食わず),ハコボレ(歯欠),ハグサ(歯草)などがあり,これは有毒植物である所以(ゆえん)”センニンソウ | 日本薬学会
また薬としても利用されていて
“ 10月頃に根及び根茎を掘り出し,水洗いした後,乾燥したものが生薬 「ワイレイセン(和威霊仙)」です.しかしその利用例はわかっていません.センニンソウ | 日本薬学会
”類似植物の中国産のサキシマボタンヅル(Clematis chinensis Osbeck)の根は生薬「イレイセン(威霊仙)」と呼ばれ,四肢の関節痛や痺れ,慢性関節リウマチに利用”センニンソウ | 日本薬学会
サキシマボタンヅル 威霊仙(いれいせん)|生薬辞典|漢方薬・生薬大辞典 - 漢方薬のきぐすり.com