バイカモ(梅花藻) : キンバイソウ(金梅草) ,バイカカラマツソウ(梅花落葉松草,梅花唐松草)とともにキンポウゲ科に属します.夏の風物詩として新聞に取り上げられることも多い水生植物ですが,全国各地でその生育地を減少させつつあり,移植による種の保全が実施されています. 渓流の早瀬となれば梅花藻は水のなかにてなびきつつ咲く  大島 史洋 「梅/梅花の名前が付けられた植物」3

「梅/梅花の名前が付けられた植物」3

 

今日とりあげるのは,

バイカモ(梅花藻:イチョウバイカモの変種扱い)

 

キンバイソウ(金梅草),バイカカラマツソウ(梅花落葉松草,梅花唐松草)とともに,キンポウゲ科に属します.

 

「美しすぎて,うっとり」と見出しをつけて紹介されることもあるキンポウゲ科の植物.

美しすぎて、うっとり。キンポウゲ科の9種の植物 | LOVEGREEN(ラブグリーン)

このブログでも,キンポウゲ科の花たちを集めたことがあります.

私も大好き.

http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/04/02/174156

 

梅花の名のついたキンポウゲ科の植物たちも見目麗しい.残念ながら実際に出会っていないので,画像を見る限り,ですが.

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イカモ - Wikipedia 四季の山野草(イチョウバイカモ) バイカカラマツとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版 梅花落葉松草とは - 植物図鑑 Weblio辞書 

キンバイソウ - Wikipedia

 

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バイカモ(梅花藻)は,日本固有種.

清流に育つ水生植物で,夏の風物詩として,そして観光スポットの紹介も兼ね,新聞記事に毎年のように取り上げられています.

 

例えば今年の記事でも:

透き通る清流、水中彩る白い花 旧中山道の宿場町 井手さゆり 2019年7月9日 朝日新聞デジタル

透き通る清流、水中彩る白い花 旧中山道の宿場町:朝日新聞デジタル

バイカモ 水中の花園 滋賀・米原  毎日新聞2019年8月11日 大阪朝刊

バイカモ:水中の花園 滋賀・米原 - 毎日新聞

真夏の清流に白い「梅の花」、バイカモが見頃  2019/08/12 読売新聞オンライン

真夏の清流に白い「梅の花」、バイカモが見頃 : 国内 : ニュース : 読売新聞オンライン

 

 

ネット上ではYou Tubeにも紹介されています.

 4K 水中花 梅花藻 (水中のバイカモ) Underwater Ranunculus aquatilis  

 

しかし,清流を好むバイカモは,生育環境の維持が難しく,絶滅危惧種に指定されることも多いとのこと.

そのため,各地で移植による種の保全が実施されています.

 

リバーフロント研究所(公益財団法人)によれば,

http://www.rfc.or.jp/pdf/vol_81/p030.pdf

 バイカモ(梅花藻)は,清流中に生育するキンポウゲ科キンポウゲ属の水草で,初夏から初秋にかけてウメの花のような白い花を水中につける日本固有種です.

冷水を好む(生育適温は15°Cで,25°Cを超えると生育できなくなる)ため,北日本では水路や河川などに広く分布しますが,西日本などでは上流や湧き水のある地域に分布域が限られています. そのため,都道府県別レッドデータブックで絶滅危惧 種に指定されている場合も多くあります.

 近年,バイカモは全国各地でその生育地を減少させつつあります.生育地の減少の理由は,河道改修,外来種による被圧,生育地の水質悪化等様々な要因によるものと考えられています. そのため,ヒルゼンバイカモ,ミシマバイカモなどのバイカモ類について,各地で移植による種の保全が実施されています.

例えば,狩野川水系柿田川では外来植物オオカワヂシャが分布域を拡 大し,地 域 特有のミシマバイカモが被圧され,何ら人為的対策を講じない場合にはバイカモの生育が危惧される状況にあります.

 

 

清冷な小川や湖沼の流れの中に咲く淡水藻の花を総じて,歳時記では「藻の花」と呼び,俳句・和歌に詠まれているとのこと.

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/51/05-01.pdf

 

バイカモは「藻の花」の代表選手ということになりますね.

 

藻の花や小舟よせたる門の前 (与謝 蕪村)

玉ならず海王星を御冠にとらむととすなり藻の花がくれ (与謝野 晶子)

渓流の早瀬となれば梅花藻は水のなかにてなびきつつ咲く (大島 史洋)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/51/05-01.pdf

 

 

また,同記事によれば

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/51/05-01.pdf

「有毒植物の多いキンポウゲ科のなかでは珍しく食べることができ,岡山県の山村では,バイカモ(正確には変種のヒルゼンバイカモ)をウダゼリと呼び,清流中に伸びた茎先を摘み,湯がいて食材として利用していた」

とのことです.

 

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バイカモ

水中の花園 滋賀・米原